本田悦朗の記事一覧
【第1062回】早すぎた金融政策の「柔軟化」
国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗 日銀は7月27~28日の政策決定会合で、アベノミクスの「第一の矢」である「大規模な金融緩和」の手段として実施している長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の「柔軟化」を決定し、即日実施に移した。即ち、従来、10年物国債の利回りの上限が0.5%であったのに対し、これを1.0%に引き上げたのである。 この新しい運用は2...
【第1055回】円安のメリットを活用せよ
国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗 最近、1ドル=140円台の円安傾向が続いている。この円安が輸入品価格の上昇や、国内物価を外貨に換算した場合の「チープ・ジャパン」をもたらしているとの自虐的な批判も見受けられる。日銀の低金利政策が円安の一因になっているとして、低金利政策の修正や撤廃を主張する意見もある。 しかし、最近の円安の実態を見る限り、これらの批判や主張は的外...
【第1023回】日銀新総裁に期待する物価安定目標の貫徹
国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗 日本銀行は、新総裁に経済学者の植田和男氏、副総裁に前金融庁長官の氷見野良三氏及び日銀理事の内田真一氏を迎え、4月上旬に執行部を一新する。日銀総裁は戦後、大蔵省(現財務省)出身者と日銀出身者が交互に就任する人事が行われてきた。今回の総裁人事も財務省出身の黒田東彦氏の後任として日銀出身の雨宮正佳副総裁が指名されるのではないかとの見方が大...