公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

奈良林直の記事一覧

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    今年8月、岸田文雄首相は「原子力発電の活用」を指示した。それを受けて経済産業省が11月28日、有識者会議の原子力小委員会で、原子力活用策の方向性と行動計画の原案を提示した。政府のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で年内に最終決定する。活用策は、①安全審査を合格した原子力発電所の早期再稼働②現行法で最長60年とされてい...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    高市早苗内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が昨年の自民党総裁選の時から主張している小型核融合炉の開発戦略を策定する政府の「核融合戦略有識者会議」の初会合が9月30日に開催された。世界の開発競争に負けないように開発投資を急ぐべきだとの意見も一部にあるが、実は核融合炉が商業用発電炉として実用化される見通しすら付いていないことを指摘した...

続きを読む

10月4日午前、北朝鮮から弾道ミサイル1発が発射され、東北地方上空を通過して約4600キロ飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)外側の太平洋に落下した。我が国の数か所で「Jアラート」(全国瞬時警報システム)による緊急情報発信が行われ、警戒の必要がない地域に誤って発信されたり、ミサイル通過後に警報が出されたりするなど、トラブルが相次いだ。しかし、北朝鮮は水爆をすでに所有し、運搬手段の大型の弾道ミサイ...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ロシア軍に占拠されたウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所が非常に危険な状態になっている。事態を深刻にとらえた国際原子力機関(IAEA)は、グロッシ事務局長が自ら現地に乗り込み、居座るロシア軍とザポリージャ原発の現状の調査に乗り出した。  ●メルトダウンの危険  ザポリージャ原発はロシアのウクライナ侵攻開始から間もない3...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ロシアのウクライナ侵略に対する西側諸国の経済制裁とロシアの報復により、石油、天然ガスをはじめとするエネルギー価格が高騰する中で、電力需給は今冬へ向けて厳しい状況が続く。エネルギー資源を持たない我が国にとって、原子力発電所の最大限の活用は国家存続の唯一の選択肢である。岸田文雄首相が次世代型原発の開発・建設の検討を指示するなどエネルギ...

続きを読む

「日本学術会議こそ学問の自由を守れ」と題した2020年10月5日付の「今週の直言」は大きな反響を呼んだ。学術会議は大学での軍事研究に反対して2016年9月に設立された「軍学共同反対連絡会」に牛耳られている。憲法9条の改正に反対する「九条科学者の会」の呼び掛け人の1人で名古屋大学名誉教授の池内了氏らが連絡会の共同代表を務める。船底に空気泡を注入すると船の推進抵抗が削減されるという北海道大学のM教授の...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    電力需給は今冬へ向けて厳しい状況が続く。岸田文雄首相は今月、冬までに最大9基の原子力発電所を再稼働するよう指示を出したが、電力会社が航空機テロ対策の工事を終えて再稼働することを決めている原発も含むので、新味に乏しい。しかも、対象となる原発は西日本のものに限られ、電力需給の逼迫ひっぱくが特に懸念される東日本の原発が入っていない。 ...

続きを読む

国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    6月下旬の35度を超える酷暑の中で、東京電力管内に電力需給逼迫ひっぱく注意報が連日発令された。寒波が到来した3月に一段上の「警報」が出されたのに続く事態だ。電力が不足する根本的な原因は、静岡県の浜岡原子力発電所から北の多数の原発が再稼働していないことにある。つまり、原発への依存度をできる限り減らし、不安定な太陽光などの再生可能エネル...

続きを読む

ロシアのウクライナ侵攻を機に、欧州はエネルギー政策の大幅な見直しを迫られている。中でもドイツでは、メルケル前首相により石炭火力や原発に依存しないグリーンエネルギー政策を採ってきたことが、ここにきて大きく響いている。 一方のロシアは、短期のウクライナ占領には失敗したが、西側の経済制裁はしのいでいる。多くの経済学者が「ロシアはすぐにデフォルト(債務不履行)に陥り、経済破綻する」と言ったが、現実は...

続きを読む

国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    札幌地裁が5月31日、北海道泊村にある北海道電力泊原子力発電所1~3号機の運転差し止めを認める判決を出した。東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故後、各地で原発の運転差し止めや設置許可取り消しを求める訴訟が起こされたが、いずれも上級審で覆っている。今回の原告も「脱原発弁護団全国連絡会」の支援を受けた「日本国内又は海外に居住する...

続きを読む

国際原子力機関(IAEA)の要請により小型量産型原子炉(SMR)の規格や効率的な設計・製造の技術に関するオンラインの国際会議に急遽参加した。会議は5月10日から13日にかけてウイーンのIAEA本部で開かれ、世界から約70名の専門家が参加したが、なんと筆者は初日のプレゼンに指名された。 SMRを設計・建設するうえで、安全性と信頼性の確保と大幅なコストダウンは欠かせない。そのためのCodes a...

続きを読む

欧州はロシアの天然ガスと石油に依存しており、現在も輸入を続けている。もしもロシアが欧州向けの天然ガスのバルブを閉めれば、ドイツをはじめ欧州の国々のエネルギー源は断たれ、大停電が発生して産業と経済は大打撃を受ける。ドイツは2022年中に脱原発を完了すると言っているが、自国の石炭エネルギーに戻るだけだ。フランスをはじめ欧州連合(EU)各国が原発の建設を急ぐとしているが、建設には4、5年かかる。我が国で...

続きを読む

ロシアが核兵器で恫喝する中、ウクライナ侵略と市民の虐殺が続いている。国連も北大西洋条約機構(NATO)もこの暴虐を止める術がない。せいぜいドローンや対戦車ミサイル、地対空ミサイルなどを供与するに留まっている。 そうした中で、ウクライナのマリウポリでは、アゾフスタリ製鉄所の地下に築かれたシェルターがウクライナ軍の抵抗拠点になっているが、永世中立国のスイスは、全国民を収容できる核シェルターの設置...

続きを読む

ロシアの核兵器の恫喝のなかで、ウクライナに対する侵略と市民の虐殺が続いている。国連常任理事国のロシアや中国の同意が無ければ、安全保障理事会は機能しないことが証明された。まさにやりたい放題である。ロシア軍は原子力発電所へも侵入、制圧しており、核不拡散防止条約(NPT)体制も、脆くも破壊された。日本海でもロシアは軍事訓練を活発化しており、平和ボケした日本はこのロシア侵略の危機に覚醒すべきだ。 フ...

続きを読む

ロシアのウクライナを侵略から1カ月余り、プーチン大統領は「我々は最強の核大国の一つ」と西側諸国を恫喝しながら、侵略開始早々、核戦力を「特別警戒態勢」に置くように命じ、すでに作戦部隊を展開している。また、小型の戦術核使用もほのめかして状況をエスカレートさせ、西側を牽制している。ウクライナへの支援を弱める意図も読み取れる。西側の軍事専門家は、ロシアが生物化学兵器を使用する可能性についても指摘している。...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    2011年3月の東京電力福島第一原発事故以降、我が国は太陽光発電を中心とする再生可能エネルギー優先政策を推進してきた。しかし、太陽光や風力発電は変動電源と呼ばれ、出力低下を補うために火力発電所が需給調整をしている。これでは、二酸化炭素の排出を効果的に減らすことはできないし、需給調整がうまくいかないと大停電を引き起こしかねない。3月...

続きを読む

天然ガスや石油の価格はロシアのウクライナ侵攻でさらに高騰を続けている。欧米諸国や我が国もロシアに対する経済制裁を強化しているが、プーチン大統領は、欧州への天然ガス供給バルブを開閉する権利は、ロシアにあると明言している。欧州は天然ガスの約4割をロシアに依存しており、ロシアにより天然ガスの供給が絶たれると国の経済や産業活動が破綻する。我が国も天然ガスの約10%がロシア産で、日本の経済制裁に対してロシア...

続きを読む

ロシアのウクライナ侵攻に伴い、脱炭素を主眼とする欧州のエネルギー政策が大幅な見直しを迫られている。欧州連合(EU)の脱炭素政策を主導してきたドイツは、メルケル前首相により脱原発政策と太陽光や風力発電による再生可能エネルギー優先の政策を十年以上にわたり強力に推進してきた。その一方、発電出力が低下した際にその谷を埋めるための火力発電の燃料を自前の石炭からロシアから供給される天然ガスに挿げ替えることで、...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    3月4日未明、ロシア軍がウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所の敷地内に侵入し、同原発を制圧した。ここはウクライナにある原子炉15基のうち6基を持ち、合計出力600万キロワット(kW)の欧州最大の原発だ。ウクライナでは電力の51%を原発が供給している。ロシアはウクライナの石油施設や天然ガスパイプラインも攻撃しており、国内のエネル...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    参議院の「資源エネルギーに関する調査会」に参考人として招かれ、国基研のエネルギー問題研究会による政策提言「脱炭素の答えは原発活用だ」(令和3年4月12日)の基になった具体的なデータを用いて意見陳述をした。エネルギー問題研究会は、気候変動枠組み条約の交渉に加わった有馬純東大特任教授らの参加を得て、工学分野だけでなく、経済、防衛の視点...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が原子力発電への投資を促進する方向を打ち出したのに対し、脱原発を主張する小泉純一郎氏ら日本の元首相5人が「(原発事故で)福島の多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる」との書簡を欧州委のフォンデアライエン委員長宛てに1月27日付で送った。5人は小泉氏のほか、菅直人、鳩山由紀夫、細川護熙、...

続きを読む

岸田文雄内閣の「グリーン成長戦略」が、「クリーン成長戦略」に変わった。「グ」と「ク」では1文字違うだけだが、ドイツやスペインなどの太陽光や風力発電では、効果的にCO2を減らすことができないことは、昨年英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)までの世界の壮大な実証試験で明確になった。 また、東芝、日立、パナソニックなどが、事業の一部を中国などに切り売りして...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    英グラスゴーで昨年開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では「脱石炭」に40カ国余りが合意したが、中国や東南アジアで建設中の石炭火力発電所は200カ所に迫る。一方、天然ガスや原油の値上がりは著しく、深刻な電力不足とエネルギー価格の高騰が欧州経済に影を落としている。我が国も事情は同じだ。ドイツをはじめとして...

続きを読む

英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、「脱石炭」が議論の焦点になり、40カ国余りが合意した。しかし、現在、アジア地域で建設中の石炭火力発電所は200カ所に迫り、インドでは28カ所、中国では95カ所、インドネシアでは23カ所に上る。これら新規の石炭火力発電所は、今後何十年にもわたりCO2を排出し続ける。これを先進国の論理で否定するのは不可能で、このままで...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    岸田文雄首相は11月2日、英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に出席し、アジアなどの脱炭素化に最大100億ドル(約1兆1000億円)の追加支援を表明した。しかし動画を見る限り、スピーチを行った会場は閑散としていた。会議ではむしろ「脱石炭」が議論の焦点になり、40カ国余りが合意したが、太陽光...

続きを読む

北海道の寿都町で、いわゆる「核のゴミ」の最終処分場の文献調査の継続を争点に、10月26日、町長選挙の投開票が実施され、調査継続を訴えた現職の片岡春雄町長が1135票を得て、反対派候補を235票差で破り、6選を果たした。投票率は84%だった。 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」の最終処分場の候補地を設定する第一段階である文献調査に北海道の寿都すっつ町と神恵内かもえな...

続きを読む

世界的に原油や天然ガス、石炭のエネルギー価格が高騰を始めている中、「原子力発電所の進歩に関する国際会議」(ICAPP)が10月16日~20日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催され、筆者も総会での講演を頼まれ、オンラインで参加した。 この会議は、世界中の原子力コミュニティーのリーダーたちが、新しい原子力発電の展開と将来の方向性やニーズについて議論するフォーラムだが、すでに再生可能エネ...

続きを読む

国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    中国や北朝鮮など周辺諸国が極超音速ミサイルの開発を加速し、日本への軍事的脅威を増す中で、我が国には日本を脅かすミサイルに対する防衛システムを構築できる先端科学技術がある。しかし、日本学術会議による軍事研究禁止が足かせとなって、その技術を活用できない。今ほど学術会議の抜本的見直しが必要な時はない。  ●周辺国で進む極超音速兵器の...

続きを読む

日本製鉄が大口顧客であるトヨタ自動車と電磁鋼板の提供元である中国鉄鋼最大手・宝武鋼鉄集団の子会社、宝山鋼鉄を特許侵害で提訴した。両社にそれぞれ約200億円の損害賠償を求めるとともに、トヨタに対しては対象製品を使った電動車の製造販売差し止めの仮処分を申し立てた。国内の鉄鋼最大手が、長年の盟友関係にある最重要顧客を提訴するのは極めて異例だが、この電磁鋼板は2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素排出...

続きを読む

CNNや米誌ニューズウイーク、NHKなどのほか、中国紙までが、中国各地の深刻な電力危機と工場への操業に影響が出ていることを報じている。猛暑とエネルギー価格の高騰が原因で、石炭火力発電でもこの危機が長期化する見通しだ。このような電力危機や停電は、我が国でも1月に発生した他、米国のカリフォルニア、テキサス両州のほか、オーストラリア、フランスでも多発している。 再エネ優先策も一因か 報道によ...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    週刊文春が暴露した河野太郎行政改革担当相の資源エネルギー庁幹部に対する恫喝で、河野氏は原子力発電所が北朝鮮のミサイル攻撃を受けたら危険だとまくし立てている。その河野氏は防衛相時代に、北朝鮮などのミサイル攻撃を防ぐ陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の建設を取りやめた張本人だ。原発をミサイル攻撃の危険にさらし、廃棄に持ち込も...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    河野太郎氏は9月10日、自民党総裁選出馬表明の記者会見で、脱原発に関する質問に対し、「(原子力発電所の)安全性を確認して、使えるものは再稼働して使っていく」と答えた。このため大手各紙は「総裁候補として脱原発を封印」と報じたが、とんでもない誤報だ。河野氏は脱原発路線を封印などしていない。  ●再処理施設の運転開始阻止を主張 ...

続きを読む

菅義偉首相が事実上の退陣を表明した。ならば拙速の念が消えない「第6次エネルギー基本計画」の閣議決定についても、自民党の新たな総裁が選ばれ、その後の総選挙で新政権が発足まで判断を延期すべきと思う。 産業凋落して、地球温暖化あり 「基本計画」は日本として将来の電力調達先をどこに求めるか、事前に明確にしておくという極めて重要な計画である。菅政権が閣議決定を目指してきた「6次計画」では①203...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    アフガニスタンの地下には、膨大な量の鉱物資源が眠っている。バイデン米政権がアフガニスタンから米軍の拙速な撤退を行い、タリバンの実権掌握を許したことで、この鉱物資源が中国の手に転がり込む恐れが出てきた。  ●レアアースも確認  アフガニスタンの鉱物資源の調査は、米地質調査所(USGS)のジャック・メドリン氏のチームによって2...

続きを読む

 政府が見直しを進めている国の新たな「第6次エネルギー基本計画」原案概要が明らかになった。報道によると、その骨子は ①2030年度の総発電量に占める太陽光や風力など再生可能エネルギーの比率を、現計画の22~24%から36~38%に高める ②原子力については20~22%を維持し、「安全性の確保を大前提に、重要なベースロード(基幹)電源」と位置づけているが、新増設や建て替えについては明記せず、「可能な...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    7月3日、静岡県熱海市伊豆山地区で発生した土石流の起点近くに、大規模な太陽光発電所(メガソーラー)が設置されている。土石流との因果関係は今のところ不明だが、政府は調査に乗り出した。災害を引き起こす可能性のある山間部での設置が今後規制されれば、太陽光発電推進政策に影響を及ぼす可能性がある。  ●土石流の主因はずさんな盛り土 ...

続きを読む

 7月1日に櫻井よしこ理事長の「日本国の基盤・エネルギー問題」と題する講演会に参加し、その日の午前中に双葉町長の伊澤史郎町長とハッピーロードネットの西本由美子理事長の案内で、福島第一原発の敷地に隣接する双葉町の復興状況を詳しく視察することができた。 子供たちの笑顔をコンセプトに 2011年3月11日、福島県双葉町は、東日本大震災の地震と大津波の来襲、そしてそれに続く福島第一原発の事...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    運転開始から44年経つ関西電力美浜原子力発電所(福井県美浜町)3号機が10年ぶりに再稼働した。朝日新聞と東京新聞はこれを「老朽原発」と決めつけ、すぐにも事故が起きそうな印象操作をした。  しかし、2013年に改正された原子炉等規制法により、運転開始から40年を経過した原子炉は、運転期間を1回に限り最大20年延長することが認められ...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    中国南部の広東省にある台山原子力発電所1号機から放射性物質が漏洩した。1号機は2018年に運転を開始した最新鋭の欧州加圧水型原子炉(出力165万キロワット)で、漏洩について中国当局の情報開示が遅れ、隠蔽体質を感じさせる事例となった。  ●情報開示は報道の2日後  漏洩が明るみに出たのは6月14日、原子炉を中国に輸出したフラ...

続きを読む

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    国際エネルギー機関(IEA)は5月、地球温暖化対策のため再生可能エネルギーを推進する場合に、風力発電や電気自動車、蓄電池に必要な鉱物資源の量が膨大に増え、環境破壊なども問題になるとの報告書を発表した。これを基に米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが同月11日付で、バイデン米大統領が数兆ドルを注ぎ込もうとしているエネルギー転換政策は...

続きを読む