公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

大岩雄次郎の記事一覧

 黒田東彦日銀総裁が、異次元の金融緩和政策を導入してから既に3年半が経過した。この政策転換の結果、一言で言うならば、円安をもたらして株価を上昇させたが、実体経済には影響を与えることができなかった。  それどころか、今度は総括的検証の結果として、世界でも異例といわれる中央銀行による長期金利の操作という未知の領域に踏み込んだ。異次元の金融緩和政策と同様、肝心の目的である資金需要の拡大にどれほど効果が...

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 日本は、2013年3月に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明し、同年7月から、オーストラリア(豪州)、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド(NZ)、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの11か国と交渉を始めた。日本の参加から約4年に及ぶ交渉は、2015年10月5日に大筋合意に至り、2016年2月4日にはNZにおいて署名式が行われた。  TPPは、マク...

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 国内は元より、国際通貨基金(IMF)などの国際機関からもアベノミクスの限界が指摘されている。しかし、相変わらず政府は大規模な経済対策を、日銀は金融緩和政策の一層の深堀効果を主張し、一向に政策を見直す兆しはない。それどころか、アベノミクスの目指す経済の好循環を妨げているのは、不十分な賃上げと低調な民間設備投資にあるとして、「官民対話」と称し、民間企業に圧力をかけ続けている。  財務省が9月1日、...

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 当初、「三本の矢」を掲げたアベノミクスは、もはや金融緩和政策の戦術論に変質しているといっても過言ではない。量的・質的金融緩和(QQE)政策は、消費者物価2%増(対前年比)を2年以内に達成、マネタリーベースは2年間で2倍、を目標としたが、達成されたのは後者だけで、明らかに機能不全といえる。  岩田規久男日銀副総裁は、「予想インフレ率が上昇するのは、マネタリーベースの量を大幅に増やし続ければ、将来...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    安倍晋三首相と経済閣僚らが内外の専門家と意見交換をする一連の「国際金融経済分析会合」が3月半ばにスタートした。政府は会合の目的について、G7サミット(主要7カ国首脳会議)議長国としての責任を果たすためであって、消費増税の是非を判断するためではないと説明している。だが、首相官邸に招かれる専門家の人選を見れば、政府の説明を鵜呑みにす...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    政府はアベノミクスが「第2ステージ」に入ったと表明したが、従来のアベノミクスとの関係は不明なままで、その内容も具体策も曖昧である。第2ステージの目標の一つである「名目GDP(国内総生産)600兆円」は、既に発表されている「中長期の経済財政に関する試算」における数字と実質的に変わりがない。  目標以上に重要なのは実現の方法である...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    アベノミクスの本質は、グローバル経済化や少子高齢化等による経済・社会環境の急速な変化に対応して、日本経済の潜在成長力を高める構造改革の実現である。にもかかわらず、金融緩和による2%の物価上昇を巡る目先の論議の攻防に終始している。金融や財政に依存しない持続的な経済成長の実現には、まず将来不安の払拭に繋がる社会保障制度の抜本改革を一...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    国基研は、2011年3月11日の東日本大震災の発生後、同年10月28日には、「選ぶべきは脱原発ではありません」と題する意見広告を主要各紙にいち早く発表した。東京電力福島第1原発事故は津波が原因であり、安易な脱原発は国家の安全と国民の生活を脅かすことを警告した。今、その危惧が現実のものとなりつつある。今こそ、情緒論に踊らされること...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    政府は4月11日、中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」をようやく閣議決定した。この計画は当初、昨年秋に発表されるはずだったが、幾度となく先延ばしされた揚げ句、その内容も極めて曖昧となった。腰の据わらない政府の姿勢がそのまま内容に表れ、このままでは将来の国益を損なうことが危惧される。  ●妥協で矛盾だ...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」発言が加速している。菅義偉官房長官は「わが国は言論の自由(のある国)だから、いろいろな議論があっていい」と問題視しない姿勢だが、原発推進の最高責任者だった人の発言として許されるだろうか。  民主党のエネルギー政策を党代表時代に原発重視へ転換させた小沢一郎氏(現「生活の党」代表)や、非現実的な脱...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    アベノミクスへの批判がやかましい。目先の株価や為替の変動に気を取られ、性急に結論を求める不毛な議論の応酬に終始している。日本経済が20年間の長い停滞から再生するには時間がかかる。重要なのは、アベノミクスがもたらした経済再生の最後の好機を逃さず、生かすための政策論議とその実行に全力を注ぐことである。  ●株価・円相場は調...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    政府は「聖域なき関税撤廃」に反対するとの政権公約を理由に、依然、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加に曖昧な態度を取っている。交渉参加の目的は、中長期的な国益の確保である。では、政府の言う「聖域」とは具体的に何を意味するのか。その聖域を守ることは国益に適うのか。  ●既得権益の保護は国益に非ず  聖域として考えられてい...

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PDFファイルでご覧ください。 第169回:平成24年12月3日金融緩和だけでは経済を再生できない(大岩雄次郎 )   Adobe Readerは、米国Adobe Systems社の開発したAdobe PDF形式のファイルをご覧いただくためのプラグインソフトです。このソフトを使用するとブラウザ上、もしくはローカルにあるPDFファイル閲覧した り、印刷したりすることができま...

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