公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

奈良林直の記事一覧

国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林 直    原子力規制委員会は昨年12月27日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)に出していた事実上の運転禁止命令の解除を決定し、東京電力に通知した。テロ対策について「自律的な改善が見込める」と判断した。同原発が再稼働すれば、首都圏の電力の需給逼迫状況が改善されるが、実際の運転再開には新潟県など地元自治体の同意が必要で、その時期は見通せ...

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国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    10月2日、首相官邸で日本学術会議新会員の辞令が交付され、学術会議の新体制が決まった。新会長に選ばれた光石衛まもる・東京大学名誉教授(機械工学)は、菅義偉前首相が任命を拒否した6人について「改めて任命を求めていく」と語っており、左翼イデオロギーによる学術会議支配が今も続いていることが分かる。学術会議の反原発、反軍事思想の弊害が顕著に...

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国連総会出席のためニューヨークを訪問した岸田文雄首相は9月19日、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約=FMCT)ハイレベル記念行事に出席し、以下の趣旨のスピーチをした。 「私は、唯一の戦争被爆国・日本の責任ある政治家として、また被爆地広島出身の首相として、いかに道のりが遠く厳しくても、『核兵器のない世界』に向けた歩みを着実に進めていきたい。しかし、現在の国際情勢に照らせば、...

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9月12日、長崎県の対馬市で、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定に必要な「文献調査」の受け入れを促進する請願が市議会で採択された。調査に応募するかどうかの最終判断は比田勝尚喜ひたかつなおき市長に委ねられており、27日までの市議会会期中に判断すると見られる。 文献調査は処分場設置に必要な調査の第1段階で、既に北海道の寿都すっつ町と神恵内かもえない村...

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英国は、脱炭素の切り札として原子力利用の政策を鮮明にし、中でも高温ガス炉に着目して、「新型モジュール炉(AMR)研究開発・実証プログラム」を進め、2030年代初頭までに高温ガス炉の実証炉の運転開始を目指している。 日本原子力研究開発機構(JAEA)と英国国立原子力研究所(NNL)のチームが、英国の高温ガス炉実証炉プログラムの基本設計を行う事業者として採択されたことが、7月19日に報じられた。...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    我が国最大級の国立研究開発法人である産業技術総合研究所(産総研)の中国人研究者が、警視庁公安部によって不正競争防止法違反(営業秘密の開示)容疑で逮捕された。  逮捕されたのは権恒道容疑者で、2002年4月から産総研に勤務し、フッ化化合物に関する研究に従事していた。中国人民解放軍と関連がある「国防7校」の一つ、南京理工大学の出身で...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ウクライナ南部のカホフカ・ダムが6月6日に決壊し、ダム下流の広大な地域が洪水に見舞われた。ロシア軍に占拠されている近くの欧州最大のザポリージャ原子力発電所は冷却水をこのダムから取っていた。国際原子力機関(IAEA)は別の貯水池があるので「直ちに冷却に困ることはない」とパニックを抑える声明を出したが、筆者は潜在的にメルトダウン(炉心...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    4月6日、沖縄県の宮古島周辺で陸上自衛隊のヘリコプターUH60JAが墜落し、搭乗していた坂本雄一第8師団長ら隊員10人全員が死亡した。サルベージ船によって引き揚げられた機体の残がいの写真(読売新聞撮影)を観察すると、メインローター(主回転翼)は引きちぎられ、エンジンカバーに刺さっているように見える。フライトレコーダーのデータが5月...

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5月21日から5日間、京都国際会館で開催された第30回原子力工学国際会議に出席した。参加者は約1000人。筆者は、東京電力福島第1原子力発電所の廃炉作業に関するパネルセッションの座長や、格納容器内の放射性物質を濾し取り排気するフィルターベントについての講演を行った。講演の直前に、東北電力女川原発再稼働差し止め訴訟の請求棄却の速報が入り、福島の事故後に進歩した世界の原発安全対策と、旧態依然たる原発反...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    原子力規制委員会は17日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の事実上の運転禁止命令を解除しないことを決めた。テロ対策不備に関して 改善を要求した6項目のうち2項目の改善が不十分との理由だった。  規制委による現在の規制は、かつて米国のSALP(サルプ)という規制手法が許認可権限を振りかざして、全米の原発の大小トラブルに制裁を...

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大型連休前の各紙が九州電力、中国電力、中部電力、関西電力の4社による「電力カルテル」に対する過去最大の1010億円の課徴金を報じていた。「カルテルは電力自由化を骨抜きにする違法行為で、自社の利益を優先したコンプライアンス(法令順守)意識の希薄さを露呈した」「経済産業省は4社の入札参加や補助金交付を停止」「これらの電力会社の管内の県や市の地元自治体入札に参加させない動きが広がっている」と電力会社に厳...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ロシア軍がこの冬、連日のようにウクライナの発電所や送電線にミサイル攻撃を加え、ウクライナの電力インフラを破壊し続けた。厳冬期を乗り切るため、日本も官民が一体となって発電機をウクライナに送ったが、ウクライナ側は「依然として電力不足は厳しい」として、さらなる支援を求めている。  ●「発電機を1万台でも欲しい」  在日ウクライナ...

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日本経済新聞が2月22日夜の電子版「イブニングスクープ」で「核融合、特許競争力で中国首位、未来のエネルギーに布石」との記事を配信し、まるで日本が核融合の分野で大幅に遅れを取っているかのように報じていた。核融合の過去10年間の特許出願を点数化して、1位が中国だと主張している。23日付朝刊にも1面トップで掲載されたこの記事に関して、核融合に詳しい研究者の間で、強い批判のメールが駆け巡った 核融合...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    1月30日から2月2日まで米フロリダ州フォートローダーデールで開催された職業被ばく情報システム(Information System on Occupational Exposure=ISOE、アイゾエ)の北米シンポジウムに参加した。ISOEは、世界の430基を超える原子力発電所の事故・トラブル情報を共有し、原発で働く人たちの職業...

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グリーントランスフォーメーション(GX)とは、地球温暖化や環境破壊などを引き起こす温室効果ガスの排出を削減し、環境改善と共に経済社会システムの改革を行う政策である。この中核を成すのが二酸化炭素(CO2)を出さないグリーンエネルギーで、太陽光や風力などの再生可能エネルギーだけでなく、原子力にもにわかに注目が集まっている。 我が国も、産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会・産業構造をクリーンエネ...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    今年8月、岸田文雄首相は「原子力発電の活用」を指示した。それを受けて経済産業省が11月28日、有識者会議の原子力小委員会で、原子力活用策の方向性と行動計画の原案を提示した。政府のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で年内に最終決定する。活用策は、①安全審査を合格した原子力発電所の早期再稼働②現行法で最長60年とされてい...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    高市早苗内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が昨年の自民党総裁選の時から主張している小型核融合炉の開発戦略を策定する政府の「核融合戦略有識者会議」の初会合が9月30日に開催された。世界の開発競争に負けないように開発投資を急ぐべきだとの意見も一部にあるが、実は核融合炉が商業用発電炉として実用化される見通しすら付いていないことを指摘した...

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10月4日午前、北朝鮮から弾道ミサイル1発が発射され、東北地方上空を通過して約4600キロ飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)外側の太平洋に落下した。我が国の数か所で「Jアラート」(全国瞬時警報システム)による緊急情報発信が行われ、警戒の必要がない地域に誤って発信されたり、ミサイル通過後に警報が出されたりするなど、トラブルが相次いだ。しかし、北朝鮮は水爆をすでに所有し、運搬手段の大型の弾道ミサイ...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ロシア軍に占拠されたウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所が非常に危険な状態になっている。事態を深刻にとらえた国際原子力機関(IAEA)は、グロッシ事務局長が自ら現地に乗り込み、居座るロシア軍とザポリージャ原発の現状の調査に乗り出した。  ●メルトダウンの危険  ザポリージャ原発はロシアのウクライナ侵攻開始から間もない3...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ロシアのウクライナ侵略に対する西側諸国の経済制裁とロシアの報復により、石油、天然ガスをはじめとするエネルギー価格が高騰する中で、電力需給は今冬へ向けて厳しい状況が続く。エネルギー資源を持たない我が国にとって、原子力発電所の最大限の活用は国家存続の唯一の選択肢である。岸田文雄首相が次世代型原発の開発・建設の検討を指示するなどエネルギ...

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「日本学術会議こそ学問の自由を守れ」と題した2020年10月5日付の「今週の直言」は大きな反響を呼んだ。学術会議は大学での軍事研究に反対して2016年9月に設立された「軍学共同反対連絡会」に牛耳られている。憲法9条の改正に反対する「九条科学者の会」の呼び掛け人の1人で名古屋大学名誉教授の池内了氏らが連絡会の共同代表を務める。船底に空気泡を注入すると船の推進抵抗が削減されるという北海道大学のM教授の...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    電力需給は今冬へ向けて厳しい状況が続く。岸田文雄首相は今月、冬までに最大9基の原子力発電所を再稼働するよう指示を出したが、電力会社が航空機テロ対策の工事を終えて再稼働することを決めている原発も含むので、新味に乏しい。しかも、対象となる原発は西日本のものに限られ、電力需給の逼迫ひっぱくが特に懸念される東日本の原発が入っていない。 ...

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国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    6月下旬の35度を超える酷暑の中で、東京電力管内に電力需給逼迫ひっぱく注意報が連日発令された。寒波が到来した3月に一段上の「警報」が出されたのに続く事態だ。電力が不足する根本的な原因は、静岡県の浜岡原子力発電所から北の多数の原発が再稼働していないことにある。つまり、原発への依存度をできる限り減らし、不安定な太陽光などの再生可能エネル...

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ロシアのウクライナ侵攻を機に、欧州はエネルギー政策の大幅な見直しを迫られている。中でもドイツでは、メルケル前首相により石炭火力や原発に依存しないグリーンエネルギー政策を採ってきたことが、ここにきて大きく響いている。 一方のロシアは、短期のウクライナ占領には失敗したが、西側の経済制裁はしのいでいる。多くの経済学者が「ロシアはすぐにデフォルト(債務不履行)に陥り、経済破綻する」と言ったが、現実は...

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国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    札幌地裁が5月31日、北海道泊村にある北海道電力泊原子力発電所1~3号機の運転差し止めを認める判決を出した。東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故後、各地で原発の運転差し止めや設置許可取り消しを求める訴訟が起こされたが、いずれも上級審で覆っている。今回の原告も「脱原発弁護団全国連絡会」の支援を受けた「日本国内又は海外に居住する...

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国際原子力機関(IAEA)の要請により小型量産型原子炉(SMR)の規格や効率的な設計・製造の技術に関するオンラインの国際会議に急遽参加した。会議は5月10日から13日にかけてウイーンのIAEA本部で開かれ、世界から約70名の専門家が参加したが、なんと筆者は初日のプレゼンに指名された。 SMRを設計・建設するうえで、安全性と信頼性の確保と大幅なコストダウンは欠かせない。そのためのCodes a...

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欧州はロシアの天然ガスと石油に依存しており、現在も輸入を続けている。もしもロシアが欧州向けの天然ガスのバルブを閉めれば、ドイツをはじめ欧州の国々のエネルギー源は断たれ、大停電が発生して産業と経済は大打撃を受ける。ドイツは2022年中に脱原発を完了すると言っているが、自国の石炭エネルギーに戻るだけだ。フランスをはじめ欧州連合(EU)各国が原発の建設を急ぐとしているが、建設には4、5年かかる。我が国で...

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ロシアが核兵器で恫喝する中、ウクライナ侵略と市民の虐殺が続いている。国連も北大西洋条約機構(NATO)もこの暴虐を止める術がない。せいぜいドローンや対戦車ミサイル、地対空ミサイルなどを供与するに留まっている。 そうした中で、ウクライナのマリウポリでは、アゾフスタリ製鉄所の地下に築かれたシェルターがウクライナ軍の抵抗拠点になっているが、永世中立国のスイスは、全国民を収容できる核シェルターの設置...

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ロシアの核兵器の恫喝のなかで、ウクライナに対する侵略と市民の虐殺が続いている。国連常任理事国のロシアや中国の同意が無ければ、安全保障理事会は機能しないことが証明された。まさにやりたい放題である。ロシア軍は原子力発電所へも侵入、制圧しており、核不拡散防止条約(NPT)体制も、脆くも破壊された。日本海でもロシアは軍事訓練を活発化しており、平和ボケした日本はこのロシア侵略の危機に覚醒すべきだ。 フ...

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ロシアのウクライナを侵略から1カ月余り、プーチン大統領は「我々は最強の核大国の一つ」と西側諸国を恫喝しながら、侵略開始早々、核戦力を「特別警戒態勢」に置くように命じ、すでに作戦部隊を展開している。また、小型の戦術核使用もほのめかして状況をエスカレートさせ、西側を牽制している。ウクライナへの支援を弱める意図も読み取れる。西側の軍事専門家は、ロシアが生物化学兵器を使用する可能性についても指摘している。...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    2011年3月の東京電力福島第一原発事故以降、我が国は太陽光発電を中心とする再生可能エネルギー優先政策を推進してきた。しかし、太陽光や風力発電は変動電源と呼ばれ、出力低下を補うために火力発電所が需給調整をしている。これでは、二酸化炭素の排出を効果的に減らすことはできないし、需給調整がうまくいかないと大停電を引き起こしかねない。3月...

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天然ガスや石油の価格はロシアのウクライナ侵攻でさらに高騰を続けている。欧米諸国や我が国もロシアに対する経済制裁を強化しているが、プーチン大統領は、欧州への天然ガス供給バルブを開閉する権利は、ロシアにあると明言している。欧州は天然ガスの約4割をロシアに依存しており、ロシアにより天然ガスの供給が絶たれると国の経済や産業活動が破綻する。我が国も天然ガスの約10%がロシア産で、日本の経済制裁に対してロシア...

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ロシアのウクライナ侵攻に伴い、脱炭素を主眼とする欧州のエネルギー政策が大幅な見直しを迫られている。欧州連合(EU)の脱炭素政策を主導してきたドイツは、メルケル前首相により脱原発政策と太陽光や風力発電による再生可能エネルギー優先の政策を十年以上にわたり強力に推進してきた。その一方、発電出力が低下した際にその谷を埋めるための火力発電の燃料を自前の石炭からロシアから供給される天然ガスに挿げ替えることで、...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    3月4日未明、ロシア軍がウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所の敷地内に侵入し、同原発を制圧した。ここはウクライナにある原子炉15基のうち6基を持ち、合計出力600万キロワット(kW)の欧州最大の原発だ。ウクライナでは電力の51%を原発が供給している。ロシアはウクライナの石油施設や天然ガスパイプラインも攻撃しており、国内のエネル...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    参議院の「資源エネルギーに関する調査会」に参考人として招かれ、国基研のエネルギー問題研究会による政策提言「脱炭素の答えは原発活用だ」(令和3年4月12日)の基になった具体的なデータを用いて意見陳述をした。エネルギー問題研究会は、気候変動枠組み条約の交渉に加わった有馬純東大特任教授らの参加を得て、工学分野だけでなく、経済、防衛の視点...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が原子力発電への投資を促進する方向を打ち出したのに対し、脱原発を主張する小泉純一郎氏ら日本の元首相5人が「(原発事故で)福島の多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる」との書簡を欧州委のフォンデアライエン委員長宛てに1月27日付で送った。5人は小泉氏のほか、菅直人、鳩山由紀夫、細川護熙、...

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岸田文雄内閣の「グリーン成長戦略」が、「クリーン成長戦略」に変わった。「グ」と「ク」では1文字違うだけだが、ドイツやスペインなどの太陽光や風力発電では、効果的にCO2を減らすことができないことは、昨年英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)までの世界の壮大な実証試験で明確になった。 また、東芝、日立、パナソニックなどが、事業の一部を中国などに切り売りして...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    英グラスゴーで昨年開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では「脱石炭」に40カ国余りが合意したが、中国や東南アジアで建設中の石炭火力発電所は200カ所に迫る。一方、天然ガスや原油の値上がりは著しく、深刻な電力不足とエネルギー価格の高騰が欧州経済に影を落としている。我が国も事情は同じだ。ドイツをはじめとして...

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英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、「脱石炭」が議論の焦点になり、40カ国余りが合意した。しかし、現在、アジア地域で建設中の石炭火力発電所は200カ所に迫り、インドでは28カ所、中国では95カ所、インドネシアでは23カ所に上る。これら新規の石炭火力発電所は、今後何十年にもわたりCO2を排出し続ける。これを先進国の論理で否定するのは不可能で、このままで...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    岸田文雄首相は11月2日、英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に出席し、アジアなどの脱炭素化に最大100億ドル(約1兆1000億円)の追加支援を表明した。しかし動画を見る限り、スピーチを行った会場は閑散としていた。会議ではむしろ「脱石炭」が議論の焦点になり、40カ国余りが合意したが、太陽光...

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