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2017.08.04 (金) 印刷する

「トランプ大統領と米国政治」 ロナルド・モース元麗澤大学教授

 ロナルド・モース元麗澤大学教授は8月4日、国家基本問題研究所のゲスト・スピーカーとして「トランプ大統領と米国政治」について語り、企画委員と意見交換を行った。モース氏は国基研の客員研究員でもある。
 モース氏の主な発言内容は次の通り。

米国政治は今、パラダイムシフト
 パラダイムシフトとは、概念上の枠組みの変化を示す用語である。トランプ大統領は選挙戦で“Make America Great Again”という標語をかかげ、国内労働者の問題ばかりを訴え勝利した。では外交はどうか。選挙で多くを語らず、大統領就任後は「価値観」より“Deal”を優先する。つまり価値観外交という伝統的な枠は今後当てはまらないことを示す。その結果、もはや、外交とビジネスが一体となり、カオスのような状況になると感じているという。米国の外交が一体どこへ向かうのか、枠組みが変化していることを痛感する氏は、トランプ大統領をマザーグースの寓話ハンプティダンプティに譬え、もう後戻りはできない状況にあるとも。そして今後の米国政治の行方は“Nobody Knows.”未知の領域に突入するのだと懸念を示した。

日本の安全保障は日本の仕事
 これまで、トランプ大統領のように自国の防衛はその国の仕事であると、はっきりと日本に対し断言する米国指導者は現れなかった。その意味で、トランプ大統領の出現は、日本の安全保障にとって良い方向性を与えるのではないかという。ただし、今そこにある危機に直面している現実を日本が真摯に受け止め、憲法改正や自衛隊の増強につなげていくことが、日本のみならずアジアの平和にとっても重要であると述べた。(文責 国基研)

2017.08.04