公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    日本銀行の植田和男総裁は24日、政策金利を0.25%から0.5%に引き上げたばかりでなく、幾度も追加利上げしていく意向を表明した。背景には米国のトランプ第2次政権発足とともに進行する円安に伴う物価高の抑制がある。  だが、利上げは円安を阻止できるとは限らないばかりか、停滞が続く国内需要を圧迫する。日銀は外国為替相場ではなく、景気...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    同じ演説でもこれほど違うのかと思わざるを得なかったのが、20日のトランプ米大統領の就任演説と、24日の石破茂首相の施政方針演説だった。  ●明確だった大統領のメッセージ  トランプ氏は不法移民対策の強化を打ち出し、「掘って、掘って、掘りまくれ」との掛け声で、電気自動車(EV)の普及策の撤回を表明し、石油や天然ガスなど化石燃...

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国基研理事長 櫻井よしこ    1月11日、インドネシアで石破茂首相の語った外交政策に深刻な懸念を抱く。首相は「日本とインドネシアは共に島国だ。米中間でバランスに配慮しながら外交を進めていく点において非常に似ている」と語った。  東南アジア諸国連合(ASEAN)最大の人口と経済規模を有するインドネシアは非同盟中立を外交の基本路線とするが、実際には対中傾斜を強め、パレスチナ自治区...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    韓国の尹錫悦大統領支持派は昨年12月31日に大統領への逮捕状が出てから連日、数千から数万人を集めて路上集会と大規模デモを行ってきた。その一部が1月19日未明、勾留令状発付を決めたソウル西部地裁を一時占拠し器物破壊を行った。  尹大統領支持派は白地に赤い文字で「STOP THE STEAL」と書かれた紙のビラを持っている。こ...

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国基研理事兼企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    日本銀行は23,24の両日、金融政策決定会合を開く。現在0.25%の政策金利(金融政策の主要手段となっている「翌日物銀行間コール・レート」)の引き上げが行われるかどうかが焦点で、行われる場合には0.5%への引き上げとなろう。一般に、政策金利が引き上げられれば、住宅ローンの金利上昇、円高、株安、物価の下押しなど、広範囲に影響を及...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    石破茂首相は2月前半に訪米し、トランプ次期大統領と初会談する方向で調整している。石破首相は昨年11月に当選したばかりのトランプ氏との会談を模索したが、本欄では「慌てて会う必要はない」と反対した。だが、バイデン大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画の禁止命令を出したことを覆せるのはトランプ氏である。説得を試みる価値はあ...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    石破茂政権の「中国寄り」姿勢の危うさがさらに高まっている。2月に中国の王毅共産党政治局員兼外相を日本に招待し、その際、日中韓の外相会談も開催する予定だ。日中韓の首脳会談も春以降に開催を見込む。そこで浮上しているのが日中韓の自由貿易協定(FTA)だ。  ●構造問題避けた交渉狙う中国  中国は日中韓FTAの本格交渉入りを日本に迫っ...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    私の研究対象である朝鮮半島は昨年、大激動を迎えた。北朝鮮世襲独裁政権の3代目である金正恩総書記が2023年12月の労働党中央委員会総会と2024年1月の最高人民会議(国会)で、「韓国は統一すべき同じ民族ではなく敵対する外国だ」と宣言し、故金日成主席と故金正日総書記の民族統一戦略を否定した。  祖父と父の否定は統一戦略だけに...

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国基研理事長 櫻井よしこ    方向は異なるが、米中両国は揃って戦後の国際秩序の抜本的変革を目指している。令和7(2025)年、世界が大きな変化をよりはっきりした形で体験するのは必然だろう。中華帝国の復活を目指す習近平中国国家主席と、同盟国は米国を頼るのではなく各々が基本的責任(primary responsibility)を果たす強い国であるべきだと主張するトランプ次期米大統領...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 江崎道朗    英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は12月20日、トランプ次期米大統領が、ウクライナへの軍事支援を続ける一方で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の国防費の割合を国内総生産(GDP)の5%に引き上げるよう要求したと報じた。ロシアの脅威に直面する欧州諸国は、ウクライナ軍事支援で米国に頼るだけでなく、もっと多くの負担をすべきだというこ...

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