公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

三好範英の記事一覧

 昨年(2017年)9月24日の総選挙以来、5カ月余り続いてきたドイツの政治空白に3月4日、終止符が打たれた。社会民主党(SPD)の党員投票でキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との「大連立」が承認されたことから、ようやく3月14日、メルケル第4次政権が発足する運びとなった。  ただ、この間、断続的に続いた連立交渉はドイツ社会の亀裂の深さを露わにした。CDU・CSUとSPDの執行部間では、...

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 ドイツのメルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)が大連立に向けて正式交渉に入ることで合意し、SPDは1月21日、党大会でも正式交渉入りを承認した。昨年9月24日の連邦議会(下院)選挙から4か月以上が経過して、ドイツは、やっと新政権発足に向け前進し始めた。  ただ、第4次メルケル政権発足の道筋が、これで固まったと楽観出来ないところに、今のドイツ政治の危...

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 ドイツの連邦議会(下院)総選挙は9月24日に投開票が行われ、メルケル首相が政権継続を確実にした。選挙結果の詳細についてはすでに各種メディアで報じられているので、ここでは繰り返さない。  私は9月6日から29日までドイツに出張し、現地で取材した。投票日の前日、ベルリンのある私的なパーティーの席で会った旧知の女性(博士号を持つドイツの某文化機関の幹部)は、顔を見合わせたなり、「ひどい選挙だ」と繰り...

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 マティス米国防長官による北大西洋条約機構(NATO)支持の発言にもかかわらず、トランプ政権の安全保障政策への懸念から、ドイツで米国の核の傘に頼らない核抑止力を持つべきかどうかの議論が起きている。日本と同様、平和主義の傾向が強いドイツでの核論議は、トランプ政権の政策次第では欧州での安全保障環境が大きく変わる可能性を示している。  ドイツを代表する週刊誌シュピーゲル(電子版)は、昨年11月の米大統...

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 トランプ米新大統領の一挙手一投足に世界の注目が集まる中、最も強い懸念を持って見ているのが東欧諸国(バルト3国を含む)だろう。果たして米国はこの地域の安全保障にこれまで通りの明確な関与を約束してくれるのか――。  欧州連合(EU)加盟国の政治家17人が1月10日、トランプ氏に書簡を送り、新政権スタート後も米国は「対ロシア制裁を継続し」「ウクライナの分割を受け入れてはならない」と訴えた。書簡には、...

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読売新聞編集委員 三好範英    欧州連合(EU)離脱を巡る英国民投票で、他のEU加盟国はそろって英国の残留を望んでいた。離脱決定により大陸欧州に激震が走ったといっても誇張ではない。ドイツのメルケル首相は声明で、「英国民の決定はとても残念。今日は欧州統合プロセスにとっての転機」と率直に表明した。言葉に力はなく、あたかも求愛が片思いだったことが分かって途方に暮れる恋人のような趣があ...

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