【第1368回】日米比の対中連携を実証した軍事演習
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 フィリピンのタガログ語で「肩を並べる」を意味する多国間合同軍事演習「バリカタン」が、今年は従来と異なる重みを帯びて終わった。4月20日から5月8日まで、フィリピンのルソン島やパラワン島などで行われた演習には、日米比を軸に豪州、カナダ、フランス、ニュージーランドも加わり、過去最大規模の1万7000人超が参加した。規模の大きさ以上に重要な...
【第1367回】現行の憲法改正推進体制では不十分だ
国基研企画委員・麗澤大学特任教授 江崎道朗 自民党の高市早苗総裁(首相)は、来年の党大会までに憲法改正案を取りまとめる意向を示している。しかしながら、与党内の合意形成は前途多難だ。自民党が第9条改正について「自衛隊明記」案を掲げる一方、連立関係にある日本維新の会は「第9条第2項の削除および国防軍創設」案を主張しており、両者の隔たりは小さくない。 自衛隊の明記か、それとも...
【第1366回】皇室弱体化図る中国の情報工作
国基研理事長 櫻井よしこ わが国の基もといは皇室にある。2700年近く、父方が天皇につながる男系の血統を守る皇室は、いま126代目の天皇を戴く。明治維新のような歴史の節目、大東亜戦争の敗戦、東日本大震災などの国難の折り、皇室は国民統合の中心軸となって人々を前向きに励まし奮い立たせた。 皇室の御存在の意義を現代日本人よりも理解しているのは実は中国人であろう。だからこそ、彼...
【第1365回】高市政権は国連での歴史戦に力を注げ
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 3月6日、国連人権専門家17人(国連人権理事会が任命する特別報告者7人、作業部会委員10人)が、慰安婦問題に関し「正義・真実・賠償を拒まれている状況に深刻な懸念」を表明し、日本政府に賠償などの実施を求めるプレスリリースを公表した。これら専門家は個人の資格で活動している。 ●慰安婦問題で日本非難 これら専門家は慰安...
【第1364回】政府が主導して核の議論を始めよ
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 国家基本問題研究所は4月24日、「日本が再び核攻撃を受けないために何が必要か」について、政府が主導して国民的議論を起こすことを求める政策提言を発表した。また、2032年以前のできるだけ早い時期に、日本が取るべき選択肢を検討の上、必要な措置を講じることも政府に求めた。この2点を今年末に改定される「国家安全保障戦略」に明記するよう提言して...
【第1363回】中国5%成長はまやかしである
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 中国国家統計局は先週、今年1~3月期の国内総生産(GDP)の実質成長率が前年同期比で5%だと発表した。まやかしである。 ●実態はマイナス成長? 実は、中国のGDP算出方式は恣意的な操作が容易だ。統計局は全国の地方政府から報告される1、2、3次産業別の付加価値生産すなわち事業者・企業の粗利益を集計する。地方を管轄するのは...
【第1362回】歓迎すべき防衛装備移転全面解禁
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 政府は近く、国家安全保障会議(NSC)と閣議で、防衛装備品の海外輸出拡大に向け、防衛装備移転3原則と運用指針を改定する。事実上の輸出全面解禁により、オーストラリアなどパートナー国との間で防衛装備を融通し合える利点がある。東南アジアには日本の防衛装備品への期待も高い。 ●時代錯誤の公明党 防衛装備品の海外輸出は長年の懸案...
【第1361回】ホルムズ海峡通航料は習氏の思うつぼ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 米国とイランの和平協議は双方の隔たりが大きく、協議2日目の4月12日に中断した。戦略的パートナーである中国の支援を背に、イランは強気の姿勢を崩さない。中国は、イランのイスラム革命防衛隊によるホルムズ海峡航行船舶からの通航料徴収にも深く関わる。米国が和平を急ぐ余り、イランによる同海峡の管理を容認するようだと、習氏の思うつぼにはまる。...
【第1360回】反撃能力の配備、防衛省は説明を尽くせ
国基研企画委員・麗澤大学特別教授 織田邦男 3月31日、防衛省は「25式地対艦誘導弾」(12式地対艦誘導弾能力向上型)を陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)に、「25式高速滑空弾」(島嶼防衛用高速滑空弾)を陸自富士駐屯地(静岡県小山町)に配備した。反撃能力として初めて導入した装備であり、射程は約1000キロとされ、九州、沖縄からは北朝鮮、中国大陸沿岸部などが射程内に入る。 反...
【第1359回】金与正談話は「高市訪朝」への駆け引き
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 3月19日の日米首脳会談で、高市早苗首相は拉致問題を解決するため北朝鮮の金正恩国務委員長との会談に強い意欲を示し、トランプ大統領からそのプロセスで協力するとの約束を得た。すると23日、北朝鮮の事実上のナンバー2である金与正労働党部長が日朝首脳会談に否定的な談話を出した。しかし、この談話は日本との交渉を拒否するものでなく、交渉...





