百地章の記事一覧
【第1070回】秋の国会で緊急事態条項の条文化を
国基研理事・国士舘大学客員教授 百地 章 2年前の自民党総裁選挙以来、岸田文雄首相が繰り返し明言してきた「任期内の憲法改正」の約束期限が、来年9月末まであと1年に迫った。9月中の改憲となれば、来年の通常国会での発議が必要であり、今秋の臨時国会での条文化作業は待ったなしだ。 ●合意可能な議員任期延長と緊急政令 改憲のテーマだが、自衛隊の憲法明記については自民党と日...
【第868回】「男系の皇統」維持策示した報告書を歓迎する
国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章 安定的な皇位継承策等を議論する政府の有識者会議が12月22日、最終報告書をまとめ、岸田文雄首相に提出した。 ●画期的な旧宮家からの養子案 報告書は、皇嗣秋篠宮殿下から悠仁親王へと続く男系男子による皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないとの前提のもとに、皇族数を確保する基本的な方策として次の2案を示した。 第一は、女性...
【第861回】住民投票に名を借りた外国人参政権条例
国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章 現在、東京都武蔵野市で外国人にも住民投票権を認めた住民投票条例が制定されようとしている。これは住民投票に名を借りた外国人参政権条例であり、憲法違反と思われる。 ●参政権は「国民固有の権利」 武蔵野市では、立憲民主党や共産党などの支持を得て再選された松下玲子市長の主導のもと、市民不在の中で作成された住民投票条例案が議会に提出...
【第744回・特別版】来年の通常国会こそ改憲の正念場だ
国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章 臨時国会が12月5日閉幕し、憲法改正手続きを定めた国民投票法の改正は、最大の懸案事項の一つだったにもかかわらず、今回も先送りされてしまった。 ●国民投票法の改正もできない自民 衆議院では何とか憲法審査会を開会し、自由討議にまでこぎ付けたものの、結局、国民投票法の改正を行うことはできなかった。この改正法案は公職選挙法の改正に...
【第690回】憲法審査会は国会の閉会中審査で遅れを取り戻せ
国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章 通常国会は6月17日に閉幕するが、野党・立憲民主党などは会期の延長を求めている。これに対して、自民党は必要があれば閉会中審査で対応するという。であれば、懸案の国民投票法改正案をはじめ、一向に審議が進まない憲法審査会も、閉会中審査を行うべきだ。 ●開催を拒み続ける主要野党 自民党、公明党、日本維新の会は本年度予算成立後、速や...
【第678回】なぜ憲法に緊急事態条項が必要か
国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章 憲法に緊急事態条項を設けることに反対する人々は、すべて法律で緊急事態に対応できると主張する。本当にそうだろうか。なぜ法律ではなく、憲法に緊急事態条項が必要なのか、具体的に考えてみよう。 ●国会を開けない時はどうする? 第一は、法律を制定したくても国会を開けない時に備え、「定足数の例外」や「緊急命令(政令)制度」などを定めて...
【第655回・特別版】新型肺炎で分かった緊急事態条項の必要性
国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章 中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染者は2月2日現在、中国本土で1万人を超え、死者も300人以上に達した。感染は日本をはじめ世界26の国と地域に拡大している。世界保健機関(WHO)は緊急事態を宣言し、わが国も出入国管理法に基づき、過去2週間以内に湖北省滞在歴のある外国人及び湖北省発行の中国旅券所持者の入国を拒否す...
【第584回・特別版】新元号は歓迎するも手続きに疑問
国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章 「元号離れ」どころか国民的フィーバーの中で、新元号が発表された。平成に代わる新元号は「令和」である。出典は日本最古の和歌集『万葉集』であり、安倍晋三首相の説明によれば、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている」という。 非常に素晴らしい元号であり、国民の多くも歓迎しているようだ。新元号の下に、天皇と...
【第536回】春季例大祭に陛下の靖國神社ご親拝を
国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章 平成最後の終戦記念日、靖國神社には「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバー50人が参拝したが、閣僚の姿は1人も見られなかった。国会議員の参拝者数も昨年より減少しており、実に情けなく思う。 ●首相は年末に5年ぶりの参拝を 安倍晋三首相は、第2次安倍内閣が発足してちょうど1年後の平成25年12月26日、首相として初...
「9条の2」追加の改憲案を支持する(下) 百地章(国士舘大学特任教授)
そこで、取り敢えずまとめてみたのが以下の改正案である。これについては、8月9日付産経新聞「正論」欄で紹介した通りだが、若干、補足した。 もちろん、本来なら9条2項を改正して、自衛隊を軍隊と位置付けるべきである。しかし、これでは公明党の賛成が得られず、憲法改正の発議さえ覚束ない。つまり、現状において9条2項改正論に固執することは、結局、憲法改正を断念するに等しい。それ故、敢えて一歩でも前進する...
「9条の2」追加の改憲案を支持する(上) 百地章(国士舘大学特任教授)
5月3日の安倍晋三首相(自民党総裁)の発言をきっかけに、一気に浮上したのが、9条1.2項には手を付けず、憲法に自衛隊の保持を明記するという新9条改正論であった。 これに対する国民の反応だが、5月段階では、朝日、毎日の調査で反対が賛成をわずかに上回っていただけで、読売、産経・FNN、共同の各世論調査では賛成が50数%あり、いずれも反対を20ポイント前後引き離していた。また、内閣支持率急落後も、...
「お言葉」と「女系天皇」を結び付ける策謀許すな 百地章(日本大学教授)
●女性天皇容認の二階発言 自民党の二階俊博幹事長が、8月25日に収録されたBS朝日の番組「激論!クロスファイア」の中で「女性天皇容認」の発言をしたと報道されている。それによれば、二階氏は質問に答えて、「女性尊重の時代に天皇陛下だけそうはならないというのはおかしい。時代遅れだ」と女性天皇を容認したとある。また、その後、記者団に「諸外国でもトップが女性である国もいくつかある。何の問題も生じていな...
【第368回】今こそ緊急事態法制の整備を
国基研理事・日本大学教授 百地章 4月半ばに熊本県を襲った大地震で、安倍内閣の対応は素早かった。最初の地震発生5分後には官邸対策室を設置、その5分後には安倍晋三首相が被害状況の把握や応急対策に全力を尽くすよう指示した。既に2万人の自衛隊員派遣も決まっている。 ●検討課題は日本版FEMAの設置 今回、官邸に設置されたのは「非常災害対策本部」である。これは「非常災害...
【第306回】船田氏は憲法改正推進本部長を辞任せよ
国基研理事・日本大学教授 百地章 6月4日の衆院憲法審査会で、あろうことか自民党推薦の参考人が集団的自衛権の行使や安全保障関連法案を憲法違反と指摘し、国会やマスメディアにおいて連日大変な騒ぎとなっている。 ●想定内の参考人発言 報道によれば、問題の長谷部恭男早大教授の違憲発言について、人選にゴーサインを出した党の責任者である船田元・衆院議員は記者団に「ちょっと予...
【第277回】自民党は結党精神に立ち戻れ
国基研理事・日本大学教授 百地章 衆院選の結果が判明した。公示直後の12月4日、新聞各紙は軒並み「自民300議席超す勢い」といった見出しで大々的に報道しており、中には衆議院の3分の2を超える317以上の議席を予想するものもあった。しかし、前回並みの議席は獲得したものの、3分の2には及ばず、自主憲法制定を基本政策に掲げる次世代の党なども振るわなかったため、憲法改正の発議を行う...
【第21回】外国人参政権法案の上程阻止を
当研究所では、週一回のリポート「今週の直言」の会員向け配信を平成21年9月7日から開始致しました。当研究所の企画委員らが執筆し、法人会員・賛助会員の方には毎週月曜日にEメールかファクスでお届けします。個人会員の方はホームページの会員専用ページでご覧下さい。会員専用ページに掲載したリポートは、2週間後に公開します。 日本大学教授・国基研客員研究員 百地章 法案をめぐる動きに変化? 1月...