公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研副理事長 田久保忠衛    16日にワシントンで行われる日米首脳会談は、バイデン米政権発足後初の外国首脳との対面での会談であり、同政権がいかに日本を重視しているかを示すものだ、と菅義偉首相は4日のフジテレビ番組で語った。感情を顔に表さない首相には珍しく誇らしさをのぞかせていたように思う。大いに結構なことだが、従来の日米首脳会談のように、先方の要請に応じるか、応じられない時に...

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産経新聞月刊「正論」発行人 有元隆志    中国の人権弾圧に対して、日本政府は及び腰のままでいいのか。人権問題を重視する国ならば、いまこそ中身のある対中制裁に踏み切るべきだ。  ●日本主導で人権への懸念明記  3月に行われたバイデン米政権発足後初の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の共同文書では、中国を名指ししたうえで「ルールに基づく国際体制を損なう、地域の他者に対...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    3月15日付の「今週の直言」(第774回)で、楽天に対する日本郵政の出資と、中国IT大手テンセント(騰訊)の子会社からの出資について懸念を指摘した。ここでは経済安全保障にかかわる後者の問題をさらに深掘りしたい。  一つは、日本の外為法による規制の心もとなさだ。  2019年秋、欧米による投資規制強化の動きに呼応して、日本も外為法を...

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国基研副理事長・弁護士 髙池勝彦    3月17日、札幌地裁である判決が出た。3組の男性カップルと1組の女性カップルが婚姻届を出したが、民法や戸籍法の規定で同性婚が認められてゐないとして受理されなかつた。そこで、民法や戸籍法の規定は憲法で保障された「婚姻の自由」や「法の下の平等」に反するとして、平成31年(2019年)2月、札幌地裁に、民法や戸籍法の規定を変更しない国の責任、即ち...

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国基研副理事長 田久保忠衛    米アラスカ州アンカレジで行われた米中外交トップ会談は、米側の冷静な姿勢に対して中国側が感情を高ぶらせ、思わず本音を吐いたところに意味があった。米国の民主主義は世界の中の一部諸国に共有されているにすぎないのに対し、中国の「民主主義」はより多くの国々の支持を得ていると言わんばかりの主張を耳にすると、両国間の和解は容易なことでは実現しないと思える。が、...

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国基研理事長 櫻井よしこ    国基研は3月9日、33年前の世界的ベストセラー『大国の興亡』の著者でイエール大学教授のポール・ケネディ氏をオンラインのゲストスピーカーに招き、「米国は衰退するのか」というテーマで鼎談した。  果たしてアメリカは衰退しているのか。衰退は今後も続くのか。衰退は相対的か、絶対的か―。わが国の安全保障は米国抜きに語れない。米国の力を土台にして中国共産党の...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    日本郵政と楽天は12日、資本・業務提携を発表して、衝撃が走った。日本郵政が楽天の第三者割当増資に応じ、1500億円を出資する。これにより日本郵政は楽天の株式の8.32%を握る。両社は物流、携帯電話事業、金融など幅広い分野で提携を強化する。ビジネス戦略としてみれば、提携のシナジー(相乗)効果を期待して評価もできよう。しかし、そこに潜む重...

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産経新聞台北支局長 矢板明夫    3月11日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、香港の選挙制度の見直しに関する決定案を採択したことが注目された。香港の民主派を議会から排除することは昨年来の既定方針であり、全人代を10年以上取材してきた筆者にとって、特に驚きはなかった。しかし、王毅・国務委員兼外相が記者会見で習近平国家主席に公然と忠誠心を誓う光景は異様に感じ...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    史上初の日米豪印4カ国(クアッド)首脳会議がオンラインで開催され、インド太平洋地域における民主主義国家の結束を印象付け、対中抑止への一歩を刻んだことは意義深い。自由世界の秩序に挑戦する中国は、米国不在で生じた空白を力で埋めようとしてきただけに、クアッドの結束や拡大を最も警戒してきた。4カ国は今後、外相会議のほか、年内に対面での首脳会議を開...

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産経新聞月刊「正論」発行人 有元隆志    安全保障上重要な土地の買収対策として政府が検討している土地利用規制法案をめぐり、連立与党の公明党が慎重姿勢を強めている。国境離島、防衛施設、原子力発電所の周辺地域が外国資本によって買収され続けると、安全保障上重大な問題が発生する。公明党は同法整備をはじめ、国土保全と国防の強化に積極的に協力すべきだ。  ●予言した論文  中国系資...

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