公益財団法人 国家基本問題研究所
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島田洋一の記事一覧

 武漢ウイルスをめぐる中国共産党政権(以下中共)の情報隠しや誤誘導に事実上協力した世界保健機関(WHO)とりわけテドロス事務局長(エチオピア出身)への批判が高まっている。  問題は、その批判をどう具体的行動につなげるかである。この点、アメリカと日本は対照的だ。アメリカでは、テドロス辞任を含むWHOの機構改革、再発防止の徹底がなされない限り、来年度は拠出金を大幅減額するとの意見が議会有力者から次々...

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 河野太郎防衛相が3月24日の閣議後の記者会見で、武漢ウイルスに関し政府高官や専門家会議の委員らが使う「クラスター」や「オーバーシュート」といった片仮名用語を日本語に置き換えるよう呼び掛けた。これは一般性を持った重要な問題提起である。  河野氏は、「ご年配の方をはじめ、よく分からないという声を聞く。日本語で言えばいいのではないか」と指摘し、自身のツイッターでもかねて「クラスターは集団感染、オーバ...

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 有元隆志氏が執筆した3月9日付の「今週の直言」に興味深い一節があった。中国の人権状況に一定の「懸念」を伝える日本政府に対し、中国側は義和団事件を反論材料に持ち出してくるという。以下は有元氏の「直言」にある「日本政府担当者」の言葉である。  「中国側は明治33(1900)年の義和団事件に出動した日本などには中国の人権問題を批判する資格はないと反論した。清国時代の出来事なのだが…」  これを見る...

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 米民主党の大統領候補選びが佳境に入ってきた。その内、急進左派の候補は、バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン両上院議員に絞られた。勢いがあるのは78才ながら、前回2016年の大統領選でも予備選でヒラリー・クリントン元国務長官の心胆寒からしめたサンダース候補である。  ●早々に独走態勢入りも  ウォーレン候補はエリート臭が強く、弁護士時代に大企業を顧客に財を成したうえ、白人でありなが...

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 2月16日、尖閣諸島周辺の接続水域で中国海警局の船2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。巡視船は、領海に近づかないよう警告したが、尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは15日連続だという。  この間、新型コロナウイルスの感染は拡大し、その防止に向けた日本の支援に対してネット上では中国人の感謝の書き込みが少なからず見られた。また、2月末には外交担当トップの楊潔篪中国共産党政治局員が...

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 1月17日、広島高裁(森一岳裁判長)が、四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを認める仮処分決定を下した。この判断の論理的欠陥については、櫻井よしこ氏や奈良林直氏の優れた論考があり、そちらに譲りたい。ただ、どれほど論理で説いても、これらの裁判官は態度を改めないだろう。結論ありきの確信犯だからである。  民主的手続き(議会の多数決)で実現できないことを、裁判官が権力乱用によって実現する。司法の皮を...

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 時に条約の破棄や米軍撤退を仄めかしつつ、同盟国に踏み込んだ「責任分担」を迫るトランプ大統領の姿勢は、アメリカの同盟政策の本筋からの逸脱であろうか。  確かに、その露骨な物言いはしばしば「大統領らしさ」を欠く。しかし過去半世紀の流れを振り返ると、その基本姿勢には、逸脱どころかむしろ本筋への回帰と言える面がある。  ●在外米軍削減は歴代政権に共通  ちょうど50年前の1969年7月25日、...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    イランのロウハニ大統領が近く訪日予定という。12月3日に大統領特使として来日し、安倍晋三首相と面会したイランの外務次官が希望を伝えた。その後、NHKの取材に応じた同次官は「日本はイランにとって経済的なパートナーだ。イランはずっと日本に原油を供給してきたし、日本はイランに技術を提供してきた。これまでと同様の関係を継続したい」...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    11月24日、香港の区議会選挙で民主派が圧勝した。中国本土でも、公正な選挙が行われれば共産党が権力を失うだろうことを強く示唆する結果である。中国共産党政権(以下、中共)は、ますます言論抑圧、普通選挙の阻止に邁進するだろう。  11月27日、トランプ大統領の署名を経て、米国で香港人権民主法が成立した。香港の「市民的自由」と...

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 10月31日、ナンシー・ペロシ米下院議長は、トランプ大統領の弾劾訴追に向けた調査を開始する旨の決議案を本会議採決に掛け、232対196の賛成多数で承認された。例によって「トランプ氏が追い込まれつつある」との報道や解説を多く目にするが、事実はむしろ逆である。  まず10月31日の採決で共和党側は1人の造反者も出さず、下院議員全員が弾劾はおろか調査すら不要との意思を示したことだ。民主党優位の下院で...

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 10月22日の即位礼正殿の儀における天皇皇后両陛下の立派な立ち居振る舞いを見ていて、中国の一段のファシズム化、対外膨張を押し進める習近平国家主席に対し、宮中晩餐会の場で「心から歓迎する」おことばを政府は強いてはならないとの思いを強くした。国賓招待は取り消すべきだろう。  これがアメリカなら、「国賓待遇で」という話が出た途端、有志議員が反対決議をまとめ、時を経ず超党派、圧倒的多数で議会を通過する...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    米国の人気トークラジオのホスト、ラッシュ・リンボー氏は、現在の米国の政治状況を「冷内戦」(Cold Civil War)と評している。トランプ大統領支持陣営と反トランプ陣営がゼロサムゲーム的闘争をエスカレートさせ、建設的議論が全く成り立たない状況を指す。  保守派のリンボー氏にとっては、トランプ支持勢力が冷戦時代の米国、...

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 トランプ米大統領が9月18日、辞任したボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の後任に、ロバート・オブライエン人質問題担当大統領特使を任命した。日米関係のさらなる緊密化に貢献して欲しいところだが、期待と共にいくつか懸念もある。  ●候補5人で最も安全な存在  オブライエン氏はポンペオ国務長官の下で、2018年5月以来、トルコ、リビア、イエメンなどで拘束された米国人の解放交渉に当たってき...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)がトランプ政権を去った。ボルトン氏の存在は特に北朝鮮問題で大きかった。ボルトン氏は理念の明確なハードライナー(強硬派)というに留まらず、政権幹部中、唯一と言ってよい大量破壊兵器拡散防止の専門家であった。ブッシュ政権(2代目)では国務次官(軍備管理・拡散防止担当)を務め、その後、国連...

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 米紙ワシントン・ポスト9月4日付に、原発に関する興味深い論説が載った。筆者は常連コラムニストのヘンリー・オルセン氏。タイトルは単刀直入に「原子力を無視する候補者は信用するな」(Don’t trust candidates who ignore nuclear power)である。日本にも参考になる、というより、日本にこそ一層当てはまる論点が多々ある。コラムの骨子を紹介しておこう。  ●大統...

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 ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)がトランプ大統領に解任されるのではないかという観測が盛んである。人事の機微は外からは窺い知れない。ここで予想めいたことを書いても意味はないだろう。  ボルトン解任論は二つの点を強調している。一つは、イランへの軍事攻撃を主張するボルトンは、中東を大混乱に陥れると同時に中国を間接的に利しかねない「目の見えないタカ派」であり、大統領も遂に見限らざるを...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    安倍晋三首相が北朝鮮の独裁者金正恩氏と「ただ会うだけでは意味がない」から「無条件で会う」へ表現を変えたことが、宥和姿勢への転換ではないかと一部に懸念を呼んでいる。しかし、安倍首相はトランプ米大統領を通じ、「拉致被害者は全部で13人、うち8人は死亡」という北朝鮮の従来の説明は受け入れられないことなど、対北朝鮮支援の「条件」を...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    安倍政権は、欧州連合(EU)と共同で11年間続けてきた、国連人権理事会への北朝鮮非難決議案の提出に今年は加わらない方針を表明した。  拉致問題解決に向けた交渉の環境づくりという意図があるのだろう。理念に疑念を生じさせても敢えてこの行動を取ったことによって、日朝首脳会談の可能性は高まるかも知れない。しかし、それは北朝鮮の金...

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 2月27日の産経新聞朝刊に、アメリカの元朝鮮半島和平担当大使ジョセフ・デトラニ氏のインタビュー記事が載った。ちょうどベトナム・ハノイで2回目の米朝首脳会談が始まったタイミングであり、米国の北朝鮮問題「専門家」の平均的思考を知る上で興味深い。  デトラニ氏は20数年の米中央情報局(CIA)勤務を経て、六者協議担当特使、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)米国代表などとして北朝鮮の核問題に関わっ...

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 2月19日、トランプ米大統領と文在寅・韓国大統領が電話会談を行い、韓国大統領府によれば、その中で文氏は、北朝鮮の非核化措置を引き出すため、南北の鉄道・道路連結や経済協力事業を活用して欲しい、それが「米国の負担を減らせる道だ」などと強調したという(産経、2月20日)。核兵器を温存しつつ周辺的措置で制裁緩和を勝ち取っていくという北の作戦をバックアップする立場を改めて示したわけである。  ●日米...

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