公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

ジェームスアワーの記事一覧

国基研客員研究員・米バンダービルト大学名誉教授 ジェームズ・E・アワー    私は1963年から88年まで25年間、海軍将校および文民として米国防総省で働いた。たまたま私の公務員生活は、冷戦の最後の25年間とほぼ重なった。とりわけ75年から85年まで私が非常に強く懸念したのは、ソ連が保有する大量の通常兵器と戦略核兵器だった。しかし、米国を中心とする民主主義同盟諸国に脅威を及ぼした...

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(終戦75周年特別寄稿・上)米バンダービルト大学名誉教授 ジェームズ・アワー    1853年、ペリー提督は苦情を携えて日本を訪れた。当時の日本は米海軍を脅かす大国ではなかったが、技術進歩のおかげで船舶の航続距離が伸びると、鎖国中の徳川幕府は難破船の救助を拒むか、場合によっては船員を殺害した。  ペリーは、遭難船に国を開くよう日本に要求する大統領親書を手渡した。黒船の実力を痛感...

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 多くの日本人、米国人と、少なくとも一部の韓国人は、北朝鮮の狙いに疑いを抱き、平壌からの真の歩み寄りなしに圧力を緩和すべきでないと賢明にも警告している。北朝鮮は過去に何度もそうであったように、対話をして「アメ」を喜んで受け取るが、約束を最後まで守らないだろうという悲観論が多いのも無理はない。トランプ大統領と安倍晋三首相は、真の進展がない限り制裁を緩和しないという強い立場を取るべきだ。結局のところ、...

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米バンダービルト大学教授・国基研客員研究員 ジェームズ・E・アワー    防衛大学校の卒業生諸君。  3月17日に諸君のように若い人材が任官したことで、日本の防衛能力は大きく向上するだろう。私の贈る言葉は、誇りと情熱を持って祖国に貢献せよ、ということだ。諸君は幹部自衛官として、自衛隊員でない国民よりずっと大きな責任を負う職務をじきに与えられるだろう。部下が劣っているなら...

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米バンダービルト大学教授 ジェームズ・アワー 政治家は、困難で不人気な決定に直面すると、新しい立場を取ると主張し、態度を明確にしない選択をするときがある。その新しい立場は、実際には何の変化もなかったり、場合によっては事態をますます悪化させたりする。 米国の国家安全保障戦略の「基軸」にアジア太平洋地域重視を据えるという最近の方針は、「現状維持」を「前向きな変化」と偽る一例であり、沖縄の普...

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米バンダービルト大学教授 ジェームズ・E・アワー 尖閣防衛を米軍に頼るな 「米国が尖閣諸島のために戦うとは思いませんね」―。最近、私が参加した東京でのセミナーで、中東の学者がそう言った。私は、その見方は誤りであり、クリントン米国務長官が尖閣諸島について、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象になると明言したことを説明した。 「でも、日本が尖閣防衛の措置を講じなけれ...

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