櫻井よしこの記事一覧
【第763回】北京五輪の開催地変更を求めよ
国基研理事長 櫻井よしこ 国際平和と友好の象徴、スポーツの祭典とされながら、五輪はいつも高度に政治利用されてきた。いま留意すべきは、約1年後、北京冬季五輪の成功を介して勢力拡大を目指す中国共産党政権の目論見である。 東京五輪・パラリンピック組織委員会前会長、森喜朗氏の発言への内外の激しい反発は、北京五輪に敷衍ふえんして考えてこそ、意味がある。「女性の多い会議は時間がかか...
【第755回】自由世界の勝利へ日本は戦え
国基研理事長 櫻井よしこ 四海波高し。米中両大国の常軌を逸した振る舞いで幕を開けた今年、国際社会の直面する危機は尋常ではない。危機の本質は、世界が膨張する中国に飲み込まれることだ。 その中で日本がどのように自由陣営に貢献できるかを問うときだ。私たちはかつて列強の脅威に耐え抜いた。今回、中国共産党の脅威をかわし、世界に日本の道を示せるか。現在の危機は黒船来航から始まった1...
【第714回・特別版】獅子奮迅の働き、安倍氏に感謝
国基研理事長 櫻井よしこ 病を得た安倍晋三首相は13年前、崩れ落ちるように政権の座から去った。だが現在の首相は見違えるようだ。病を抱えながらも強く立ち続けている。辞任に先立って、予見し得る日本国の危機に対する手も講じていた。実力者として今後の日本を睥睨へいげいするかのような頼もしさが窺うかがえる。首相は退いても自民党の中心軸であり続けるだろう。 ●退任後への見事な目...
【第703回】他者を想う日本人の心を取り戻そう
国基研理事長 櫻井よしこ 4月7日に安倍晋三首相が緊急事態宣言を発出したとき、日本国民は立派に行動した。政府の宣言には強制力も罰則もなく、要請するだけの建て付けだ。国は国民と対立する悪しき存在であり、最小限の権力さえ与えないのがよいとする現行憲法の精神を色濃く反映した結果である。 国の建て付けとは正反対に、日本国民の圧倒的多数が首相の言葉を正面から受け止め、本来の日本国...
【第679回】感染爆発回避した日本人の力
国基研理事長 櫻井よしこ 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、日本人は戦いの第一段階で感染爆発を回避し、ウイルスを抑制することができた。西村康稔新型コロナ担当大臣は5月8日、インターネット番組「言論テレビ」で「日本人の力」を賞賛した。 安倍晋三首相が緊急事態宣言を発出したのは4月7日だったが、それに先立って西村氏はどのようなメッセージを国民に送るか、首相と熱く議論したと...
【第672回】利他の心でウイルスに勝てる
国基研理事長 櫻井よしこ 東京、大阪等、諸都市の新型コロナウイルス感染拡大に直面して、4月7日、安倍晋三首相が戦後初めての緊急事態宣言を発出した。日本国の在り方が試される究極の局面だ。 欧米メディアがわが国の緊急事態宣言に効力がないと批判したのは、同宣言は政府にも自治体の長にも命令権をほとんど与えない内容だからだ。例外は臨時の病院施設を作る場合、土地所有者に要請の上、強...
【第650回・特別版】習氏に勝った台湾の民意
国基研理事長 櫻井よしこ 鮮やかな勝利だった。台湾総統の蔡英文氏は史上最高の817万余票、57%強の得票率で再選された。中国国家主席、習近平氏が台湾に強要を試みた「中台統一」と「一国二制度」は、台湾の民意に完膚なきまでに否定された。 1年前の1月2日、習氏が「統一は必然」であり「実現されなければならない」と語ったとき、蔡氏は直ちに「絶対に受け入れない」と拒否した。有権者...
【第646回・特別版】日本の乏しい危機認識を憂う
国基研理事長 櫻井よしこ 令和の時代の日本は、国家の基本にまつわる重要かつ困難な課題をひとつまたひとつと解決していかなければならない。パクスアメリカーナ(米国による平和)の下で労せずして平和の配当を得た平成の30年間とは対照的に、私たちは自らの手で日本国と国民、国益を守る力を養わなければならない。 令和元年は北朝鮮による断続的なミサイル発射で始まった。2年は米国によるイ...
【第636回・特別版】日韓関係を蝕む「反日種族主義」
国基研理事長 櫻井よしこ 日韓両国でベストセラーとなっている『反日種族主義』(文藝春秋)の著者で、元ソウル大学経済学部教授の李栄薫氏と対談した。 李氏の言う反日種族主義とは、歴史の事実、合理的思想、理性のいずれとも無関係の幻想を指す。韓国人は、国として、社会として、民族として、問題に直面する度に、諸悪の根源は日本であり、日本ゆえに朝鮮民族の苦難が生じると考え、日本非難を...
【第613回・特別版】萩生田氏批判の背景に「戦後病」
国基研理事長 櫻井よしこ 7月26日、私の主宰するインターネット番組「言論テレビ」に自民党幹事長代行の萩生田光一氏が出演した。 30日の朝日新聞で大久保貴裕記者が「(萩生田氏は)憲法改正の議論加速を図る『憲法改正シフト』の布陣を敷く文脈で大島理森衆院議長の交代論に言及した」「政権幹部は…『議長の人事に口を出すなど処分ものだ』と怒りをあらわにした」などと報じた。 また...
【第572回】日印戦略協力を推進せよ
国基研理事長 櫻井よしこ 2月上旬、ニューデリーでインドのビベカナンダ国際財団(VIF)と「不確実な時代における日印パートナーシップ」と題されたセミナーを行った。それに先立って国家基本問題研究所代表団は、モディ首相の国家安全保障顧問を務めるアジット・ドバル氏らとの意見交換、インド工業連盟(経団連に相当)との対話に臨んだ。 私たちを迎えたインドの人々には熱気が溢れていた。...
【第565回】今年をチャンスの年にしよう
国基研理事長 櫻井よしこ 日本の覚悟次第だが、今年は好機の年となる。国の在り方を根本から問われる幾つもの切迫した課題に押し込まれるのではなく、果敢に挑戦することによって、好機の年は実現する。日本の運命を決するのはあくまでも日本自身だと痛感する。 トランプ政権の米国の動向は予想しかねる要素はあるが、戦後約70年間、米国に大きく依存した安全保障の在り方がもはや通用しないこと...
安倍政権のエネルギー政策は菅直人政権と瓜二つではないかー櫻井よしこ
http://www.sankei.com/premium/news/180806/prm1808060008-n1.html...
【第505回・特別版】政治家は改憲の歴史的使命を果たせ
国基研理事長 櫻井よしこ 3月25日の自民党大会が発した本質的な問いは、危機に当たってわが国の政治家、政党、メディアには、国と国民を守る気概はあるのかということだった。 安倍晋三自民党総裁(首相)は憲法改正を強く訴え、「憲法にしっかりと自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打つ」よう呼びかけた。党大会で、財務省の文書書き換え問題などをめぐって首相の責任を問う声はほとんど...
【第490回・特別版】明治150年、先人の英知に学べ
国基研理事長 櫻井よしこ 新しい年、平成30年は、日本のみならず世界にとって大きな分岐点となる年だ。伝統的な米国の価値観と中国のそれがより顕著にせめぎ合う年と言ってよいだろう。日本の命運も大きく左右される変化の前で、あらゆる国のあらゆる人材が力を尽くす1年になる。国基研にとっては、創設以来掲げてきた憲法改正の実現に向けて、果敢に提言し続ける1年でもある。 ●米国...
【第473回・特別版】天晴れ、高市氏の正論主張
国基研理事長 櫻井よしこ 「国会議員になって驚いたのは、起きてほしくないことは起きないという前提で議論する政治家がいたこと」。これは安倍晋三首相の側近の一人、高市早苗前総務相の言葉だ。何でも起き得るのが国際政治の現実であり、政治家はそのために常に国際情勢に正対し、予断や希望的観測を排しなければならない。それが出来ない政治家が多いという高市氏の苦言は、この瞬間の日本の現状にあ...
【第471回】リベラル色濃い希望の党
国基研理事長 櫻井よしこ 「ドナルド・トランプ米大統領のアジア歴訪が終了する11月中旬以降、米軍の準備が整えば、北朝鮮問題で何が起きても驚かない」と、政府要人が現状を分析した。 日本も極東も、高まり続ける緊張の中にある。10月22日の総選挙後に成立する内閣は、北朝鮮有事、中国の野望、米国の対日政策の変容に対応し、物理的、法的に国防力の強化を進めなければならない。 ...
【第446回】映画『軍艦島』の韓・独による悪宣伝を看過してはいけない
国基研理事長 櫻井よしこ 6月15日、韓国の映画監督、柳リユ昇スン完ワン氏がソウルで記者会見を開き、映画『軍艦島』の完成を報告した。7月下旬封切りの同作品は、「軍艦島に強制徴用された朝鮮人たちが命がけで脱出を図ろうとする過程」を描いたものだという。 柳氏は、「強制徴用の苦しみ」を「現在の韓国映画で作り得る極限ラインに挑戦」し、「映画的想像力を加味」して製作したと語る。配...
【第445回】沖縄メディアの歪みに挑戦する八重山日報
国基研理事長 櫻井よしこ 長年、沖縄の言論空間は地元の2大紙、琉球新報と沖縄タイムスによって歪められてきた。偏向報道の旗頭としか呼びようのない2大紙が95%のシェアを握る沖縄本島に、4月1日、八重山日報が参入した。 石垣島を中心とする八重山諸島で発行されてきた同紙は2大紙と対照的な保守系新聞で、産経新聞の記事を大幅に取り入れている。年内に5000部の購読獲得が目標で、す...
【第439回】改憲へ向けた首相の重い政治判断
国基研理事長 櫻井よしこ 停滞の極みにある憲法改正論議に5月3日、安倍晋三首相が斬り込んだ。①2020年までに改正憲法を施行したい②9条1項と2項を維持しつつ、自衛隊の存在を明記する規定を追加したい③国の基もといは立派な人材であり、そのための教育無償化を憲法で担保したい―という内容だ。 ●「政治は結果だ」 9条1項は、平和主義の担保である。2項は「陸海空軍その他...