9月4日(水)、国家基本問題研究所は、定例の月例研究会を東京・内幸町のイイノホールで実施しました。
今回のテーマは「危機に立つ日韓関係」。国際情勢が急転直下のいま、日韓関係は最悪といえるでしょう。そこで、隣国でありながら、なかなか理解が進まない韓国の状況に焦点を当て、危機的とまで言われる日韓関係を論じることにしました。
今回のパネリストは、西岡力・企画委員兼研究員、鄭大均・国基研理事、洪熒・元駐日韓国公使という朝鮮半島問題では特筆すべき研究者を揃え、櫻井よしこ理事長が司会で予定通り開始しました。
まず、櫻井理事長から、内戦のような状態にあると言われる韓国では、次期法相とされる曺国氏のスキャンダル問題を通して、はからずも文在寅政権の姿勢が垣間見える。そこで、いまの韓国の状況について、登壇者の意見を求めました。韓国から帰国したばかりの西岡氏は、日本で紹介されていないが、いま韓国ではアンチ反日の動きが出てきたという。たとえば「反日は愛国ではない」という10万人デモがあり、また『反日種族主義』という本が韓国国内で11万部のベストセラーになっているとのこと。
それを受け、鄭大均氏も、韓国人と韓国政府を一緒に見ないことが大事だとした。西岡氏も指摘するように文在寅政権の反日姿勢と国民の意識は決して一体ではないと指摘。ただし、洪熒氏は、メディアが好んで取り上げるローソクデモ行進は社会主義運動で、それが国民全体の意思とは違うとし、日本の報道もいわゆる徴用工や慰安婦ばかりを見るのでなく、日韓関係や韓台関係を正常化しようとする保守派の運動などにも、もっと焦点をあてるべきではないか、いまの最悪日韓関係を作ったのは、偏った報道しかしない日韓のメディアにも一因があるのではないか、と断じた。
研究会は、その後徐々に熱を帯びていき、フロアーから国基研の太田研究員が「軍艦の名称に反日的名称を付けるのはいかがなものか」と質問し、同じ軍人だった洪氏が、その通りだと思うと応じるなど、さらに議論に加わる参加者が増え、大きく盛り上がり閉会となりました。
ようやく暑さが和らぎ、多数の方にご来場いただき、ありがとうございました。今回は予想以上のお申し込みがあり、残念ながらご参加できなかった皆様、大変申し訳ございませんでした。詳細は後日、「国基研だより」や国基研ホームページでお届けしますので、そちらでご覧いただければ幸いです。ご期待ください。(文責 国基研)