公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

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2020年3月の記事一覧

 昨年、米海軍協会出版部から『中共のスパイ活動―インテリジェンス入門―(Chinese Communist Espionage-An Intelligence Primer)』という本が出版された。著者は中国に関する米議会行政委員会副局長であり、CIA(米中央情報局)のカウンター・インテリジェンス分析官でもあったピーター・マティス氏と、陸軍で20年以上アジア勤務をしていたマシュー・ブラジル博士の2...

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 河野太郎防衛相が3月24日の閣議後の記者会見で、武漢ウイルスに関し政府高官や専門家会議の委員らが使う「クラスター」や「オーバーシュート」といった片仮名用語を日本語に置き換えるよう呼び掛けた。これは一般性を持った重要な問題提起である。  河野氏は、「ご年配の方をはじめ、よく分からないという声を聞く。日本語で言えばいいのではないか」と指摘し、自身のツイッターでもかねて「クラスターは集団感染、オーバ...

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 新型コロナウイルスの世界的感染拡大による景気悪化への懸念や金融市場の動揺を受けて、国内では政府の財政出動による大規模景気対策への期待が高まっている。  ただ、今回の景気後退懸念は、ウイルス感染拡大がもたらした需要、供給に対する一時的ショックであり、2008年のリーマン・ショックのような経済の基礎的条件の悪化によるものではない。したがって、治療薬やワクチン開発に目途が立たない限り、完全終息は見通...

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 空席となっていた駐日米国大使に米ハドソン研究所所長のケネス・ワインスタイン氏が指名された。上院の承認を得て正式就任する。ハドソン研究所は国家基本問題研究所(国基研)の設立以来、シンクタンクの米国側カウンターパートとなってきた。氏の駐日大使指名を歓迎したい。  ●言論の自由に敏感な反応  国基研が設立して間もない2009年に正副理事長と企画委員2名の計4名でハドソン研究所を訪問、櫻井よしこ...

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 中国政府の発表によれば、このところ武漢ウイルスの感染患者数が激減し、ついに3月18日には湖北省で新規感染者はゼロになったという。この数値を信じる人は少ないと思うが、どうしてこのような結果となるのか、そのからくりを筆者の知人に送られてきた中国国内の医師の怒りのメールによって披露したい。  ●「陽性」基準を次々と変更  日本を含め、世界ではPCR(Polymerase Chain React...

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 昨年あたりから、韓国の保守知識人のなかで、無条件の反日を批判する声が目立つようになってきた。それは日本の主張に同意するという意味よりも、このままでは反日が国を滅ぼすという憂国の立場からの主張とみるべきだ。日本でベストセラーになった『反日種族主義』の原本が韓国内で12万部売れたことがその代表的例だ。私はそれを「アンチ反日」の台頭と呼んでいる。  そんな中、韓国の良識的保守を代表するジャーナリスト...

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 中国の習近平国家主席が10日、新型コロナウイルス発生後初めて武漢を訪れ「中国政府が事態を収束させた」とのメッセージを発した。しかし、発生直後の隠蔽によって約2カ月も対応が遅れたことにより、これだけ全世界に蔓延させて迷惑をかけたことへの謝罪の言葉は一切なかった。  香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」(電子版)は13日、中国政府の非公開情報によると感染は11月17日には起きていた可...

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 有元隆志氏が執筆した3月9日付の「今週の直言」に興味深い一節があった。中国の人権状況に一定の「懸念」を伝える日本政府に対し、中国側は義和団事件を反論材料に持ち出してくるという。以下は有元氏の「直言」にある「日本政府担当者」の言葉である。  「中国側は明治33(1900)年の義和団事件に出動した日本などには中国の人権問題を批判する資格はないと反論した。清国時代の出来事なのだが…」  これを見る...

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 今回の新型コロナウイルス対策で、日本政府が初動に失敗した最大の原因は、中国に忖度した発言ばかりしている国際機関の世界保健機構(WHO)を信じ過ぎたことである。  世界にウイルス患者が蔓延し始めた1月末の段階で、WHOのテドロス事務局長は緊急事態宣言を躊躇った。しかし、国際機関を信用していない米国や台湾、それにオーストラリアは、その時点で全ての中国人の入国を禁止した。現在WHOの調査チームが中国...

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 2月17日の今週の直言「新型コロナウイルスの感染予防策を提言する」で提起した「新型コロナウイルスの感染予防策」がなかなか実行に移されていないことを残念に思う。この間にクルーズ船内での感染が広がり、さらにスポーツジムや病院での感染が広がっている。私は、原発の安全性・信頼性を高める活動を推進している日本保全学会の会長を4年間務めた「保全学」の専門家として、予防保全の重要性をあらためて説明したい。 ...

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 新聞などで既報のように、「新しい歴史教科書をつくる会」が推進する「新しい歴史教科書」(自由社)は、文部科学省の検定の結果、著者側の一切の反論を許さない形で「不合格」となった。  かつて「つくる会」を厳しく批判してきた朝日新聞でさえ「過去に合格した教科書が不合格となるのは極めて異例」(2月22日付朝刊)と、首をかしげるほど驚きの結果だった。だがもっと驚くのは、405カ所にも上った「欠陥」の多くが...

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 文在寅大統領がまた、日韓をめぐる最新の歴史研究成果を無視する反日演説を行った。  文大統領は3月1日、日本統治時代の1919年3月1日に発生した独立運動から101年になる「三・一運動記念式」の演説をソウル市内で行い、「1919年、1年間で実に1542回にわたり行われたデモで、全国でおよそ7600人が死亡、1万6000人がけがを負い、4万6000人が逮捕・拘禁された」と語った。  文大統領は昨...

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