2017年10月の記事一覧
「加憲」は改憲方法として、やはり誤りだ 髙池勝彦(弁護士)
今回の総選挙の結果、安倍晋三内閣が信任を得て、広い意味での改憲勢力が4分の3以上の議席を得たことは御同慶の至りです。 私は、憲法改正を支持する立場から度々投稿してきましたが、安倍さんの「加憲」方式には反対してきました。これは安倍さんの憲法改正の動きに水を差すつもりではなく、むしろ後押しをするつもりだったのです。今もそのつもりです。 広い意味での改憲勢力と言いましたが、これはマスコミがそう...
日本もプロパガンダ対策法の成立を 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
米上院は2016年12月、ポートマン-マーフィー(Portman-Murphy)・カウンタープロパガンダ法(プロパガンダ対策法)を可決した。この法律はオハイオ州共和党のポートマンとコネチカット州民主党のマーフィーの両上院議員が超党派で提出した。ロシアや中国、そしてイスラム国が流布する偽情報に対抗するため、海外関与センター(Global Engagement Center)を国務省内に設立。国防総...
メルケル時代の終わりの始まりか 三好範英(読売新聞編集委員)
ドイツの連邦議会(下院)総選挙は9月24日に投開票が行われ、メルケル首相が政権継続を確実にした。選挙結果の詳細についてはすでに各種メディアで報じられているので、ここでは繰り返さない。 私は9月6日から29日までドイツに出張し、現地で取材した。投票日の前日、ベルリンのある私的なパーティーの席で会った旧知の女性(博士号を持つドイツの某文化機関の幹部)は、顔を見合わせたなり、「ひどい選挙だ」と繰り...
韓国と日本は核武装でも共助を 洪熒(元駐日韓国公使)
韓国は、中国、ロシアに、いまや北韓(北朝鮮)が加わって、隣接するアジア大陸3カ国の核攻撃の脅威にさらされている。韓国は国連によって1948年8月に誕生した。しかし、この新生国はわずか2年後の1950年、侵略を受ける。いわゆる朝鮮戦争である。東西冷戦の枠組みを決定づけた国際戦だった3年間の激戦によって韓半島は廃墟となった。韓国の抹殺を狙ったこの戦争を共謀した主役は、いま韓国に対する核攻撃能力を持っ...
「戦後」の前に「占領」があった 斎藤禎(国基研理事)
国基研恒例の「月例研究会」が9月27日にあった(東京・イイノホール)。「トランプ政権と北朝鮮問題」が主たるテーマだったが、櫻井よしこ理事長、島田洋一企画委員と並んで壇上に立った田久保忠衛副理事長が、「みなさん、マッカーサー・ノートという傲岸不遜なメモがかつて存在し、そこには、自衛のための軍事力さえ日本に持たせてはならないとあったのですよ」と発言すると、場内には、静かなどよめきが広がった。 ...
政策抜きの政党再編は認められない 梅澤昇平(尚美学園大学名誉教授)
政局は目下、めまぐるしい動きでついていけない。まだ二転三転ありそうだ。これまでの常識では考えられない滅茶苦茶な動きだ。 ●総理候補なしで政権奪取とは その第1は、憲法には、総理大臣は国会議員から選出とあるのを、国会議員でもない人が選挙にも出ず、国政政党の代表として「政権交代を目指す」としていることだ。これでは、政権奪取は目指しませんよ、と言っていることと同じだ。無責任ではないか。 ...