中川真紀の記事一覧
【第1333回】中国軍の年末演習、米軍の接近阻止に焦点
国基研研究員 中川真紀 中国人民解放軍で台湾侵攻を主任務とする東部戦区が昨年12月29~31日、「正義使命-2025」と称する統合演習を実施した。中国の公式報道等から判断すると、米軍の接近阻止に焦点を合わせた統合演習であった可能性が大きい。 ●第1列島線以遠に届くミサイル登場 29日、東部戦区は台湾周辺5カ所において陸・海・空・ロケット軍等が参加する統合演習「正...
【第1318回】中国、初の原子力空母の建造開始か
国基研研究員 中川真紀 中国遼寧省大連市にある造船所で中国4隻目の空母とみられる大型船舶の建造が進んでいる。衛星画像から、原子炉格納容器用の枠と類似した枠が設置されたことが確認され、中国が初の原子力空母の建造を開始した可能性が大きい。 ●船体内部の枠、原子炉格納容器用と酷似 建造場所は大連船舶重工集団有限公司が保有するドックであり、中国国産空母1番艦(保有空母と...
【第1315回】中国新空母、第2列島線での作戦可能に
国基研研究員 中川真紀 11月5日、中国南部戦区に位置する海南省三亜の海軍基地において、中国海軍3隻目の空母である「福建」が就役した。艦載機の発艦が中国初の電磁カタパルト式であり、第1列島線(日本から台湾、フィリピンにいたるライン)を越えての作戦が可能であり、中国が目指す遠海防衛型海軍への大きな一歩となる。 ●台湾有事で米軍の接近阻止 中国は既に2隻の空母を保有...
【第1311回】訓練から台湾侵攻への転換可能―中国軍機関紙
国基研研究員 中川真紀 中国人民解放軍機関紙「解放軍報」はこのほど、中国軍の統合訓練が深化し、訓練から直ちに戦争へ転換することが可能という記事を第1面に掲載した。台湾を威圧するとともに、中国軍人の一人ひとりにいつでも台湾に侵攻できる準備と覚悟を求めたと言える。中国の戦争準備は物理的にも精神的にも着々と進んでいる。 ●統合演習は戦争準備 記事は10月9日付で、「新...
【第1308回】中国軍、新5カ年計画で新領域・実戦を重視
国基研研究員 中川真紀 中国共産党は10月23日に閉幕した第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で、第15次5カ年計画(2026~30年)の基本方針を採択した。同方針の国防関連部分では、5年前の第14次5カ年計画基本方針に比し、無人装備や宇宙・サイバー・電子戦に関する装備など新領域戦力の増強や実戦的訓練が強調された。 ●経済低迷でも軍事力整備 まず項目分け...
【第1304回】軍改革の障害排除の側面も―中国軍高官粛清
国基研研究員 中川真紀 中国共産党は10月23日に閉幕した第20期中央委員会第4回全体会議(四中全会)コミュニケで、人民解放軍高官9名の党籍剥奪処分を公表した。17日に国防省から処分が公表された高官を合わせると、計10名の軍高官が党籍、軍籍を剥奪された。 10名の内、9名は軍の最高位である上将、1名は中将である。中央軍事委員会副主席で制服組ナンバー2だった何衛東、同委委...
【第1284回】中国が軍事パレードで新兵器を誇示
国基研研究員 中川真紀 9月3日、中国は抗日・世界反ファシズム戦争勝利80周年を記念し、北京で軍事パレードを行った。登場した兵器は100種類以上にも及び、とりわけ無人装備など「新領域」の兵器や、台湾有事における「接近阻止・領域拒否」(A2/AD)作戦に関連する兵器、さらには米本土に届く新型の戦略核戦力が注目された。 ●新領域:無人・宇宙・サイバー・電子戦装備の多角化...
【第1282回】中露の軍事協力が海中に拡大
国基研研究員 中川真紀 中国、ロシア両海軍は8月1日から5日にかけてロシア極東のウラジオストク軍港周辺で共同演習「海上聯合-2025」を実施、その後6~20日に水上艦艇グループが西太平洋で、潜水艦グループが日本海及び東シナ海でそれぞれ共同パトロールを行った。中露潜水艦の共同パトロールが報道されたのは初めてである。 ●初の潜水艦共同パトロール 防衛省統合幕僚監部の...
【第1281回】中国の軍事パレードをボイコットせよ
国基研研究員 中川真紀 9月3日、中国の天安門広場では「中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年」記念閲兵式(軍事パレード)が開催される。 この軍事パレードには各国や国際機関の要人が招待されている。10年前の70周年軍事パレードには、ロシアのプーチン大統領、韓国の朴槿恵大統領、国連の潘基文事務総長等が出席、欧米諸国も外相や在中国外交官等を派遣した。 中国...
【第1249回】中国軍第2の海外基地始動―カンボジア
国基研研究員 中川真紀 4月5日、カンボジア南西部の同国海軍リアム基地で、中国の支援による基地拡張工事の完了式典及び基地内に設置された中国カンボジア・リアム港共同兵站訓練センターの発足式が挙行された。同センターには中国人民解放軍が常駐することになっており、中国はアフリカのジブチ基地(2017年開設)に続く第2の海外軍事基地を実質的に保有した。 ●軍人が常駐、軍艦も停...
【第1246回】着実に進む中国軍の台湾侵攻準備
国基研研究員 中川真紀 台湾侵攻を担当する中国軍東部戦区が4月1~2日、海上封鎖及び模擬目標への実弾射撃を主体とする統合演習を実施したと発表した。模擬目標への実射を主体とする演習は「海峡雷霆-2025A」と命名された。4月という訓練年度開始早々の統合演習であり、中国が習近平国家主席の指示通り2027年に台湾へ侵攻できる準備を着実に進めていることがうかがえる。今回の演習で主に...
【第1230回】中国が対日攻撃可能ミサイルを増強
国基研研究員 中川真紀 近年、中国人民解放軍ロケット軍の人員・装備の増加が著しい。特に日本本土への攻撃が可能なミサイルが質量ともに増強されていることが衛星画像から確認された。 ●日本の防衛網突破能力を獲得 日本本土への攻撃が可能な通常弾頭ミサイルの部隊は、準中距離弾道ミサイル(MRBM)DF-17を保有する第614、627、655の3個旅団、地上発射巡航ミサイル...
【第1222回】尖閣周辺でも中国のサラミ戦術が進行
国基研研究員 中川真紀 2月6日、尖閣諸島周辺で活動している中国海警編隊が交代した。新たに尖閣接続水域に入った4隻は全て76ミリ砲を搭載している。接続水域に入った4隻全部が76ミリ砲搭載船であるのは、昨年12月に続き2回目である。12月に日本側の反応を見たところ、強い反発がなかったため、更に威圧的な行動に出てきた可能性がある。 ●領海侵入うかがう76ミリ砲編隊 ...
【第1207回】中国が実戦に即した台湾有事軍事演習
国基研研究員 中川真紀 中国はこのほど、台湾周辺と西太平洋で大規模な軍事演習を実施したもようだ。今のところ中国の公式発表はないが、12月6日に中国の海警船が特異な航行を開始し、9~11日には中国が台湾対岸を含む7か所に飛行制限区域を設定したことから、軍事演習を準備も含め6~11日に行ったと見られる。台湾は中国軍と海警の活動活発化に警戒態勢を強化した。 ●海軍・海警の...
【第1198回】中国が日本照準のミサイルを更新
国基研研究員 中川真紀 10月17日、習近平中国共産党中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が、人民解放軍のロケット軍の旅団を視察した。その際、「対象に焦点を当てた新装備、新技能、新戦法の訓練を強化せよ」と訓示し、公開された映像から、習氏が「新装備」と呼んだ新たな種類の弾道ミサイルが配備されていることが確認された。 視察先の旅団名は報道されていないが、中国中央テレビ...
中国軍の台湾封鎖演習が持つ意味 中川真紀(国基研研究員)
中国人民解放軍東部戦区は10月14日、陸海空ロケット軍等による統合演習「聯合利剣‐2024B」(以下、「B」)を実施した。5月の「聯合利剣‐2024A」(以下、「A」)に続く台湾周辺における大規模統合演習である。 今回の演習も「A」と同様、台湾に対する海上封鎖が主要テーマであったが、展開戦力の質と量を増強させ、台湾及びそれを支援する米国等への政治的メッセージを含んだものでもあった。 短...
米中「相互確証破壊」時代の幕開けか―中国ICBM発射 中川真紀(国基研研究員)
中国国防省は9月25日、中国人民解放軍ロケット軍が同日、訓練用模擬弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)を太平洋公海へ向け発射して成功し、予定海域に正確に落下させたと発表した。中国によるICBMの公海への発射は44年ぶりである。 1980年5月、中国は初のICBMであるDF5を太平洋公海に向けて発射、約9100キロ先の目標海域に落下させた。これにより、中国は米本土へ届く核戦力を手に入れ...
南シナ海での中比衝突の背景 中川真紀(国基研研究員)
中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海で、両国の対立が激化している。8月19、25、31日には、フィリピンのパラワン島から約150キロ北西に位置するサビナ礁周辺海域において、中国海警船とフィリピンの沿岸警備隊巡視船および漁業水産資源局公船の間で衝突が発生した。 また、南シナ海をパトロール中のフィリピンの空軍機や漁業水産資源局の航空機に対して、中国軍によるフレア(火炎)の発射も3回確認されてい...
【第1174回】中国軍機の領空侵犯を読み解く
国基研研究員 中川真紀 8月26日、中国軍のY9情報収集機が長崎県の男女群島沖で、中国軍機としては初めて日本の領空を侵犯した。同機は台湾及び日本への軍事作戦を担当する中国軍5大戦区の一つ、東部戦区の所属であり、これまでも日本周辺空域での飛行が確認されている。 今回の領空侵犯が故意か過失かは不明だが、中国軍、特に東部戦区の①対日情報収集範囲の拡大②日本を対象とする海空域防...
【第1151回】日本は台湾亡命政権を受け入れるか
国基研研究員 中川真紀 中国人民解放軍東部戦区は、頼清徳台湾総統の就任を受けて5月23~24日、陸、海、空、ロケット軍等による統合演習「聯合利剣2024A」を台湾周辺で実施した。今回の演習では、台湾東岸最大の港湾である花蓮港東側にも演習区域を設定し、海空軍の「統合戦備パトロール」(戦闘準備の警戒パトロール)に加え、中国海警船が「総合法執行演習」を行う等、台湾東側海空域の重視...






