公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

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2017年8月の記事一覧

 NHKが8月13日に放映したドキュメンタリー番組『NHKスペシャル731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~』について、中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」系のタブロイド紙「環球時報」は、8月16日から3日連続で取り上げるという異例の報道ぶりだった。特に16日の報道では、NHKと書かれた背広を着た人物が曇ったガラス戸を綺麗に拭っているイラスト画まで使っている。  731部隊は細菌戦研究を...

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 そこで、取り敢えずまとめてみたのが以下の改正案である。これについては、8月9日付産経新聞「正論」欄で紹介した通りだが、若干、補足した。  もちろん、本来なら9条2項を改正して、自衛隊を軍隊と位置付けるべきである。しかし、これでは公明党の賛成が得られず、憲法改正の発議さえ覚束ない。つまり、現状において9条2項改正論に固執することは、結局、憲法改正を断念するに等しい。それ故、敢えて一歩でも前進する...

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 昨年7月26日付の本欄で、「ウクライナは虐められているだけの国か?」と題して、ウクライナから中国に莫大な兵器輸出が行われていることを書いた。その中で筆者は、一昨年7月に東京で開かれた国際会議で、その事実を当時のウクライナ第一副外相、ナタリア・ガリバレンコ女史に問い質したところ彼女は「知らない」と回答を拒んだことも併せて紹介した。今回、国際戦略問題研究所(IISS)の専門家が北朝鮮の新型ICBMエ...

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 5月3日の安倍晋三首相(自民党総裁)の発言をきっかけに、一気に浮上したのが、9条1.2項には手を付けず、憲法に自衛隊の保持を明記するという新9条改正論であった。  これに対する国民の反応だが、5月段階では、朝日、毎日の調査で反対が賛成をわずかに上回っていただけで、読売、産経・FNN、共同の各世論調査では賛成が50数%あり、いずれも反対を20ポイント前後引き離していた。また、内閣支持率急落後も、...

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 政府は8月、安倍晋三政権の新たな看板政策「人づくり革命」を議論する有識者会議の名称を「人生100年時代構想会議」とし、首相を議長として9月上旬にも初会合を開くと発表した。大学教育向けの「出世払いでの教育国債」制度の新設も目指すという。  これに先立ち、自民党の教育再生実行本部は5月、安倍晋三首相が意欲を示す「教育無償化」の財源について、「こども保険」「税制改正」「教育国債」で対応するよう求める...

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 北朝鮮が、グアム島周辺の海上を狙って弾道ミサイル(火星12号)4発を同時発射する計画を検討中だと発表してから、上空通過するとされた中国・四国地方に、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC-3)が4基、日本海には海上自衛隊のイージス艦がそれぞれ配備された。島根・広島・愛媛・高知4県の知事は13日、政府に発射への対応強化を緊急要請するため、相次いで上京した。国民は、弾道ミサイル防衛が期待通りの...

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 「郷間」と「内間」とは『孫子の兵法』用間篇第十三に出てくる5つの種類の「間」(間諜:Secret Agent)の最初の2つである。「郷間」とは現地に土着して情報を齎もたらす間諜、「内間」とは相手側に内通している間諜である。  ●『孫子の兵法』にみる「間諜」の具体例  日本は中国国内の土地・建物を取得することができないにも拘らず、日本では中国資本による国土の買収が続いている。7日から8日に...

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 野党第一党が機能していないと議会政治は空回りになる。機能とは政権準備だ。  民進党を見ていると、風まかせで漂流しているボロ船を想像してしまう。何のため、乗り合わせているのか。戦争末期に、海軍将兵は、乗っていた軍艦が沈没すると、他の軍艦に拾われ、それも沈没すると次という具合に敗残兵は、乗り移っていったと聞かされた。  民進党は今回またぞろ党首選挙となったが、多くの議員や候補者にとって最大の関心...

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 28日深夜、北朝鮮が再び大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。ミサイルは、いずれもこれまでで最大最長の時間、高度、距離を飛翔し、日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下した。これまでICBMとは認めていなかった中露も認めざるを得なくなるであろう。  軍事的に見れば、深夜でも発射できる全天候型の実戦的能力を示威したことになる。北朝鮮にとってみれば、前回7月4日の発射だけでは大気圏再突入...

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 安倍晋三総理がタイムスケジュールまで示して、憲法改正が加速するかに見えましたが、東京都議選で自民党が大敗して以後、この段取りが怪しくなってきました。 私は6月7日付と15日付の「ろんだん」欄で、繰り返し総理の「加憲」案には反対してきましたが、憲法改正を1日も早く実現してほしいという点では同じであり、安倍総理には何とかして態勢を立て直して改憲を実現してもらいたいと思っています。  ●「象徴...

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 加計問題をめぐる混乱が収まらない。安倍晋三総理の友人が理事長を務める学園のため、国家戦略特区を利用した利益誘導がなされたのではないかという“疑惑”だ。前川喜平・前文部科学次官が「行政が歪められた」として会見を開き、あたかも真実であるかのように国会論戦やマスコミ報道が続いている。  私は、国家戦略特区ワーキンググループ(以下「特区WG」)の委員を務めている。獣医学部をめぐるここ数年の政策決定プロ...

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 7月19日に発表された米FOXニュースの世論調査に、北朝鮮に関して興味深い設問と結果があった。調査は7月16日〜18日に実施された。  設問は、「あなたは、北朝鮮が核兵器開発を続けるのを止めるために、アメリカが軍事行動を取ることに賛成ですか反対ですか」(原文=Do you favor or oppose the United States taking military action to s...

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 中国とロシアの両海軍は22日、バルト海で合同軍事演習の開幕式を行なった。演習は第1部と2部に分かれており、今回は第1部。第2部は9月中旬に日本海とオホーツク海で行われるというから穏やかではない。  これまで中国共産党は、まず主敵を定め、それに協力できる国・勢力と「統一戦線」を組み、主敵が衰退した後に、統一戦線を組んできた相手を攻撃するという歴史を重ねてきた。  ●主敵の敵と組んで戦わせ疲...

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 現役の編集者だったころ、よく山本夏彦老を事務所に訪ねた。満月のような丸い顔をほころばせて迎えてくれた。しかし、人を射抜くような目が時に怖かった。山本老は、新聞を徹底して批判した。「記事はまじめくさって、たわけたことを書く。広告は割引いて読むからいいが、記事は額面通り読むからいけないのである」(『かいつまんで言う』)  いま、新聞、テレビは、加計学園、そして稲田朋美防衛相と南スーダン国連平和維持...

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 日露平和条約締結を悲願とする安倍晋三首相はこれまでに18回、プーチン大統領との首脳会談を重ねたが、残念ながら、交渉自体は後退しているかにみえる。毎回行う2人だけの密室会談を経て、何が飛び出すかは不明だが、首相官邸内でも悲観論が出ているという。  ●ハードル上げるプーチン  プーチン大統領はこのところ、北方領土問題で強硬発言が目に付く。6月1日の会見では、「南クリル(千島)が日本の主権下に...

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 22日、電磁式カタパルト(射出機)を装備した最新鋭の米原子力空母「ジェラルド・R・フォード」が就役した。電磁式カタパルトは、これまでの蒸気式カタパルトに比して航空機の発艦出撃回数が大幅に改善される。  一方で4月26日、中国海軍は空母の2番艦を進水させた。旧ソ連製の1番艦「遼寧」と比べると、レーダーには機械的ではなく電子的に回転し、広範囲をカバーする高性能の「フェーズド・アレー・レーダー」を装...

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 7月2日に中国海軍の調査船が、通常と異なるルートで津軽海峡の我が国領海に侵入したのに続き、15日には中国海警局の船が、対馬海峡東水道の領海に2回にわたって一時侵入した。17日、この同じ海警の公船2隻が、今度は津軽海峡の領海に2回にわたって一時侵入した。一連の領海侵入は何らかの明白な意図の元に行われていると見るべきだろう。  国際海洋法条約では他国の排他的経済水域(EEZ)では勿論のこと、領海内...

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 産経新聞などの報道によると、北朝鮮や中国の漁船が、日本の排他的経済水域(EEZ)である日本海の大和堆やまとたいで違法操業を続け、取締りの水産庁船に対し、北朝鮮漁船が小銃の銃口まで向けたという。  筆者は青森県大湊を母港とする護衛艦の艦長に任じていた時、佐世保に向かう際には常に大和堆で漁船を避けつつ航行に苦労した体験から、この辺が好漁場となっていることを認識している。  武器を携行して国から報...

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 アメリカの主要メディア(大半が民主党支持)が、数日来、トランプ大統領の長男ドナルド・ジュニア氏に関する「国家反逆罪」疑惑で沸き立っている。  経緯を、取りあえず以下のNHKニュース(7月12日)で見ておこう。  ≪アメリカのトランプ大統領の長男が去年の大統領選挙中にロシア政府の支援の一環として民主党のクリントン氏に不利になる情報を提供すると持ちかけられ、ロシア人の弁護士と面会していたことが、...

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 7月11日、ドイツのアデナウアー財団と米テンプル大学が共催した「2017年のアジアとヨーロッパにおける安全保障チャレンジ」会議が都内のホテルで開かれ、筆者は「孫子の兵法に基づく中国の海上ハイブリッド戦」の講演を行った。  ハイブリッド戦とは、住民の自決権などを名目に民兵を装った特殊部隊を駆使し、正規軍によらず領土拡大の成果を得ていく作戦形態を指す。ともすると、ウクライナ紛争のようにロシアの専売...

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