公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

  • HOME
  • 今週の直言

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    私の研究対象である朝鮮半島は昨年、大激動を迎えた。北朝鮮世襲独裁政権の3代目である金正恩総書記が2023年12月の労働党中央委員会総会と2024年1月の最高人民会議(国会)で、「韓国は統一すべき同じ民族ではなく敵対する外国だ」と宣言し、故金日成主席と故金正日総書記の民族統一戦略を否定した。  祖父と父の否定は統一戦略だけに...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    方向は異なるが、米中両国は揃って戦後の国際秩序の抜本的変革を目指している。令和7(2025)年、世界が大きな変化をよりはっきりした形で体験するのは必然だろう。中華帝国の復活を目指す習近平中国国家主席と、同盟国は米国を頼るのではなく各々が基本的責任(primary responsibility)を果たす強い国であるべきだと主張するトランプ次期米大統領...

続きを読む

国基研企画委員・麗澤大学客員教授 江崎道朗    英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は12月20日、トランプ次期米大統領が、ウクライナへの軍事支援を続ける一方で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の国防費の割合を国内総生産(GDP)の5%に引き上げるよう要求したと報じた。ロシアの脅威に直面する欧州諸国は、ウクライナ軍事支援で米国に頼るだけでなく、もっと多くの負担をすべきだというこ...

続きを読む

国基研理事・東京科学大学 特任教授 奈良林 直    12月17日、「第7次エネルギー基本計画」の原案が政府によって公表された。これに先立ち、国基研エネルギー問題研究会は9月9日付で「再エネ(再生可能エネルギー)の主力電源化はやめて、原子力の最大限活用に舵を切れ」と題する政策提言をまとめ、自民党の「脱炭素社会実現と国力維持・向上のための 最新型原子力リプレース推進議員連盟」総会で...

続きを読む

国基研企画委員・静岡大学教授 大野旭(楊海英)    中国の「抗日戦争勝利80周年」に当たる2025年は、日本と中国の「歴史戦」の年となる可能性が高い。歴史学界やメディアをはじめ日本国民は、中国の歴史修正主義に真っ向から立ち向かう必要がある。  ●映画「731」で反日宣伝強化へ  歴史戦の兆しが見えたのは、映画「731」の宣伝活動が始まったことだ。この映画は、2025年7...

続きを読む

国基研研究員 中川真紀    中国はこのほど、台湾周辺と西太平洋で大規模な軍事演習を実施したもようだ。今のところ中国の公式発表はないが、12月6日に中国の海警船が特異な航行を開始し、9~11日には中国が台湾対岸を含む7か所に飛行制限区域を設定したことから、軍事演習を準備も含め6~11日に行ったと見られる。台湾は中国軍と海警の活動活発化に警戒態勢を強化した。  ●海軍・海警の...

続きを読む

国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    韓国の尹錫悦大統領による衝撃的な戒厳令布告とその失敗は、日本にも大きな衝撃を与えた。韓国国会の弾劾決議は不成立となったが、尹大統領の統治は事実上終ろうとしている。早期に大統領選挙が実施されれば、野党「共に民主党」の李在明代表が勝利する可能性が高くなる。そうなると、韓国の外交・安全保障政策に深刻な変化がもたらされる。  ●日韓関係...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    「韓国の保守派は落ちるところまで落ちなければならない。それで初めて再生できる」。尹錫悦韓国大統領の戒厳発動騒動を受けて、保守派のリーダー趙甲済氏はこう語った。  4月の総選挙で与党が大敗した結果、尹政権は巨大野党が支配する国会に足を引っ張られていた。尹大統領は、自分が国のために尽くしているのに野党に妨害され、その背後には北...

続きを読む

国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    中国政府は11月30日、日本に対して中国に入国する際の短期滞在ビザ(査証)の免除措置を再開した。日本政府は「中国が日本との関係改善に向けて前向きな姿勢」と評価し、石破茂首相は29日の所信表明演説で、自身が日中首脳会談で指摘した成果であると誇示している。果たしてそうなのか。  ●日中会談後の説明には言及なし  15日の首脳会談後...

続きを読む

落星台経済研究所研究委員 李宇衍    11月24日、世界文化遺産「佐渡島さどの金山」(新潟県)の労働者追悼式が現地で行われた。韓国政府は準備段階で日本側と意見が対立し、追悼式に参加せず、25日に別の追悼行事を催した。韓国内の大半の言論機関は24日の追悼式が「半分の追悼式」になったと報道した。 筆者はこの表現に拒否感を覚える。 佐渡金山の歴史は400年に近く、そのうち朝鮮人が戦時...

続きを読む