公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

島田洋一の記事一覧

国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    トランプ大統領再選に向けて活動している米保守派が、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録を「裏切り」と強く批判するのはよく分かる。リベラル派が大統領に否定的な記述のみを取り上げてニュースにしていることの裏返しと言える。  しかし、この回顧録の積極的意義も見逃すべきではないだろう。米朝交渉の実態がより明瞭になっ...

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 検察人事をめぐる論議の混迷は、日本の政界が、民主主義や三権分立といった基本的な政治理念を十分理解していない実態を露呈した。  日本共産党の志位和夫委員長は、「そもそも検察官は、人を罪に問える――逮捕し、起訴するという強い権力があたえられた唯一の職であり、一般の公務員とはまったく違う」と力説する(しんぶん赤旗5月13日)。その通りである。検察官は総理大臣ですら起訴し、政治生命を絶ちうる強大な権限...

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 4月28日、関西電力が筆頭株主の大阪市から提案を受けていた橋下徹元市長の社外取締役起用を、その政治的言動などから「公益性が高い当社の取締役に就任することは適切ではない」として拒否したと発表した。  関電の役員らが福井県高浜町の元助役(故人)から金品を受領した問題を受け、松井一郎大阪市長が「関電の経営体質をよく知っていて、コンプライアンス(法令順守)にも詳しい。関電の問題点を一番よく分かっている...

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 政府が17日、収入の大幅減を証明できた世帯に限って30万円を支給するという案を撤回し、国民全員に一律10万円の現金給付を実施する方針を明らかにした。その是非をめぐっては、本「ろんだん」の20日付で大岩雄次郎、有元隆志両氏が論じている。ここではその議論に立ち入るつもりはない。  ただ、いずれの立場に立つにせよ、速やかな対応の必要性については合意がある。その点、一部自民党の議員が、マイナンバーカー...

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 3月26日付の「ろんだん」に「片仮名語の『感染拡大』にも歯止めを」と題する一文を寄せた。ところが政府主導の感染拡大は一向にやまないようだ。  例えば政府が、企業に強く実施を求める「テレワーク」である。普通に「在宅勤務」と言えば誰でも分かるが、テレワークと聞いて即座にピンとくる人がどれだけいるのか。テレは「遠く」を意味する古代ギリシャ語のteleに発し、西洋語で「距離がある」を意味する接頭語とし...

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 武漢ウイルスをめぐる中国共産党政権(以下中共)の情報隠しや誤誘導に事実上協力した世界保健機関(WHO)とりわけテドロス事務局長(エチオピア出身)への批判が高まっている。  問題は、その批判をどう具体的行動につなげるかである。この点、アメリカと日本は対照的だ。アメリカでは、テドロス辞任を含むWHOの機構改革、再発防止の徹底がなされない限り、来年度は拠出金を大幅減額するとの意見が議会有力者から次々...

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 河野太郎防衛相が3月24日の閣議後の記者会見で、武漢ウイルスに関し政府高官や専門家会議の委員らが使う「クラスター」や「オーバーシュート」といった片仮名用語を日本語に置き換えるよう呼び掛けた。これは一般性を持った重要な問題提起である。  河野氏は、「ご年配の方をはじめ、よく分からないという声を聞く。日本語で言えばいいのではないか」と指摘し、自身のツイッターでもかねて「クラスターは集団感染、オーバ...

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 有元隆志氏が執筆した3月9日付の「今週の直言」に興味深い一節があった。中国の人権状況に一定の「懸念」を伝える日本政府に対し、中国側は義和団事件を反論材料に持ち出してくるという。以下は有元氏の「直言」にある「日本政府担当者」の言葉である。  「中国側は明治33(1900)年の義和団事件に出動した日本などには中国の人権問題を批判する資格はないと反論した。清国時代の出来事なのだが…」  これを見る...

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 米民主党の大統領候補選びが佳境に入ってきた。その内、急進左派の候補は、バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン両上院議員に絞られた。勢いがあるのは78才ながら、前回2016年の大統領選でも予備選でヒラリー・クリントン元国務長官の心胆寒からしめたサンダース候補である。  ●早々に独走態勢入りも  ウォーレン候補はエリート臭が強く、弁護士時代に大企業を顧客に財を成したうえ、白人でありなが...

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 2月16日、尖閣諸島周辺の接続水域で中国海警局の船2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。巡視船は、領海に近づかないよう警告したが、尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは15日連続だという。  この間、新型コロナウイルスの感染は拡大し、その防止に向けた日本の支援に対してネット上では中国人の感謝の書き込みが少なからず見られた。また、2月末には外交担当トップの楊潔篪中国共産党政治局員が...

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 1月17日、広島高裁(森一岳裁判長)が、四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを認める仮処分決定を下した。この判断の論理的欠陥については、櫻井よしこ氏や奈良林直氏の優れた論考があり、そちらに譲りたい。ただ、どれほど論理で説いても、これらの裁判官は態度を改めないだろう。結論ありきの確信犯だからである。  民主的手続き(議会の多数決)で実現できないことを、裁判官が権力乱用によって実現する。司法の皮を...

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 時に条約の破棄や米軍撤退を仄めかしつつ、同盟国に踏み込んだ「責任分担」を迫るトランプ大統領の姿勢は、アメリカの同盟政策の本筋からの逸脱であろうか。  確かに、その露骨な物言いはしばしば「大統領らしさ」を欠く。しかし過去半世紀の流れを振り返ると、その基本姿勢には、逸脱どころかむしろ本筋への回帰と言える面がある。  ●在外米軍削減は歴代政権に共通  ちょうど50年前の1969年7月25日、...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    イランのロウハニ大統領が近く訪日予定という。12月3日に大統領特使として来日し、安倍晋三首相と面会したイランの外務次官が希望を伝えた。その後、NHKの取材に応じた同次官は「日本はイランにとって経済的なパートナーだ。イランはずっと日本に原油を供給してきたし、日本はイランに技術を提供してきた。これまでと同様の関係を継続したい」...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    11月24日、香港の区議会選挙で民主派が圧勝した。中国本土でも、公正な選挙が行われれば共産党が権力を失うだろうことを強く示唆する結果である。中国共産党政権(以下、中共)は、ますます言論抑圧、普通選挙の阻止に邁進するだろう。  11月27日、トランプ大統領の署名を経て、米国で香港人権民主法が成立した。香港の「市民的自由」と...

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 10月31日、ナンシー・ペロシ米下院議長は、トランプ大統領の弾劾訴追に向けた調査を開始する旨の決議案を本会議採決に掛け、232対196の賛成多数で承認された。例によって「トランプ氏が追い込まれつつある」との報道や解説を多く目にするが、事実はむしろ逆である。  まず10月31日の採決で共和党側は1人の造反者も出さず、下院議員全員が弾劾はおろか調査すら不要との意思を示したことだ。民主党優位の下院で...

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 10月22日の即位礼正殿の儀における天皇皇后両陛下の立派な立ち居振る舞いを見ていて、中国の一段のファシズム化、対外膨張を押し進める習近平国家主席に対し、宮中晩餐会の場で「心から歓迎する」おことばを政府は強いてはならないとの思いを強くした。国賓招待は取り消すべきだろう。  これがアメリカなら、「国賓待遇で」という話が出た途端、有志議員が反対決議をまとめ、時を経ず超党派、圧倒的多数で議会を通過する...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    米国の人気トークラジオのホスト、ラッシュ・リンボー氏は、現在の米国の政治状況を「冷内戦」(Cold Civil War)と評している。トランプ大統領支持陣営と反トランプ陣営がゼロサムゲーム的闘争をエスカレートさせ、建設的議論が全く成り立たない状況を指す。  保守派のリンボー氏にとっては、トランプ支持勢力が冷戦時代の米国、...

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 トランプ米大統領が9月18日、辞任したボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の後任に、ロバート・オブライエン人質問題担当大統領特使を任命した。日米関係のさらなる緊密化に貢献して欲しいところだが、期待と共にいくつか懸念もある。  ●候補5人で最も安全な存在  オブライエン氏はポンペオ国務長官の下で、2018年5月以来、トルコ、リビア、イエメンなどで拘束された米国人の解放交渉に当たってき...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)がトランプ政権を去った。ボルトン氏の存在は特に北朝鮮問題で大きかった。ボルトン氏は理念の明確なハードライナー(強硬派)というに留まらず、政権幹部中、唯一と言ってよい大量破壊兵器拡散防止の専門家であった。ブッシュ政権(2代目)では国務次官(軍備管理・拡散防止担当)を務め、その後、国連...

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 米紙ワシントン・ポスト9月4日付に、原発に関する興味深い論説が載った。筆者は常連コラムニストのヘンリー・オルセン氏。タイトルは単刀直入に「原子力を無視する候補者は信用するな」(Don’t trust candidates who ignore nuclear power)である。日本にも参考になる、というより、日本にこそ一層当てはまる論点が多々ある。コラムの骨子を紹介しておこう。  ●大統...

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