久保田 るり子の記事一覧
尹錫悦政権は日韓関係を改善できるか 久保田るり子(産経新聞編集委員)
5年ぶりの韓国保守政権が日韓関係を好転させるかどうかは、実は韓国の国内政治にかかっている。 華やかな大統領就任式で「自由民主主義の韓国を再建する」と演説した尹錫悦氏だが、尹氏の就任時支持率は異様に低い。各種世論調査で最低は41%、高くて50%台前半。歴代政権のスタート時に比べ約30ポイントも低い。韓国は文在寅前政権で左派勢力がさらに根深く社会に浸潤した。尹政権にとって、いわゆる慰安婦や徴用工...
〝反日駐日大使〟にアグレマン出すのか 久保田るり子(産経新聞編集委員、國學院大學客員教授)
韓国の文在寅大統領は日本が菅義偉首相に代わったのを機に日本に揺さぶりをかけようとしている。大統領特使として先月上旬、朴智元・国家情報院長を日本に送り込んだのをはじめ、下旬には、反日の急先鋒として名高い姜昌一・韓日議員連盟名誉会長を駐日大使として指名した。朴氏は日本側に1998年の「金大中・小渕恵三宣言」(日韓パートナーシップ宣言)のようなものを提案し、来年の東京五輪への協力も申し出た。しかし韓国...
文政権が究極の北寄りシフト 久保田るり子(産経新聞編集委員、國學院大學客員教授)
韓国総選挙の与党圧勝で政治基盤を盤石に固めた文在寅政権が7月3日、北朝鮮担当の閣僚や大統領府幹部を総入れ替えする人事を発表した。その陣容は、親北、従北の勢ぞろいで、まるで「北朝鮮の御用聞き」といった布陣である。 文政権は年内の米朝首脳会談再開に向けて、仲介の働きかけを続けているとされるが、北朝鮮ナンバー2の金与正第1副部長の指令一下、南北共同連絡事務所を爆破され、窮地に陥っている。文大統領...
韓国保守が突き付けられる深刻な課題 久保田るり子(産経新聞編集委員・國學院大學客員教授)
韓国ギャラップ社の最新世論調査(5月8日発表)で文在寅大統領の支持率は71%と急上昇した。70%を超えたのは2018年7月以来である。 就任3周年を迎えた5月10日の特別演説で文氏は「世界をリードする韓国」をキーワードに熱弁をふるった。また、国の疾病管理本部を「疾病管理庁」に格上げし、国立感染症研究所を設立すると自ら発表するなど「新型コロナウイルス制圧」で手にした高支持率を背景に「公衆衛生体...
北の非核化には「恐怖のシナリオ」しかない 久保田るり子(産経新聞編集委員、國學院大學客員教授)
北朝鮮が小規模な軍事挑発を始めた。ベトナム・ハノイでの米朝首脳会談が事実上の決裂で終わったことへの不満の表れだ。4月17日の戦術誘導兵器発射に続いて、5月4日には、短距離飛翔体数発を東海岸の元山付近から北東方向に数発を発射した。 北朝鮮とすれば、国連安保理制裁に抵触しないぎりぎりの範囲で、米国の非核化要求にも「譲歩しない」ことをアピールし、情勢が緊張局面に戻り得ると「警告」したつもりだろう。...
トランプの対北合意は最悪の選択 久保田るり子(産経新聞編集委員)
トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に騙された。2人だけの首脳会談で何が語られたかは不明だが、いとも簡単に金正恩氏を「信頼に足る人物」と見込んだ理由は、ついに明かされなかった。 一方、金正恩氏はトランプ氏の横で殊勝にうなずくだけで、以下10項目を手に入れた。 ① 米韓合同軍事演習の中止 ② 将来の在韓米軍撤退への米大統領の言及 ③ 対北制裁網の足並みの乱れ ④ CVID(...
日米で「拉致」解決目指す重要さ 久保田るり子(産経新聞編集委員)
日米首脳会談の日本側の課題は①非核化プロセスに関する認識のすり合わせ②日本人拉致問題に対する米国の立場の確認-である。しかし、5月または6月初旬に開かれる予定の米朝首脳会談における拉致問題の取り上げ方は簡単ではない。史上初の米朝間のトップ会談という機会をとらえ拉致問題を解決へ導く妙手はあるのか。 横田めぐみさんが拉致されて昨年秋で40年が経過した。昨年9月、トランプ大統領は国連総会の演説で拉...
文政権が仕組み、北が乗る政治劇 久保田るり子(産経新聞編集委員)
米ホワイトハウスに金正恩氏のメッセージを伝えた鄭義溶・国家安保室長ら韓国の訪朝団は、北朝鮮の代理人そのものだった。彼らは、金正恩氏が「善人に変身した」と説明行脚に余念がない。実に奇妙な光景だ。 訪朝時に韓国メディアを同行しなかった彼らは、金正恩氏の前で全員が首を垂れてメモを取り、その様子が北のメディアから世界に配信されて恥をかいた。しかし、彼らが伝える金正恩氏の言葉はどこまで正確なのか、韓国...
文政権の反日ポピュリズムを甘くみるな 久保田るり子(産経新聞編集委員)
日韓合意に対する韓国・文在寅政権の態度は欺瞞に満ちている。世論調査では90%以上の日本人が「納得できない」と拒否感を明示したが、日本に広がった対韓不信は今後、韓国にとって大きな損失をもたらすだろう。 日本人がこれほど怒るのは、政府間合意を簡単に反故にする韓国側の非礼ぶりもさることながら、非は日本側にこそあるという偽善極まりない態度、執拗な反日意識を韓国側がむき出しにしたからだ。 「再交渉...