公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    北朝鮮の金正恩労働党総書記が「重要造船所」を訪問して「原子力戦略誘導弾潜水艦」の建造実態を現地で確かめた、と労働党機関紙・労働新聞など北朝鮮公式メディアが3月8日に報道した。北朝鮮は2021年の労働党大会で決めた「国防5カ年計画」で原子力潜水艦の建造を目標に掲げている。報道には建造中の原潜らしいものの写真も含まれていた。 ...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    石破茂首相が自民党の衆院議員1期生15人との会食に先立って、秘書を通じて土産を名目に1人当たり10万円分の商品券を配っていた問題で、自民党の「再生力」が問われている。3月末か4月上旬までの来年度予算成立とともに石破内閣を総辞職させ、新総裁を選ぶことができるかということだ。  自民党は昨年秋の衆院選で大幅に議席を減らし、過半数を割...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    トランプ米大統領は鉄鋼、アルミニウム製品への追加関税の実施に続いて、4月には貿易相手国の貿易障壁と同水準まで米国の関税を引き上げる「相互関税」を導入、さらに自動車に追加関税を課す方針を打ち出した。これに対して、先週、武藤容治経済産業相が訪米して、ラトニック商務長官らと会談した。  ●対抗措置を用意せよ  まず鉄鋼、アルミ製品へ...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    北京で11日に閉幕する中国の全国人民代表大会(全人代、共産党主導の国会)では、習近平政権が経済停滞の中での軍備増強路線を明らかにした。先端半導体や人工知能(AI)など軍民両用技術の強化を急ぎ、西側の最先端技術奪取に全力を挙げるだろう。  ●実質経済成長率は2%前後  全人代冒頭で、李強首相は2025年の実質GDP(国内総生...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    世界がトランプ米大統領に振り回されている。トランプ氏にいかに対処するか、日本政府当局者らは2月7日の日米首脳会談に備え、緊密な関係を築いたトランプ氏と安倍晋三元首相の51回に及ぶ首脳会談(電話会談を含む)の全記録をもう一度読み直した。  ある政府当局者は「トランプ氏がいかに面と向かって説教されることを嫌うか安倍氏は熟知していた。...

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国基研理事・東京科学大学特任教授 奈良林 直    原子力規制委員会による原子力発電所の新規制基準では、原発本体の安全審査合格後、工事認可があり、その認可から5年以内にテロ対策施設の建設を終えなければならない。東京電力の柏崎刈羽原発7号機(新潟県)は、発電所の工事が終了し、再稼働が視野に入っていたが、テロ対策施設の建設が今年10月の期限までに完了せず、同月以降、施設が完成する20...

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国基研研究員 中川真紀    近年、中国人民解放軍ロケット軍の人員・装備の増加が著しい。特に日本本土への攻撃が可能なミサイルが質量ともに増強されていることが衛星画像から確認された。  ●日本の防衛網突破能力を獲得  日本本土への攻撃が可能な通常弾頭ミサイルの部隊は、準中距離弾道ミサイル(MRBM)DF-17を保有する第614、627、655の3個旅団、地上発射巡航ミサイル...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    2月28日、ワシントンで開かれた米国とウクライナの首脳会談が、口論の末に決裂し、予定していた鉱物資源をめぐる協定への署名や共同記者会見が取りやめとなった。停戦へ向けた動きに大きな影響を及ぼすとともに、英国、フランス、ドイツ等欧州の首脳からはウクライナ擁護の発言が相次ぐなど、米欧の亀裂が更に深まることとなった。  ●米の関心は「東...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    トランプ米大統領が先週末、ウクライナのゼレンスキー大統領と激しく仲たがいしたことから、ウクライナを見限るとの憶測が流れるが、早計過ぎる。  トランプ氏がゼレンスキー氏をホワイトハウスに招待した目的は、ウクライナ産鉱物資源の権益分与協定締結のためだった。首脳会談決裂で署名はたなざらしにされたが、会談前にトランプ氏は、ウクライナの鉱...

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国基研企画委員兼研究員 湯浅博    ウクライナ侵略戦争の終わりを探る米露交渉の背後で、中国がひそかに大国外交の主導権を握るべく動いている。ウクライナ抜きの米露首脳会談を後押ししながら、ギクシャクする米欧関係の隙を突いて欧州にも接近する。戦争当事国の一方を外した大国間取引は、中露が密かに狙う「勢力圏の再分割」に踏み込む危険なワナが潜んでいる。  ●気脈を通じるトランプ・習氏...

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