公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    韓国大統領選挙で「共に民主党」の李在明氏が新大統領に選ばれた。得票率は49%だった。尹錫悦政権の与党だった「国民の力」の金文洙氏が41%、保守新党「改革新党」の李俊錫氏が8%だった。  今回の選挙は、昨年12月の尹錫悦大統領(当時)による戒厳宣布のため大統領弾劾が成立したことを受けて実施された。李在明氏と李俊錫氏は、戒厳宣...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    日米関税交渉で赤沢亮正経済財政・再生相が5回目の閣僚協議を行った。訪米は3週連続という異例のハイペースだ。異例さは頻度だけではない。米側は中国など他国との交渉も抱え、事務レベルも手薄でパンク状態だ。協議に臨む米国の閣僚3人もそれぞれ交渉スタンスに差がある。交渉の主導役は穏健派のベッセント財務長官とされるが、日本が重視する自動車の追加関...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    ウクライナは6月1日、小型の無人機(ドローン)による歴史的な奇襲作戦を実施し、多数のロシア空軍機に損害を与えた。ウクライナのゼレンスキー大統領は、この作戦でロシアの戦略航空機の約34%、41機を破壊したと述べており、今後のロシア軍の作戦のみならず、停戦交渉にも大きな影響を与えることになるだろう。  ●ロシアに大打撃を与えたドロー...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    防衛省によれば、5月25日から29日にかけて、空母「遼寧」を含む中国海軍艦艇数隻が東シナ海から沖縄本島と宮古島の間の海域を南東進し、太平洋へ向けて航行した。 この間、25、26の両日、尖閣諸島・久場島の北約240キロ及び久米島の北西約190キロの海域において、空母搭載の戦闘機による発着艦が約90回、ヘリコプターによる発着艦が約30回確...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    5月3日12時21分ごろから約15分間、尖閣諸島周辺の日本領海内の中国海警船から発艦したヘリコプターが領空侵犯をした。航空自衛隊のF15戦闘機が那覇基地から緊急発進したが、約400キロ離れた尖閣諸島に到達する前に、中国ヘリは海警船に戻った。  中国による尖閣諸島領空への侵犯は3回目である。中国の態様がこれまでと異なるのは、日本の民間...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    食料品、エネルギー価格の上昇を主因に、総合物価指数が上昇率3%台半ばと高止まりしており、消費者の負担が大きくなっている。  食料品の価格上昇は、食料自給率が低いことも相俟って、輸入価格上昇に伴う「コストプッシュ・インフレ」によるところが大きい。コストプッシュ・インフレは実質賃金の上昇が遅れている現状では、国民生活を苦しめる一方、消...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    米国と中国は5月10、11日のスイスでの高官協議で、米国の対中関税の145%から30%への引き下げなどで暫定合意した。両国は今後90日間、包括的な経済の枠組みを話し合うという。トランプ米政権が包括協議の主要テーマとして取り上げるべきは、人民元相場の管理制度の撤廃である。  ●貿易秩序を破壊した中国  高関税は百害あって一利...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    「『安定的な皇位継承の確保』をうたいながら、議論集約をぶち壊そうとしているのではないか」。読売新聞社が15日に発表した皇位継承に向けた提言を読んだある政府高官の感想である。安定的な皇位継承や皇族数確保を図る法案をめぐって、令和4年1月提出の政府の有識者会議が示した皇統に属する男系男子の養子縁組による皇室復帰案と、女性皇族が婚姻後も...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    私は北朝鮮による拉致被害者の支援組織「救う会」会長として、4月29日から5月4日まで、家族会および拉致問題に取り組む国会議員らと一緒に訪米した。トランプ米政権が日本人拉致問題解決への強い意志を持っており、米議会の共和、民主両党議員もそれを支持していることを確認できた。  ●米議会にも連帯の動き  ルビオ国務長官がトラ...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    米国と英国が関税交渉で合意した。トランプ米政権による「相互関税」の基本税率10%を堅持しつつ、鉄鋼・アルミニウム、自動車への25%の追加関税については、乗用車への関税を10%に低減する輸入枠を設け、鉄鋼・アルミニウムは無税とした。  石破茂政権は米英合意について聞かれると、米国に高関税の撤廃をあくまでも求めると言う。だがトランプ...

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