公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

髙橋史朗の記事一覧

国基研理事・麗澤大学大学院客員教授 髙橋史朗    自民党の「こども・若者」輝く未来創造本部が「こども庁」創設と「こどもまんなか基本法(仮称)」制定に向けて準備を進めている。有識者会議が発足し、年内にも取りまとめが行われ、同庁設置法案を含む関連法案が来年の通常国会に提出される見通しである。これまであまり議論されなかった問題点を指摘したい。  ●「家庭」軽視は不当  第一は...

続きを読む

 選択的夫婦別姓制度をめぐる論議の攻防が正念場を迎えている。11月24日に自民党の「氏の継承と選択的夫婦別氏制度に関する有志勉強会」、25日に「『絆』を紡ぐ会」、26日に「保守団結の会」、12月1日と3日に「女性活躍推進特別委員会」、4日に同委員会・内閣第一部会合同会議を開催、8日に再び同合同会議を開催し、第5次男女共同参画基本計画案をめぐる自民党の論議を終えて、18日に男女共同参画会議で正式に決...

続きを読む

国基研理事・麗澤大学大学院特任教授 髙橋史朗    改正児童虐待防止法が4月に施行されるのを前に、厚生労働省は昨年12月3日、体罰に関する指針案を公表した。広く国民の意見を聴いたうえで、3月に指針を確定する。指針案には「身体に何らかの苦痛又は不快感を引き起こす行為(罰)は、どんなに軽いものでも体罰に該当し、法律で禁止する」とある。しかし、「体罰」と自立心や忍耐力、基本的生活習慣を...

続きを読む

 マスコミが取り上げている教師のいじめは氷山の一角に過ぎない。学校という閉鎖社会の中での先輩・同僚教師からのパワハラ・モラハラ・セクハラは日常茶飯事である。私は10年以上、東京、埼玉、大阪、福岡で教師のリーダーを育てる師範塾の塾長、理事長として、教員研修に尽力してきたが、小学校の教員採用試験の競争倍率が限りなく1倍(全員合格)に近づきつつある今日、教員をめぐる状況の深刻さは目を覆うばかりである。 ...

続きを読む

国基研理事・麗澤大学大学院特任教授 髙橋史朗    千葉県野田市の小4女児虐待死事件を契機に、政府与党は今国会提出予定の児童福祉法と児童虐待防止法の改正案に体罰禁止を盛り込む方向で調整している。2月27日、自民党の「虐待等に関する特命委員会」は、厚生労働部会との合同会議を開き、児童福祉司をはじめ専門職の増員と専門機関の連携等19項目の提言について協議した。  ●増員・連携だ...

続きを読む

 教育委員会や児童相談所の対応のひどさは言語道断だ。千葉県野田市の小学4年生の女の子が父親からの虐待で死亡した事件を受けて、政府は2月8日、関係閣僚会議を開き、虐待防止に向けた緊急総合対策の徹底・強化を図ることを決めた。  3週間の研修しかしていない児童福祉司が大きな権限を有している現状を見直し、児童相談所の職員の質を向上させるための児童福祉法の改正が必要である。また、父親による虐待死に注目が集...

続きを読む

国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗    パリで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際諮問委員会(IAC)が、日中韓を含む8カ国の民間団体などによって共同申請された慰安婦資料の「世界の記憶」登録を見送ったことが分かった。最終的にはユネスコのボコバ事務局長がIACの勧告を受けて登録の是非について判断することになる。IACの決定は、10月18日にユネスコ執行委員会が「世...

続きを読む

国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗    10月12日、米政府は国連教育科学文化機関(ユネスコ)から脱退すると発表した。ユネスコが今年7月、イスラム圏7カ国から共同申請されたパレスチナ自治区のヘブロン旧市街の世界遺産登録を決定するなど、「反イスラエル」的姿勢を続けていることに反発したものである。イスラエルも米国に追随し、ユネスコから脱退することを明らかにした。  米国の脱退...

続きを読む

国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗    国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に日中韓を含む8カ国の民間団体などが共同で登録申請をした「日本軍『慰安婦』の声」資料について、登録小委員会(RSC)は2015年の「南京大虐殺」文書に続き、国際諮問委員会(IAC)に登録を勧告した可能性が極めて高い。中国の外務省副報道局長は記者会見で、共同申請がユネスコ側からの奨励によっ...

続きを読む

国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗    6月24日付朝日新聞は「ユネスコ『世界の記憶』、『政治案件』一部除外へ」と題する5段記事を掲載し、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が「日本関連候補の一部の『政治的案件』を審議対象から外す方針であることがわかった」と報じた。その理由は、「世界の記憶」は保存が目的であり、「歴史的な判定や解釈はしない」「政治的党派性を有するとの非難を受けて...

続きを読む

国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗    9月9日、東京・千代田区の在日本韓国YMCAで、旧日本軍の慰安婦関連資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」(記憶遺産)登録を目指す集会が催された。集会には、日本などの働き掛けでユネスコが進めている登録ガイドライン見直しに携わっているオーストラリア人のレイ・エドモンドソン氏が基調講演者として参加し、登録審査の公平性に疑問を...

続きを読む

国基研理事・明星大学特別教授  髙橋史朗    ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」(記憶遺産)に旧日本軍の慰安婦に関する資料の登録を申請した共同申請書の抜粋がウェブサイトで8月3日に公開された。申請主体になったのは8カ国・地域の14の市民団体で構成される国際連帯委員会と、英国の帝国戦争博物館である。 ●「世界の記憶」申請主体は日本の団体  申請された資料は274...

続きを読む

国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    10月4日~6日、アラブ首長国連邦の首都アブダビで開催されたユネスコ記憶遺産国際諮問委員会で、中国が登録申請した「従軍慰安婦」史料は不登録となったものの、「南京大虐殺」史料は登録と決定されてしまった。日本外交が取り返しのつかない大失態を犯した原因は一体何か。中国の申請から決定に至る経緯と日本側の対応を検証するとともに、日本が緊急に取り組む...

続きを読む

国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    中国は昨年、ユネスコ記憶遺産として、「南京大虐殺」と中国人の「従軍慰安婦」に関する資料を登録申請した。  「南京大虐殺」については、①日本軍の蛮行を写したとされる16枚の写真②虐殺犠牲者を米人牧師ジョン・マギーが撮影したとされる「マギー・フィルム」③2万人以上の強姦があったと主張する『中国人慰安婦』(オックスフォード大学出版)に引用され...

続きを読む

国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    米コネティカット大学のアレクシス・ダデン教授が『週刊金曜日』(4月10日号)に「日本政府の歴史問題への介入に抗議する」と題する一文を寄稿している。ダデン教授は、日本政府が米マグロウヒル社の世界史教科書の慰安婦記述の訂正を求めたことを批判した米歴史学者20人の声明文の執筆者である。声明文は3月2日に米国歴史学会の月刊のニュースレターにダデン...

続きを読む

国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    2月5日、米歴史学者19名が「学問の自由に対する脅威」を盾に、米国の高校世界史教科書(マグロウヒル社)に対する日本政府の訂正申し入れに反対する声明を出した。なぜか声明の全文は公開されていないので、韓国メディアの報道に基づいて問題点を明らかにしたい。  ●韓国メディアのデマ宣伝  まず事実関係の明白な誤りについて指摘しておきたい。共...

続きを読む

国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    昨年末、慰安婦問題の調査のため渡米し、全米8か所の慰安婦碑・像の調査を完了するとともに、高校の歴史教科書と授業について3名の高校生とその母親からヒアリングを行った(1月8日付産経新聞「『40万人犠牲』米高校試験に」参照)。その内容をニューヨーク総領事に面会して伝えるとともに、対応策などについて意見交換をした。  ●米教科書に捏造写真...

続きを読む

国基研理事・明星大学教授 髙橋史朗    政府の教育再生実行会議がいじめ・体罰、教育委員会制度と大学教育についての提言を出したが、日本の教育は根が枯れ幹が腐りかけているという危機意識と、「文明の衝突」という世界認識が欠落している。民主党政権は目先の費用対効果で事業仕分けをしたが、教育改革は国家百年の大計に立って「未来への投資」を重視する必要がある。  ●いじめ予防と道徳...

続きを読む