公益財団法人 国家基本問題研究所
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湯浅博の記事一覧

ウクライナ国境をめぐる米国とロシアの緊張は、台湾に圧力をかける中国にとっては追い風に違いない。米国がウクライナはじめ「欧州正面」に手を取られれば、台湾防衛に動くアメリカンパワーがそがれるからである。米国に対するロシアの要求が通っても、破綻して戦争になっても、対米瀬戸際外交の「先行モデル」として台湾海峡で援用できる。 プーチン露大統領にとってソ連崩壊が「20世紀最大の地政学的悲劇」である以上、...

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バイデン米大統領は、「米国はインド太平洋にとどまる」と宣言し、中国の習近平中国国家主席は、「戦略的安定」に向けて将来的に誓約するかどうかの検討を誓約するという雲をつかむような話をしていた。11月16日に開催の米中初首脳会談(オンライン)は、もともと期待値が低く、やらないよりはマシという実体のないサミットだった。ここから導かされる自由世界の教訓は、国防費を増やして抑止力を高め、直ちに対中投資に制限を...

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成長の著しいASEAN(東南アジア諸国連合)をめぐって、アメリカと中国が「勢力圏」の争奪を活発化させている。アジア軽視のトランプ前大統領に対し、バイデン大統領は「自由で開かれたインド太平洋」を掲げてアジア外交を積極展開し、中国を「ルールに基づく秩序への脅威」と位置付けた。対する中国は、これら首脳会議などを通じて「ASEANは近隣外交の優先事項」と応じて、綱引きは激しさを増している。 米国の影...

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総選挙さなかの日本を威圧するように、中国とロシアの海軍艦隊が「巡視活動」と称して列島をほぼ一周した。軍事行動による民主国家への威嚇行為は、1996年の総統選挙中の台湾に対し、中国が台湾海峡に向けたミサイル演習で揺さぶった海峡危機を想起させる。 あの時、台湾人は脅しに屈することなく結束を見せたが、安全保障に鈍感な日本の政治家たちの反応は鈍い。岸田政権は中露による威嚇行動に、日米同盟の抑止力強化...

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アフガニスタンからの撤収で戦術的な痛手を受けた米国は、すかさず戦略転換して「対中国リバランス(再均衡)」に舵を切った。途端にインド太平洋地域では、米中大国間競争がめまぐるしく回転を始めた。特に、インド太平洋の南シナ海や東シナ海で、米中が空と海で一触即発の火花を散らしている。特に中国軍機による台湾の防空識別圏への派手な侵入が耳目を集めるが、実際には米主導で対中包囲を恐れる習近平国家主席が国内の危機か...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    環太平洋経済連携協定(TPP)の11カ国は、米国の巨大経済力を急追する中国の加盟申請を拒否できるのか―。米英豪3カ国が対中抑止の新しい安全保障の枠組み「オーカス」を発足させると、中国はこれに対抗するかのようにTPP加盟を申請した。台湾も間髪を入れずに名乗りを上げ、自由貿易協定であるはずのTPPがにわかに政治化してきた。  TPPにはもと...

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アフガニスタンからの撤収で戦術的な痛手を受けたバイデン米政権が、具体的に「対中リバランス」へと動き始めた。バイデン政権がすぐに手を付けたのが、米英豪3カ国からなる安全保障の新しい枠組み「オーカス」の発足と、日米豪印4カ国安全保障戦略対話「クアッド」の対面による初の首脳会議である。米国はこれら2枚の抑止カードで中国を包囲する構えだ。撤収の失敗が米国の威信を傷つけてしまった以上、持てる外交・安全保障の...

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アフガニスタンの首都カブールが、あっけなくイスラム原理主義武装勢力、タリバンの手に落ちたとき、歓喜の声を上げたのは隣国のパキスタンであった。これまで、タリバンへの支援疑惑を表向きは否定していたものの、イムラン・カーン首相はついに「アフガンは奴隷の足かせを解いた」と本音を吐いた。アフガン大波乱の勝者は、人種的な結びつきの強いパキスタンだったのだろう。 アフガンは中央アジアの地政学上の要衝であり...

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 果たしてバイデン米政権は、12月にリモート開催する「民主主義サミット」に、台湾やベトナムの参加を呼び掛けるだろうか。中国が核心的利益だという台湾は、「活気に満ちた民主主義」であるし、共産党支配とはいえベトナムは、対中抑止の地政学的な利益を共有している国だ。もしも中国に配慮して彼らの参加を見送れば、「権威主義に対抗するサミット」の存在意義が問われるだろう。 台越も参加できる枠組み ここ...

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 「米国の衰退」を確信する中国共産党が、このところ戦術的後退のポーズを見せはじめた。国際社会から香港情勢やウイグル弾圧、武漢ウイルス対応への批判が高まり、これ以上の対中包囲を避けるための一時的な退避である。他者を欺く外交は、「米中新冷戦」演説といわれた2018年10月のペンス前副大統領による対中非難直後にも採用されている。ただし、戦術的後退は対中批判をかわすための詐術であって、政策転換ではないから...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    インド太平洋に目を向けた英国が、欧州勢の先陣を切って大きな一歩を踏み出したことを歓迎したい。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)11カ国は英国の加盟申請を受けて6月2日、閣僚会議で英国との交渉開始を決めた。その10日ほど前には、英空母打撃群が米海軍の駆逐艦とオランダ海軍のフリゲート艦を従え、インド太平洋へ向け7カ月間の航海に出た。米中間の...

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 アメリカのバイデン政権は、多くの外交・軍事資源を米中新冷戦の「アジア正面」にシフトしようとするものの、中東の火薬庫とロシアの拡張主義という2つの壁に阻まれる。パレスチナ自治区ガザを支配するイスラム過激派組織ハマスのイスラエル攻撃と、北極圏の覇権を握ろうとするロシアへの対処である。とりわけ、イスラエルとハマスの戦闘は、長引けばアメリカ外交の柔軟性が失われ、代わって中国に国際社会における指導力を誇示...

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 米ソ冷戦は、「欧州正面」が両陣営の主戦場であったが、現下の米中新冷戦は「アジア正面」が主戦場になる。欧州正面の最前線は東西ドイツであったが、アジア正面の最前線は台湾であり、台湾有事は連動して日本の有事になる。中国共産党が日本の尖閣諸島を「台湾の一部」と決めつけている以上、尖閣奪取に動いて先島諸島が戦火に見舞われる可能性が高くなるからだ。 歴史的な対中方針の明確化 バイデン米大統領が就...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    史上初の日米豪印4カ国(クアッド)首脳会議がオンラインで開催され、インド太平洋地域における民主主義国家の結束を印象付け、対中抑止への一歩を刻んだことは意義深い。自由世界の秩序に挑戦する中国は、米国不在で生じた空白を力で埋めようとしてきただけに、クアッドの結束や拡大を最も警戒してきた。4カ国は今後、外相会議のほか、年内に対面での首脳会議を開...

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 南シナ海と東シナ海の3つのフラッシュ・ポイントで緊張が高まっている。7月の中国共産党創設100周年、来年の第20回中国共産党大会を前に、バイデン米政権が弱みを見せれば、習近平国家主席の中国は伝統的な拡張主義の誘惑に抗しきれなくなるだろう。その一つが尖閣諸島の緊張の高まりであり、とかく戦略観に乏しい菅義偉政権には、力のバランスを回復させる政策行動を早急に求めたい。 危機強まる尖閣情勢 ...

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 尖閣諸島周辺の領海で、中国公船による侵犯と居座りが常態化している。あちら中国海警局の艦船は、大型化して機関砲まで積んでいる。この“第二海軍化”した中国海警局に、外国公船に対する武器使用まで認める海警法が2月1日に施行された。 中国は海警法によって主権や管轄権が外国に侵害されたときには、海警所属の公船すべてに武器使用など、あらゆる措置を取らせることを意図している。つまりは、日本が沖縄県の尖閣...

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 「一帯一路」を疾駆する列車が脱輪するのも、それほど時間はかからないのかもしれない。2020年12月12日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、「中国が世界から撤退する」との衝撃的な見出しで、中国の抱える海外貸付が多くの国で焦げ付いている事実を明らかにした。この経済圏構想は、投資家が二の足を踏む非効率なインフラであっても、習近平政権が「地政学のツール」として気前よく貸し付けてきたツケであろう...

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ASEAN(東南アジア諸国連合)を中心とした環太平洋の一連のオンライン首脳会議で、中国の存在感が目立った。特に、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の発足に対する米国の認識は、「中国の大勝利にはほど遠い」と米紙が論評するなど、やや近視眼的で見通しが甘い。中国は実態もないのに「法の支配」を掲げ、東アジアで緩やかな連携の輪を広げつつある。米国が大統領選による社会の分裂が尾を引き、政治の空白から戦略観...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    菅義偉首相の先週の東南アジア訪問は、中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」の修辞に貫かれていた。菅首相は安倍晋三前首相が敷いたレールの上で、日米豪印4カ国安全保障対話(クアッド)を動かし、初外遊によって東南アジア諸国連合(ASEAN)中核国との連携を強化した。中国の習近平政権が周辺国への露骨な圧力外交をやめない限り、4カ国以外にも枠組...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    インド太平洋の緩やかな日米豪印4カ国安全保障対話(クアッド)が、地域安全保障の新しい枠組みの構築へと動き出したことを歓迎する。米主導の国際秩序に挑戦する中国が周辺国への露骨な領域侵犯と懲罰外交を繰り返しているからだ。6日に東京で開催された日米豪印外相会議は、対話を定例化することで合意し、4カ国以外にも「クアッド・プラス」として協力を拡大す...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    やるべきことが山積する菅義偉新首相が、逆にやるべきでないのは中国の習近平国家主席を国賓待遇で迎えることである。中国包囲網の影にいら立つ中国は、お人好しとおぼしき国家を突破口に、米国の同盟国を一つずつはがしにかかる。米欧関係にくさびを打ち込むことを試みるとともに、訪日圧力で日米同盟を弱体化させようとする。米国の中国封じ込めを失敗に終わらせる...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    安倍晋三首相の退陣と近づく米大統領選挙という日米二つの政治空白は、拡張主義の中国にとって領土的野心への誘惑になりかねない。武漢発の新型コロナウイルスの世界的大流行以来、発生源である弱みを見せまいとして、周辺国への中国の軍事行動が目立つからだ。対中抑止のカギとして、日米同盟を核とした日米豪印4カ国戦略対話(クアッド)を強化、拡大して中国包囲...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    歴史家のナイル・ファーガソンは、過去のパンデミック(感染症大流行)を振り返って、未知のウイルスが社会の階級間と、民族の間にある既存の緊張を悪化させると指摘する。なるほど習近平中国国家主席は、武漢ウイルスの処理のまずさから拡散を許し、内外の批判にさらされた。そのため「手負いの龍」は、自らの弱みを見せまいと、周囲に対して凶暴さを増してくる。香...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    中国の習近平国家主席は「救国の指導者」なのか「抑圧の独裁者」なのか。22日開幕した中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)で、習主席が狙ったのはもちろん前者としての位置付けだが、国際社会からは武漢発コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を機に、後者としての厳しい目が向けられている。とくに、習政権がウイルス発生を隠蔽して感染を拡...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    中国・武漢発のパンデミック(感染症大流行)が炙り出したのは、詫びるどころか恩に着せる中国共産党の行動様式であった。自由世界を先導してきた米国が、武漢肺炎の荒波に翻弄されているうちに、中国はその元凶であることを棚上げして、「新型コロナウイルス制圧の勝者」であることを宣伝した。米欧の悲観論者は、パンデミック危機が世界秩序を再編する転換点になる...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    不都合な真実を隠そうとするのは、全体主義の本性なのだろう。たった一つのコラムの見出しを理由に、中国は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の3人の北京駐在記者を追放した。新型コロナウイルスの感染拡大を独裁政治の限界として論評するメディアを決して許さないとの意思の表明だ。それは半世紀前に、産経新聞はじめ3紙の日本人特派員を追放した毛...

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 全面戦争に至る寸前に小康を保つことができたのは、そこに「悲劇の代償」があったからではないのか。イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が年明けの3日、イラクのバクダッド空港でアメリカ軍の無人機攻撃で殺害され、国際社会はアメリカとイランの報復戦争の行方に固唾をのんだ。  イランのミサイルによる報復攻撃に、アメリカ軍が反撃を自制して戦争を回避しようとしたのは確かだ。だが、それ以上に抑制機能が働いたのは、...

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 中東から東アジアにかけて世界のパワーバランスが大きく揺れている。反米で利害が一致する中国、ロシア、イランの3カ国が昨年暮れの4日間、中東のオマーン湾沖で展開した初の合同軍事演習は、西側主要国に少なからぬ衝撃を与えた。  ここ数年来、中露の軍事協力は格段に進んでいたことは明らかだ。これに核開発の野望をもつイランが加わったことで、「悪の枢軸」が再編されたかのような論評も出てきた。米軍がイラン革命防...

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 英国の総選挙でボリス・ジョンソン首相率いる保守党の圧勝は、「決められない政治」に辟易していた有権者の選択としか思えない。3年半も続いたブレグジット騒動は、英国社会を分断したうえ経済の足を引っ張るなど、ポピュリズム政治のツケがいかに大きいかを見せつけた。これにより、英国が欧州連合(EU)から離脱することが決定的になった。  EU離脱後の英国の将来を見据えれば、ジョンソン政権は米英の「特別な関係」...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    残虐な過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いで、クルド人は米軍と生死を共にする同盟相手ではなかったか。シリアからの米軍撤退は、そのクルド人を見捨てるもので、トランプ政権がいかに重要な同盟関係にあっても、無慈悲に切り捨てかねないことを示した。東アジアの核保有国に囲まれた日本にとって、米国は比類のない同盟国であることに変わりはない。しかし、...

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 中国は繁栄するにつれて周辺国を脅し、南シナ海の人工島を軍事化し、略奪的な貿易慣行などで国際規範を無視してきた。時にトランプ米大統領に心変わりがあったとしても、彼の政権や米議会はもはや、これら傲慢な覇権主義行動を許さず、米国民の対中認識は後戻りできそうにない。  なかでも、クリストファー・フォード国務次官補が9月11日、中国の「地政学的な競争戦略」に対応して、各省、各局が政府全体で取り組んでいる...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    リーマン・ショック後の多国間協調を図る20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は調整機能が低下しており、米中対立の行方が会議全体の流れを支配する。再選を目指すトランプ大統領は米中首脳会談での決裂を避け、関税戦争では表面的な歩み寄りを図るだろう。だが、ハイテク覇権争いは持ち越され、相互不信から「価値観の衝突」へと突き進んで、対立がより深く長...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    ホルムズ海峡近くで日本のタンカーなど2隻を攻撃したのは誰か。米国はイランを非難し、イランは関与を否定する。安倍晋三首相のイラン訪問中に起きたこの事件は、イランと日本を引き裂こうとする勢力の仕業であろう。しかし、安倍首相のイラン外交は、米国とイランによる偶発戦争を回避し、緊張を緩和するための重要な一歩であった。両国間の緊張を高め、軍事衝突を...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    世界を震撼させた天安門の虐殺事件は、中国共産党100年史の中で今も隠された歴史の暗部である。1989年6月、共産党の人民解放軍は学生と市民に銃を発砲し、戦車で民主化運動を蹂躪じゅうりんした。天安門事件から30年を経て、その全体主義的な支配構造は少しも変わっていない。やがて経済力と軍事力で米国をしのぐとの予測があり、果たして世界は中国を頂点...

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 米ソ冷戦の末期、中国共産党は天安門広場で起きた学生の民主化運動を銃と戦車で踏みつぶした。あれから30年を経て、中国は経済力、軍事力とも米国に迫るほどの大国になっても、一党独裁の支配構造とその拡張主義は恐ろしいほど変わっていない。  その異形の中国との大国間競争について、米国務省のカイロン・スキナー政策企画局長は最近、ワシントンの安全保障フォーラムで、「異なる文明、異なるイデオロギーとの戦いであ...

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 4月下旬に北京で開催予定の「一帯一路国際協力フォーラム」に向けて、参加予定の受入国の間にくすぶる不満が表面化しそうな気配だ。  2年前の第1回フォーラムは、インフラ投資への期待感から130カ国以上が北京に代表を送り込んで、巨大な外交ショーを繰り広げた。ところが今回は、すでに投資を受け入れた国々から、中国による略奪的な融資案件と地政学的な野心の道具にされたことへの警戒感が強い。  習近平国家主...

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 米国の政府・議会が一丸となって推進するアジア再保証戦略がスタートして、中国の習近平政権を慌てさせている。この裏付けとなるのが「アジア再保証推進法」(ARIA)で、米上下両院により全会一致で可決され、トランプ大統領が昨年12月31日に即時署名した。このARIAは、米中貿易戦争がハイテク覇権争いの様相を濃くしているところから、トランプ政権が安易な取引や妥協をしないようクギを刺した形だ。  法案の成...

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国基研企画委員・主任研究員 湯浅博    トランプ米政権の対外政策は、安全保障と通商の両面から中国と対決し、「新冷戦」の到来を覚悟したかのようだ。ペンス副大統領がワシントンで4日行った演説をもって、レーガン元大統領がソ連を「悪の帝国」と呼んだ瞬間を彷彿とさせるとの論評は妥当であろう。米国はこれまで、国際秩序を無視した中国の影響力拡大を見過ごしてきたが、ペンス演説は「それらの日々を...

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国基研企画委員・主任研究員 湯浅博    帝国主義外交の典型は、大きな軍事力を振りかざしながら、にこやかに相手国を懐柔する狡猾こうかつさではなかったか。ロシアのプーチン大統領はまさに、「東方経済フォーラム」に参加した安倍晋三首相をソフトな声で迎えながら、その背後で中国との合同軍事演習「ボストーク2018」をぶつけてきた。中露関係の強さを合同演習で敵対国の米国に誇示しつつ、その同盟...

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国基研企画委員 湯浅博    確かに、米朝首脳会談を開催した6月12日は、歴史的な1日になった。劇場型の政治指導者2人が「朝鮮半島の完全非核化」へ向けて原則的に合意したからだ。トランプ米大統領は会談後の記者会見で、当初もくろんだ大量破壊兵器の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」が、共同声明に書き込まれていない点を指摘され、「時間がなかった」といら立ち気味に答えた。不完全であ...

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