【第1398回】「法の支配」支持は日本外交の基本
国基研理事・元統合幕僚監部首席法務官 黒澤聖二 米国務省は国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らに対し、米国内資産の凍結やクレジットカードの利用停止などの制裁措置を発動した。ICCは、国際法違反の犯罪者を訴追・処罰するため2002年に設立された常設国際刑事法廷である。わが国は設立当初から加盟し、裁判官を送り続け、最大の分担金拠出国として支えてきた。国際社会における「法の支...
【第1397回】米朝首脳会談を拉致解決のチャンスにせよ
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 米朝首脳会談が開催される可能性が浮上した。核問題で合意が成立すれば、日朝首脳会談が開かれ、日本人拉致被害者を取り戻すチャンスが来る。 ●北は9月以降の会談模索 トランプ米大統領は8月16日、翌日始まる米韓合同軍事演習について「全く不適切で敵対的なシグナルを送っている」として、その大幅縮小を命じた。 このタイミ...
【第1396回】ロシアの暴挙にウクライナ支援で応えよ
国基研副理事長・元陸上幕僚長 岩田清文 8月13日、ロシアのプーチン大統領は日本の北方領土の択捉島に上陸した。ロシア大統領の同島上陸は初めてである。 その前日、プーチン氏は13年ぶりにサハリン州を訪れ、「(北方領土の地位は)第2次世界大戦の結果として国際文書に明記された」と述べ、領土問題の「解決済み」を強調した。同時期に行われていたロシア太平洋艦隊の大規模演習を視察した...
【第1395回】石破氏の高市減税批判は言いがかりだ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 戦後81年を過ぎた。日本は1968年に米国に次ぐ経済超大国に上り詰めたが、90年代後半からは長期経済停滞局面に入り、いまだに抜け切れない。それは「第2の敗戦」とも称されるが、元凶は硬直的な緊縮財政至上主義にある。 緊縮財政至上主義の源流は、いわゆる平和憲法と同時に制定された財政法にある。国債が戦前・戦中の軍拡の財源になったとの...
【第1394回】防衛白書に見る「核」への思考停止
国基研企画委員・麗澤大学特別教授 織田邦男 8月4日、令和8年版防衛白書が公表された。「戦後最大の試練の時」との脅威認識は的確だが、それに見合う議論が伴っているとは言い難い。第一に、三正面の核保有国(中国、北朝鮮、ロシア)に囲まれた構図を自ら描きながら、米国の「核の傘」の信頼性に関する議論がない。第二に、継戦能力の重要性をウクライナ戦争の戦訓として掲げながら、弾薬備蓄や継戦...
【第1393回】永住許可厳格化へ「在留10年」も見直せ
国基研企画委員・麗澤大学特任教授 西岡力 政府は外国人の永住許可要件を厳格化する方針を固めた。年収が日本人世帯の平均を上回ることや、年金の受給見込み額が厚生年金に30年加入した場合の標準的な受給額に達していることを原則として求める。10月1日付でガイドラインを改定し、来年4月の申請分から原則適用するという。 今回の方針に賛成だ。ただし、永住許可者急増の根本的な理由は、平...
【第1392回】首相は粛々と減税と成長戦略を実行せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 高市早苗首相は7月30日、現在8%の食料品の消費税率を来年4月から2年間、1%に引き下げる意向を表明した。部分的にせよ消費税率を引き下げるのは1989年4月の導入以来初めてだ。先の衆院選での公約に沿った当然の決断だが、足元の自民党内では反対論が噴出し、有力全国紙も社説などで執拗に批判する。これらに共通する主な論拠は、社会保障財源で...
【第1391回】日越原子力協力を推進しよう
国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林 直 停滞していた日本とベトナムの原子力協力が復活へ向けて動きだした。5月の高市早苗首相の訪越で、日越両国は原子力分野の協力の可能性について協議を促進することで一致した。それを受けて今月、ハノイで筆者らと面会したベトナム原子力研究所の所長は、小型モジュール炉(SMR)の日本との開発協力に強い意欲を示した。 ●小型モジュール炉の共...
【第1390回】成長促進へ画期的な骨太方針2026
国基研企画委員・京都大学大学院客員教授 本田悦朗 いわゆる「骨太方針」とは、経済財政運営の基本方針を定めると同時に、「中長期経済財政計画」(今回は2027~40年度)、及び翌年度(2027年度)の予算編成に向けた考え方を示すものであり、毎年6~7月(本年は7月21日)に閣議決定される。今回は「強い経済」を目指す高市早苗政権下で最初の骨太方針であり、予想通り、成長促進の観点か...
【第1389回】「核のタブー」を完全打破せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 年末に予定される国家安全保障戦略など戦略3文書の改定に向け、小泉進次郎防衛相が国家基本問題研究所の櫻井よしこ理事長主宰のインターネット番組「言論テレビ」で「核政策に関するタブーなき国民的議論」の必要性を訴えた。当研究所が本年4月に発出した「日本が再び核攻撃を受けないために何が必要か、政府主導で議論を起こすことを『国家安全保障戦略』...





