公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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2017年5月の記事一覧

産経新聞外信部次長 矢板明夫    中国で温泉探査などの地質調査を行うために3月に訪中した千葉県の地質調査会社の社員ら日本人男性6人が、スパイ容疑などで中国治安当局に拘束されたことが明らかになった。2015年以降、中国で「国家安全危害罪」などで拘束された日本人は計11人になった。異常な状態である。  拘束された日本人の中には、中小企業の会社員、日本語教師、パチンコ店のアルバイト...

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国基研企画委員・福井県立大学教授 島田洋一    NHKや朝日新聞など日本の大手メディアの報道では、ロシアの米大統領選介入疑惑やそれに関連した捜査妨害でトランプ米大統領が国民の信を失い、弾劾への流れが出来つつあるかのような印象操作が目立つ。しかも独自取材に基づかず、米国の3大テレビ網やCNN、ニューヨーク・タイムズといった主流メディア(ほとんどが民主党支持)の報道を、より単純化し...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    北朝鮮の核問題で中国の協力取り付けを最優先するトランプ米政権のアジア外交で、中国への甘い対応が目に付く。米政府外においても、4月26日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙の社説に見られるように、北朝鮮が非核国家になるのであれば、金正恩体制に代わる親中政権の樹立を容認してもよいとの意見まで出てきた。中国の戦略に沿ったアジアの新秩序づくりを米国...

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国基研理事長 櫻井よしこ    停滞の極みにある憲法改正論議に5月3日、安倍晋三首相が斬り込んだ。①2020年までに改正憲法を施行したい②9条1項と2項を維持しつつ、自衛隊の存在を明記する規定を追加したい③国の基もといは立派な人材であり、そのための教育無償化を憲法で担保したい―という内容だ。  ●「政治は結果だ」  9条1項は、平和主義の担保である。2項は「陸海空軍その他...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力    5月9日、韓国で大統領選挙が行われ、左派「共に民主党」の文在寅候補が41.1%の得票率で圧勝した(開票率99%現在、以下同)。2位の保守派「自由韓国党」の洪準杓候補が24%、3位の中道派「国民の党」の安哲秀候補が21.4%だった。  4月初めには安氏が保守票を集めて1位の文氏と並んだが、その後、テレビ討論の失敗などで急速に支持を失...

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国基研理事長 櫻井よしこ    衆院法務委員会は5月2日、テロ等準備罪を新設する法案の審議を始めたが、民進党が審議拒否に入った。同党の山尾志桜里前政調会長は、自民党の手法は「出来損ないの『共謀罪』を一刻も早く通したいという強権的なやり方」だと非難した。  民進党の主張は私には不条理に思える。共謀罪を巡る同党の、11年前の議論と今日のそれを比べれば、彼らの反対は理解を超える理不尽...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 湯浅博    戦争の犠牲もいとわぬ「瀬戸際政策」は、北朝鮮が長く対米外交に使ってきた得意手である。それを今回の朝鮮半島危機では、逆に米国のトランプ政権が用いているように見える。オバマ前政権が「戦略的忍耐」を名目に、北の核開発を放置してきたツケの処理である。ティラーソン国務長官が国連安保理閣僚級会合で「いま行動することに失敗すれば災いを招く」と...

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