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2017.05.19 (金) 印刷する

「米トランプ政権の現状と経済」 渡辺博史・国際通貨研究所理事長

 渡辺博史・公益財団法人国際通貨研究所理事長は、5月19日(金)、定例の国基研企画委員会にて、米国の政治状況を中心とした経済政策の動向について講演し、企画委員らと意見交換した。
 渡辺氏は、1971年国家公務員試験・司法試験合格、1972年東京大学法学部卒業、同年大蔵省(現財務省)に入省。ブラウン大学経済学系大学院留学などを経て国際局長、財務官などを歴任。2007年退官後、一橋大学大学院商学研究科教授などを経て、2008年日本政策金融公庫代表取締役副総裁(国際協力銀行経営責任者)、2012年に国際協力銀行代表取締役副総裁に就任、2013年より2016年まで同代表取締役総裁。2016年10月より現職。
 氏はまず、トランプ政権発足100日を概観し、大統領のツイッターによる政治手法を指先介入、広角打法と称した。通常、大統領選が終われば両陣営ノーサイドとなるところ、分断の構図が解消されず、いまだにしこりが残り、政権を支える行政庁の人事は停滞。増税、減税、金利上げ、金利下げ、それぞれの利害得失が交錯する中、有効な経済政策も打ち出せていない問題点も指摘する。
 米露、米中の関係は、迷走が繰り返され、特にシリア攻撃後には緊張の度合いが増しているとのこと。経済政策においても、マルチの枠組みよりバイの交渉を優先する傾向には注意を要するとした。
 特に、中国との比較において面白い数字があるという。それは、貧富の格差を表すジニ係数という数値で、日本を含む先進国が約0.3、中南米で0.5~0.6、湾岸諸国などは約0.9と、数値が1に近づくほど貧富の差が大きくなる傾向にあるという。その中で、米国と中国が0.45と同率で並ぶとのこと。米国内には中国と同じくらいの格差があるということで、これが中低所得層の不満を醸成しているとも。
 最後に、氏が経済問題とは別にミステリーにも造詣が深いことが紹介された。最近のミステリーの傾向としてAIを犯罪に利用することも話題になり、とかく難くなりがちな研究会に柔らかな空気が流れた。 (文責国基研)

17.05.19