公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

黒澤聖二の記事一覧

国基研事務局長 黒澤聖二    南シナ海における中国の人工島建設などに関する仲裁裁判の裁定から7月12日で1年となる。フィリピンが申し立てた裁定の結果は当事国に対し拘束力があり、ほぼ中国の完敗だったが、中国は裁定を「紙くず同然」と切り捨てた。過去1年で何か変わったのか。  ●強硬な中国、揺れるフィリピン  6月29日、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)が、衛星画像の解析...

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 戦時国際法の第一人者で国基研客員研究員でもある色摩力男氏がこのほど、『日本の死活問題~国際法・国連・軍隊の真実~』(グッドブックス)を上梓した。色摩氏は、駐チリ大使などを歴任した元外交官で、退官後は評論家として辛口の言論活動を展開している。わが国の死活問題を法的観点から解説した本書は、平易な言葉ながら国防の本質を突く。  本書はまず、わが国には「国際連合へのおめでたい幻想がいろいろあり」、国連...

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 マレーシアにおける金正男氏殺害事件にからみ今、にわかに注目を集めている化学兵器VXガスは、化学兵器禁止条約(CWC)で製造、保有、使用が禁止されている。しかし、北朝鮮はCWC非締約国であり、条約に拘束される法的義務はない。このことは何を意味するのか。  まずCWCについて概観しておきたい。CWCの前身は1899年の「毒ガス禁止宣言」であるが、これが毒ガス弾のみを禁止したと解釈され、1915年の...

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国基研事務局長 黒澤聖二    南スーダン国連平和維持活動(UNMISS)に参加する陸上自衛隊の部隊が、先月の閣議決定に基づき、駆け付け警護の任務を付与されて12月12日から活動を開始する。  政府は部隊の近くにいるNGO関係者等から救援要請があれば駆け付けて救助するなどという運用方針を示したが、その内容を見てみると、誰もが当然と認める道徳的行為に対し、ようやく国としてのお墨付...

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国基研事務局長 黒澤聖二    南シナ海での中国の主権主張を否定した仲裁裁判所の裁定を受けて、ウランバートルで開かれたアジア欧州会議(ASEM)首脳会合は「国際法や国連海洋法条約の諸原則に基づく紛争解決」をうたう議長声明を採択、名指しは避けながらも、裁定の尊重を中国に促した。しかし、いくら正論であっても中国は聞く耳を持たない。一方、裁定を詳細に見れば、海洋国家日本が手放しで喜べな...

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国基研事務局長 黒澤聖二    フィリピンが中国との間で争う南シナ海の紛争に関する仲裁裁判の裁定が出た。7月12日の裁定は、中国が主張する「9段線」内部の歴史的権利を否定するなど、フィリピンの言い分をほぼ全面的に認めた。中国は予想通り裁定を「断固拒否」(外務省)したが、仲裁裁判所は中国に反論の機会を与えた上、ベトナムやマレーシアの主張も考慮するなど、公平中立に徹したと評価できる。...

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国基研事務局長 黒澤聖二    6月15日、中国軍艦が鹿児島県口永良部島周辺のわが国領海(トカラ海峡)内を通航した。ここは領海で覆われた海域で、そこを中国海軍のドンディアオ級情報収集艦が南東方向へ抜けたのである。海上自衛隊のP-3C哨戒機が発見、追尾し、警告したにもかかわらず、情報収集艦は約2時間半にわたり領海内を通航した。9日に尖閣諸島の領海外側の接続水域を中国海軍のフリゲート...

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国基研事務局長 黒澤聖二    1月12日、フィリピン最高裁判所は米比防衛協力強化協定(EDCA)が合憲であるとの判断を示した。同協定は2014年に結ばれたものだが、フィリピンの元上院議員らが上院の承認を得ない条約は憲法違反であるとして政府を訴え、発効手続きが停止していた。  ●司法判断が政府を後押し  判決の中で言及されているフィリピン共和国憲法第18条第25項は「議会...

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