公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

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2018年 8月の記事一覧

 ポンペオ国務長官が新任のスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特使を伴って会見し、「彼と私は来週、目的に向かってさらなる外交的進展を得るため、訪朝することになる」(He and I will be traveling to North Korea next week to make further diplomatic progress towards our objective. )と発表したのが8...

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 米共和党のジョン・マケイン上院議員が8月25日亡くなった。81歳だった。議員と最後に出会ったのは数年前の太平洋艦隊司令官交代行事であった。父、祖父とも海軍大将であったことから海軍や太平洋艦隊に対する思い入れは強く、自身も海軍航空士官としてベトナム戦争に従軍した。  1967年にハノイ上空で撃墜されて捕虜となったが、厳しい拷問にも耐え、5年半の抑留生活から帰還した。1984年には政界に転じ、20...

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 米国とトルコの関係悪化が表面化し、世界経済の先行きを一層不透明にしている。トルコ通貨リラの対ドル相場は一時20%も下落し、過去最安値を更新した。この影響は、アルゼンチンやロシア、南アフリカなどの通貨安にも波及し、アルゼンチン中銀は政策金利を45%まで引き上げている。  トランプ米大統領とトルコのエルドアン大統領の強権的な政治手法の衝突が、トルコの反米・親中露へと傾斜させている。トルコの民主主義...

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 ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が8月19日放送の米ABCテレビのインタビューで、米国の選挙に干渉する恐れがある国としてロシア、中国、北朝鮮、イランの4カ国を名指しし、警戒態勢を取っていると語った。  ここで思い出すのは、「北朝鮮とシリアの化学兵器コネクション」と題したボルトンの一文である(ピッツバーグ・トリビューン・レビュー、3月11日付)。補佐官に就任する直前に書かれた。 ...

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 7月に米ハドソン研究所が「日本との防衛産業セキュリティー・ギャップを縮小へ(Closing the Defense Industrial Security Gap with Japan)」というタイトルの報告書を作成した。概要は「今後、米・英・豪・加・ニュージーランドという5カ国(Five Eyes)で共有されている軍事秘密情報を日本も共有して6カ国(Six Eyes)になるためには、防衛産業の...

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 この8月2日、警察庁は、運転免許証の有効期限を来春から西暦表記にする方針を決めたとのことである。パブリックコメント(意見募集)を経て道路交通法施行規則を正式に改正するというが、私は大反対である。  我が国の政治行政において、速やかに対応すべき問題はなかなか実行せず、変更してはならないことは変更して取り返しのつかないことがあるが、これもその一つである。  ●何の不自由もない現状  警察庁...

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 日本大学アメリカンフットボール部の「反則タックル」事件、東京医科大学の補助金をめぐる受託収賄事件など私立大学のガバナンスが問われる事件が相次いでいる。  これまでも私学の不祥事を契機に、それらを抑制すべく私立学校法の改正が行われてきた。公共性、公益性の高い組織である私立大学は、学校法人(経営)としての私立学校法(私学法)と高等教育機関(教学)としての学校教育法の法的枠組みで運営されている。しか...

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 7月24日付の産経新聞コラム「緯度・経度」に掲載された三井美奈パリ特派員の記事は、中東のユダヤ国家、人口僅か740万人、「イスラエル」のしたたかな外交戦略について、傾聴に値すべき分析を行っている。  三井記者が注目したのは、米ロ首脳会談後の共同記者会見で、プーチン大統領がシリア問題に触れ、イスラエルの占領地ゴラン高原について、「1974年の協定を完全に順守すべきだ」と述べたことだ。  協定は...

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 「地経学時代からみる21世紀の世界と日本」と題したシンポジウムが7月31日、都内で日本国際フォーラム共催の下、開かれた。基調講演を行ったのは米外交問題評議会上級研究員のロバート・ブラックウィル氏で駐インド大使の経験もある。  氏の近著に、『他の手段による戦争(War by Other Means)』があるが、中国による経済力を使ったグローバルな版図拡大の実態を描いたものだ。  地経学(Geo...

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 世界貿易機関(WTO)は7月11日、米中貿易戦争の収束が見えない中で、中国を対象にした貿易政策審査報告書を発表し、中国は依然、市場は閉鎖的な状態にあると指摘した。これに先立ち、米国通商代表部(USTR)は、1月19日に公表した「中国のWTOルールの遵守状況に関する2017年年次報告書」で同様の指摘をしており、米国の主張を裏付けた格好となった。  中国は2001年のWTO加盟にともない、そのルー...

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 日本の国家の始まりは、そもそも「官僚国家」だった。廃藩置県で何もないところに6省を置いた。民業らしきものがない所で官が製鉄、電気、鉱業を興し、大きくなったところで民営化した。伊藤博文らが2~3年、欧米を見廻って近代国家とはどういうものかを勉強し、そのイミテーションをまず作った。官僚は天皇の家臣だったから、全権力を握っていた。国家を背負っていたから威厳もあり、権力も強かった。  これが戦争に敗れ...

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 官僚の不祥事が続発している。文部科学省の局長級幹部2名が相次いで収賄容疑で逮捕された。この半年ほどを振り返っても、財務省の組織的な公文書改ざんや事務次官のセクハラ、外務省でも課長のセクハラなど、群発地震状態だ。しかも、収賄、セクハラと、昭和の時代かと思うような事案だ。平成も終わりを迎えようという年に嘆かわしい。  官僚機構そのものが劣化しているのかどうかは、わからない。昭和から平成に替わった頃...

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