唐木英明の記事一覧
日本学術会議の唯我独尊 唐木英明(東京大学名誉教授・日本学術会議元副会長)
岸田文雄首相は日本学術会議会員の選出方法を改善するための法案提出を先送りした。学術会議の激しい反対に配慮したものだ。学術会議は政府機関で会員は特別職国家公務員であり、定員210名、任期6年で3年ごとに半数を改選する。法案成立が遅れるため、今年予定される改選は批判のある現行方式のまま行われる。 ストップした自己改革 会員の選出方法はこれまでに何度も変わった。当初は科学者による選挙だったが...
第6波迎えたオミクロン株の正体 唐木英明(東京大学名誉教授)
南アフリカ政府は昨年11月25日にオミクロン株(以下OM)による感染を発表し、世界保健機関(WHO)は「懸念すべき変異株」に指定した。南アでの新規感染者は12月14日にピークに達し、過去最大だった週13万人を超えて16万人に達した。しかし死者は過去最大の週4000名より少ない1000名だった。流行は1月末の収束が予測されている。 OMの特徴は感染力が強くワクチン接種者も感染するが、流行はこれ...
【第748回】新型コロナ対策を抜本的に見直すべきだ
東京大学名誉教授 唐木英明 新型コロナウイルス対策には多くの問題がある。実は早い段階から、新型コロナの感染性と重症度はインフルエンザと大きく変わらないことが分かっていた。また、日本では欧米に比べて感染者と死者が極めて少なく、欧米のような厳重な対策は不要である。にもかかわらず、感染症法上「2類」相当という危険性が高い分類にしてしまった。 ●弊害を生んだ高リスク感染症扱...
【第730回】日本学術会議は民営化して出直せ
日本学術会議元副会長・東京大学名誉教授 唐木英明 日本学術会議(日学)は連合国軍総司令部(GHQ)内の左派の支援により1949年に国の機関として発足した。初代会員選出では激しい選挙運動が展開され、共産党シンパの研究者が多数当選し、政府と対決するその後の方向が決まった。50年にGHQはレッドパージを実施したが、日学に影響はなかった。 ●改革進まず反政府に先祖返り ...