渡久地政見の記事一覧
やはり分からぬ遺骨収集議連の設立意義 渡久地政見(団体職員)
5月8日、戦没者遺骨収集の促進を目的とした「戦没者のご遺骨等の収集の加速化を図る国会議員連盟」が初会合を開いた。長年遺骨収集に関わり、関連する記事に定評のある産経新聞の池田祥子編集委員が講師として登壇した。遺骨収集の問題点を理解している池田氏を初回の講師に選んだのは適切な判断だと思うが、遺骨収集を体験してきた者として、この超党派議連にはどうしても距離感を覚える。 なかった関係機関との調整 ...
遺骨収集超党派議連に感ずる不安 渡久地政見(団体職員)
先の大戦中に内外の戦地で亡くなった戦没者は約240万人。そのうち今もなお半分近い約112万柱の遺骨が沖縄や硫黄島といった日本国内のほか、海外の広漠とした大地や太平洋の島々、暗い海底に残されている。 戦後80年を迎えるが、遺骨の収集は遅々として進んでいない。その中で、遺骨収集促進を目的とした超党派国会議員連盟が5月8日に設立される。遺骨収集に自ら参加した体験から、この超党派議連について考えを述...
遺骨の取り違えはなぜ起こったか(下) 渡久地政見(団体職員)
米国では、星条旗のもと、戦地で散っていった人々を一人残らず、国が責任をもって遺族のもとへ返す。米国防総省の捕虜・行方不明者調査局(DPAA)は、アメリカの遺骨収集の専門機関である。 人類学者、遺骨鑑定人などの各種スペシャリストをスタッフとして揃え、軍を動かし、数十名規模で現地に派遣して遺骨収集を行う。その場でアメリカの軍人・軍属であることが判明すれば、焼骨せずにそのまま持ち帰る。その後はアメ...
遺骨の取り違えはなぜ起こったか(上) 渡久地政見(団体職員)
厚生労働省の派遣団が日本人のものとして収集した遺骨のうち、取り違えた疑いがあるにもかかわらず、公表すらされていなかったケースが相次いで明らかになっている。根本匠厚生労働相は「手続きは適正に行われていたが、結果として鑑定結果に違いが出ている」と事実を認めたものの、開き直りともとれる発言に遺族からは憤りの声が強く上がっている。こうした事態がなぜ起きるのか、遺骨収集に参加した自身の経験から改めて考えて...