公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

遠藤浩一の記事一覧

国基研企画委員・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一    11月4日、「安倍政権発足10か月――集団的自衛権と日本の防衛」と題して、谷内正太郎(内閣官房参与)、佐藤正久(自民党参院議員、前防衛政務官)、渡辺周(民主党衆院議員・元防衛副大臣)、櫻井よしこ(国基研理事長)、田久保忠衛(同副理事長)各氏によるシンポジウム(国基研会員の集ひ)が行はれた。詳報は他に譲るとして、ここではエッセ...

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国基研企画委員・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一    6月23日の東京都議会議員選挙で自民党と公明党が立候補者の全員当選を果たし、過半数(64議席)をはるかに超える82議席(自民59議席、公明23議席)を確保、圧勝した。民主党は改選前の43議席から15議席に激減し、第4党に転落してしまつた。日本維新の会は2議席と苦戦したが、みんなの党は躍進して7議席を確保した。共産党は改選前の...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 逆転劇で自民党新総裁に安倍晋三元首相が選出されたことに関して、「地方票の軽視」とか、甚だしきは「民意の無視」といつた批判が一部から出てゐる。 同氏への攻撃を社是とする一部マスメディアはともかく、自民党の地方組織幹部までが怒りをあらはにして辞表を叩きつけるといふ事態はいただけない。自民党員諸賢は、もう少し冷静になつたはうがいい。 国会議員の...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 消費税率引き上げを柱とする「社会保障・税一体改革関連法案」の与野党の修正合意を見届けて、17日夕、野田佳彦首相は20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため羽田空港を飛び立つた。 英国のエコノミスト誌は「過去数代の自民党首相の業績を足したよりも大きな仕事を成し遂げようとしてゐる」と大絶賛だとか。何も決められなかつた日本が増税に向けて一歩を踏み...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 自民党の石原伸晃幹事長が訪中を延期した。 父親である石原慎太郎東京都知事による尖閣諸島購入表明で、講演を予定してゐた上海の大学が受け入れに難色を示したからと伝へられる。伸晃氏は「頑固オヤジが暴れてゐるので、延期することになつた」(19日)と、父親のせゐで取り止めになつたと言はんばかりの口吻こうふんだが、慎太郎氏にぼやくのではなく、突然「来るな」...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 野田佳彦首相は、またも判断を誤つた。 衆議院議員選挙区画定審議会(区割審)の勧告が期限の2月25日までに提出されず、衆議院は「違法状態」になつた。藤村修官房長官は「解散権が縛られるといふ規定はどこにもない」(22日)と強がつてゐるが、かうした事態は前代未聞で、民主党の藤井裕久税制調査会長が断言したやうに「選挙は絶対できない。できるはずがない」(...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 「田中直紀防衛相」に唖然とした国民は少なくないと思ふ。唖然どころか、筆者は呆然とした。 奇妙奇天烈な防衛相人事 「社会保障と税の一体改革」を進めるために内閣改造を断行し、解散まで示唆し始めた野田佳彦首相だが、国防・安全保障の立て直しもそれに匹敵する、いや、それ以上に重大な政策課題である。前者については、岡田克也元外相を副総理格で入閣させること...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一   民主党の新代表、すなはち次の首相に野田佳彦財務相が選ばれた。 事前の予想では、小沢一郎、鳩山由紀夫といふ二人の元代表の支持を取り付けた海江田万里経済産業相が有利と見られてゐた。実際、海江田氏は一回目の投票で一位となり、野田氏に41票差をつけたが(海江田氏143票、野田氏102票)、決選投票では38票差で敗れた(野田氏215票、海江田氏177票...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 ここで「策士策に溺れる」といふ諺を持ち出せば、諸葛孔明は苦笑し、曹操は舌打ちするに違ひない。菅直人氏の策はあまりにも浅ましく、小汚かつた。 が、それも、わづか一日で破綻した。そのうち辞めるから不信任案に賛成しないでくれと民主党代議士諸侯に泣きついておいて、不信任案が否決されたと見るや、言を左右にして居座りを図らうとする。これで一気に党内外の反菅...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 4月17日午後、東京電力の勝俣恒久会長は福島第一原子力発電所の事故収束に向けた工程表を発表し、原子炉の冷却機能を本格的に復旧させ安定した状態を回復するまでに6~9か月の期間が必要だとの見通しを示した。 一定の見通しが示されるやうになつたこと自体は、事故処理の前進を示すものと受け止めていいだらう。命懸けで作業を進めてゐる現場の皆さんに、一国民とし...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 民主党の親小沢系と目される比例選出衆院議員16人が、「民主党政権交代に責任を持つ会」なるグループを結成し、衆院会派からの離脱を願ひ出た。「菅政権に正統性なし!」と威勢はいいものの、党籍はそのままで、一昨年の衆院選で掲げたマニフェスト実現に取り組むのださうな。 中山義活経済産業政務官や松原仁衆院議員らも「2009年マニフェストへの原点回帰」を要請...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 今回の内閣改造及び党役員人事の中身は、①仙谷由人、馬淵澄夫の両〝問責大臣〟及び反日デモ参加を反省しない岡崎トミ子国家公安委員長の更迭、②しばらく前まで「民主党が日本経済を破壊する 」と広言してゐた与謝野馨氏の閣内取り込み、の二つである。あとはそれに付随する〝玉突き人事〟でしかない。さうさう、〝玉突き〟の余波で、参院議長を務めた江田五月氏が法相に就任す...

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国基研理事・拓殖大学大学院教授 遠藤浩一 「有言実行内閣」との触れ込みで発足した菅改造内閣だが、何を実行しようとしてゐるのか、よく分からない。まづ、政略的に中途半端だ。世間では「小沢外し」とか「脱小沢」とか騒がれてゐる。 確かに「挙党一致」といふには偏りが目立つけれども、さりとて本気で小沢グループと袂たもとを分かち、政界再編に踏み出さうとする布陣にも見えない。 菅直人首相及びその...

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国基研理事・拓殖大学教授 遠藤浩一 民主党の獲得議席は44。改選議席を10も減らした。政権交代から1年足らずで、事実上不信任を突き付けられたと見るべきだろう。平成15年の「民由合併」以来、比例選挙では2100万票以上を獲得してきたが、今回それを大きく割り込んだ(1845万票)。実際に政権を担当させてみて、「未知への期待」が萎えてしまったということだ。「民主党バブル」は弾けつつある。 一...

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国基研理事・拓殖大学教授 遠藤浩一 おそらく清水の舞台から飛び降りるくらゐの覚悟だつたに違ひない。自民党は参院選のマニフェストに消費税率 10%引き上げを明記した。民主党の出方如何によつては、この消費税増税問題が争点となる筈だつた。さうなれば自民党は民主党に対して「財源無きバラマキ」と批判し、攻勢を強めることができただらう。 ところが民主党はスルリとこの問題を回避した。マニフェストに「...

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国基研理事・拓殖大学教授 遠藤浩一 民主党が「マニフェスト」(政権公約)を安易につくり、安易に反故ほごにしたせゐで、この言葉に負のイメージが付いてしまつた。で、今度は「アジェンダ」(行動計画)が流行の兆しを見せてゐるのださうな。また横文字といふのは気に入らないが、政党や政治家が、その政策や行動に関する真剣な約束を求められてゐるといふ本質に変はりはない。 「みんなの党」は疑似民主党? ...

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国基研理事・拓殖大学教授 遠藤浩一 平沼赳夫氏が与謝野馨氏らと組んで設立した新党「たちあがれ日本」に対する冷笑的なコメントや腰の退ひけた対応が目につく。自分も疾とうに70歳を超えた人が「立ち上がるにはギプスと杖つえが2、3本いるのとちやいますか」(谷川秀善自民党参議院幹事長)などと嘲あざけるのは見苦しい。 無視できない2割の評価 読売新聞の世論調査によると、新党に対して「期待する」と...

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国基研企画委員・拓殖大学教授 遠藤浩一 民主党は圧勝し、自民党は壊滅的敗北を喫した。わが国は、かつて経験したことのない政権交代劇に直面することとなる。それも、有権者自身の意思によつて。 今年に入つて、ミニ統一地方選挙や東京都議選などで「現職」が落選する事態が続出した。今回の自民党惨敗も、言つてみれば、「現職」に対する不信任である。実績の否定であり、その実績を前提として引き続き政権を委ね...

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