公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

赤祖父俊一の記事一覧

 地球温暖化防止運動が暴走している。実は炭酸ガスの放出量は依然として急増しているが、地球温暖化は2000年頃から殆ど止まっている。コンピューターの計算によれば2000年から20年の間に0.1~1.5度上昇することになっている(2100年までは0.5~7.5度の上昇)。こんな矛盾と不確定さに満ちた予測をもとに地球温暖化は、依然として世界の大問題とされているのである。  ●気象学者に「気候」は...

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国基研客員研究員・米アラスカ大学名誉教授 赤祖父俊一    今年夏の猛暑や、台風に伴う洪水を含め、気候や環境の異変が人間の経済活動で放出される温室効果ガスによる地球温暖化のせいではないかと、地球の将来を心配している方も多いと思う。  そこでまず、石炭、石油の燃焼により排出される二酸化炭素など温室効果ガスが依然増加しているにもかかわらず、地球全体の気温上昇は西暦2000年頃よりほ...

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 電気は日本の将来にとって最も重要なエネルギーになる。日常生活は電気に頼り、日本製品は、国内、国外用とも電気なしには作れない。自動車も将来は、電気で走らせることになりそうだ。電気エネルギーの必要性はますます高くなる。  電気は発電所で作られるが、そのエネルギー源は温室効果ガスの排出量が比較的少ない天然ガスが主流になっている。特に日本では東日本大震災以降、原発への反対論が強まっており、他に有力な代...

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 米国が「パリ協定」から離脱した。私の率直な意見は、「これでやっと地球温暖化、気候変動の問題を学問として研究できるかもしれない」ということである。  多くの読者は「いまさら何をバカな」と思われるであろう。地球温暖化は現在、確かに進行している。それなのに米国はなぜ、「パリ協定」から離脱したのかと疑問を持つのは当然である。しかし、これを機会になぜこの問題が、「パリ協定」という世界中の多くの国を挙げて...

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 6月27日付の「今週の直言」(【第383回】英のEU離脱から学ぶべきこと)で、産経新聞外信部編集委員の内藤泰朗氏が述べておられたことについて、一言私見を申し述べたい。  内藤氏は、英国のEU離脱問題は、グローバル化を急ぎすぎたことによる結果のひとつとのご意見のようですが、私はグローバリゼーションに便乗している市場原理(至上)主義の制御が効かなくなっているからだと思います。  米国では工場を中...

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アラスカ大学国際北極圏研究センター所長・国基研客員研究員 赤祖父俊一 残念ながら、地球温暖化問題は「気候学」という地味な純学問が特殊な政治目的に利用され、悪用され、翻弄ほんろうされた良い例として科学史上に残るであろう。気候学者ばかりでなく、他の分野の科学者も多く参加したので、問題は科学全体に及ぶ。こんな騒ぎを起こした科学と科学者は、一般市民の信用を失う可能性さえある。 ●記録を操作した...

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