公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

大岩雄次郎の記事一覧

 現在の中国では、社会主義市場経済が経済の原則となっている。これは 1993 年の中華人民共和国憲法の改正で計画経済に取って代わったもので、憲法の前文および条文、中国共産党規約、その他の法規や文書でも社会主義市場経済に言及している。(※1)  しかし島田洋一福井県立大学教授が指摘するように、一党独裁下のその実態は、まさにファシズムの一形態に他ならない。  ●途上国扱い許されぬ経済大国  ...

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 米中貿易戦争は、いまのところ米国に利がある。中国国家統計局が10月18日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.0%増に留まった。今年4~6月期比で0.2ポイント鈍化し、2期連続で減速した。年間も含めると、天安門事件後の1990 年の前年同期比3.9%増以来最低となった。四半期ベースでは、遡及できる1992 年以降で最低だ。  一方、米商務省が30日発表した7~9月期の...

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 安倍晋三首相とトランプ米大統領は日本時間の9月26日、日米貿易協定の最終合意を確認し、共同声明に署名した。  安倍首相は「これは両国の消費者、全ての国民に利益をもたらす合意になった」と自我自賛してみせた。  一方、トランプ大統領は署名に際して「驚異的な新貿易協定」「米農家にとって巨大な勝利であり、それが私にとって重要なこと」としつつも、あくまで「第一段階」と位置付け、「かなり近い将来により包...

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 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が7月10日の米議会証言において、7月末にも利下げに転じる意向を表明したことで、市場の利下げ期待は確実に膨らんだ。それどころか、一部に、金融緩和の期待まで生んでいる。  利下げが実施されれば、2008年12月以来10年半ぶりとなり、これまでのドル高円安の基調を反転させるリスクが高まる。そのとき、出口戦略を模索すべき日本銀行にとって、進むも地獄、退くも...

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 またもや年金問題が政争の具にされている。金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(令和元年6月3日)を巡る、いわゆる「年金2000万円不足」騒動である。  報告書内容を真正面から論じることなく、野党は、「安心詐欺」「年金破綻」と煽り、政府も報告書の撤回要求や受け取り拒否など火に油を注ぐが如くの不適切な対応で混乱を一層加速させた。  政府も野党も国民に伝える...

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 厚生労働省の毎月勤労統計調査など統計不正の発覚を契機に、一部の野党が政府批判の攻勢を強めている。国内外の問題が山積する中、昨年の森友・加計学園や自衛隊日報問題の時のような「疑惑」追及に名を借りた国会の空転は許されない。  一国の統計データの不正は、国内外の信用を失わせかねない重大な問題である。この問題を政局にすることなく、与野党一体で抜本的な改革を図り、政治の信頼回復に全力を尽くすべきだ。 ...

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 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は12月1日、ブエノスアイレスでの首脳会談で、90日間の交渉継続を条件に「貿易戦争」を一時休止し、追加関税の25%への引き上げを当面見送ることで合意した。  ただ、この合意は貿易戦争自体の収拾ではなく、当面、現状に留めるだけのものである。共同声明には至らず、米中が個別に発表した声明で中国は90日間の交渉期限にすら言及せず、米国は「1つの中国」政策に触れなか...

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 政府は11月2日、単純労働を含む外国人労働者の受け入れ拡大に向け、新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案を閣議決定した。人手不足の解消を要望する経済界の要望に応じ、高度な専門人材に限っていた従来の受け入れ政策を大転換させ、これまで認めてこなかった単純労働の受け入れにカジを切った  人手不足の問題は、これまでも幾度となく指摘されてきた。では、なぜ今回は、具体的な事実の裏付けや具体的な制度内容...

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 トランプ大統領の就任とともに米国の離脱で「漂流」 が懸念された環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、米国抜きの11カ国による「包括的で先進的なパートナーシップ協定(CPTPP)」と名付けられ、12月30日に発効することになった。来年には発効後初の閣僚級の委員会を日本で開催する予定で、新規加盟国についても協議する。  世界1、2位の経済大国である米中の貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る...

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 安倍晋三首相は10月26日、北京で習近平国家主席、李克強首相と相次いで会談し、日本円と人民元を互いに融通する「通貨交換(スワップ)協定」の再開など金融面の連携強化でも合意した。だが、通貨スワップ協定の評価には、一部にミスリードが見られる。今回の協定は、事前に報じられていた通貨防衛のための通貨スワップではなく、為替スワップである。  日銀は「中国人民銀行との為替スワップ取極締結」としている。外務...

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 安倍晋三首相は10月15日の臨時閣議で、消費税率を予定通り来年10月1日に現行の8%から10%へ引き上げる方針を表明した。  10%への引き上げ時には、低所得者対策として、食料品などに軽減税率が導入されることになっているが、この議論に関心が集中しすぎる余り、消費税増税の本来の意義を矮小化させてはならない。  ●「低所得者に優しい」のウソ  軽減税率は、酒類と外食を除く飲食料品や新聞...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    日本政府はこれまで、日米2国間による自由貿易協定(FTA)交渉入りの回避に腐心してきたが、9月26日の日米首脳会談で、2国間の物品貿易協定(TAG)締結に向け、関税協議を含む新たな通商交渉に入ることに合意した。  政府は、TAGとFTAとは全く異なると主張するが、「日米共同声明」の内容によれば、実質的なFTA交渉に繋がる最初の...

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 米投資銀行大手リーマン・ブラザーズが破綻し、世界の金融市場が大混乱に陥った「リーマン・ショック」から9月15日で丁度10年が経過した。  「バブルは崩壊して、初めてバブルと分かる」と語ったのは、政策運営のマエストロ(巨匠)と称されたグリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長だが、足下の世界経済はリーマン・ショック直前をもしのぐ資産(株+債券)バブルの様相を呈している。「百年に一度」と言われ...

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 米国とトルコの関係悪化が表面化し、世界経済の先行きを一層不透明にしている。トルコ通貨リラの対ドル相場は一時20%も下落し、過去最安値を更新した。この影響は、アルゼンチンやロシア、南アフリカなどの通貨安にも波及し、アルゼンチン中銀は政策金利を45%まで引き上げている。  トランプ米大統領とトルコのエルドアン大統領の強権的な政治手法の衝突が、トルコの反米・親中露へと傾斜させている。トルコの民主主義...

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 日本大学アメリカンフットボール部の「反則タックル」事件、東京医科大学の補助金をめぐる受託収賄事件など私立大学のガバナンスが問われる事件が相次いでいる。  これまでも私学の不祥事を契機に、それらを抑制すべく私立学校法の改正が行われてきた。公共性、公益性の高い組織である私立大学は、学校法人(経営)としての私立学校法(私学法)と高等教育機関(教学)としての学校教育法の法的枠組みで運営されている。しか...

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 世界貿易機関(WTO)は7月11日、米中貿易戦争の収束が見えない中で、中国を対象にした貿易政策審査報告書を発表し、中国は依然、市場は閉鎖的な状態にあると指摘した。これに先立ち、米国通商代表部(USTR)は、1月19日に公表した「中国のWTOルールの遵守状況に関する2017年年次報告書」で同様の指摘をしており、米国の主張を裏付けた格好となった。  中国は2001年のWTO加盟にともない、そのルー...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    トランプ米政権は、中国の知的財産権侵害を理由とする制裁関税を予定通り7月6日に発動した。中国も同日、報復関税を発動し、世界一、二位の経済大国が大規模な高関税をかけ合う異常事態に突入した。  日本も含めて多くの国は、自由貿易を錦の御旗に、トランプ政権に対する批判を一様に強めている。トランプ大統領のやり方は極めて拙劣で、効果も疑問...

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 欧州中央銀行(ECB)は6月14日の理事会で、資産を大量に買い入れる量的緩和政策を年内に終了することを決めた。  9月末までは現在の月間300億ユーロの買い入れを続けるが、10月から12月にかけては月間の資産買入額を150億ユーロに減らし、買い入れそのものは12月で停止する。米国に続き、欧州も金融危機を受け導入した措置の解除に向けて一歩を踏み出した。  一方、日本銀行は15日、金融政策決定会...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    メルケル独首相は、イタリア・タオルミーナで昨年開催された前回の主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)における「トランプ米大統領対6カ国首脳」の議論について、「極めて不満とまでは言わないが、極めて困難だった」と評した。今回のシャルルボワ(カナダ)サミットでこの対立の構図はさらに鮮明となり、貿易問題の溝は埋まらず、いったん出され...

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 トランプ米大統領の暴走が止まらない。5月23日には、ロス商務長官に通商拡大法232条(国防条項)に基づき、乗用車やトラックなどの車両や関連部品の輸入が国内の自動車産業を侵害し、安全保障を脅かしている可能性を指摘して調査するよう指示した。鉄鋼・アルミニウム輸入制限と同様の手段を自動車にも適用することを目論んでいる。米メディアによると、トランプ大統領は現在2.5%の乗用車関税に最大25%の上乗せの検...

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