色摩力夫の記事一覧
2013.08.26 (月)
【第209回】集団的自衛権と安保条約の義務
国基研客員研究員・元チリ大使 色摩力夫 集団的自衛権は国際法の概念である。「わが国は集団的自衛権を有するが、憲法上その行使は許されない」という政府見解は、国内法(憲法)と国際法(国連憲章)とに関わる問題を取り上げながら、国内法の論理のみで推論している。しかし、その憲法自体が第98条2項で国際法の遵守に触れている以上、国際法との整合性にも配慮する必要があるだろう。 国...
2013.04.22 (月)
【第190回】主権と相いれない「交戦権の否認」
元チリ大使・国基研客員研究員 色摩力夫 1952年4月28日に対日平和条約が発効して、わが国は主権を回復した。この時点で、われわれ日本国民は自主的な憲法の制定に取りかかるべきだった。ところが、為政者も国民も無為のまま今日に至っている。後世の子々孫々に思いを致すと、このような怠慢は誠に慚愧に堪えないところである。 間もなく主権回復記念日を迎えようとしている。政府主催で...