7月1日の中国共産党創建100周年に当たり、3年後の米大統領選で共和党の有力候補と目される政治家たちは、いずれも歯に衣着せぬ厳しいメッセージを出している。
常識と勇気ある米政治家のツイート
まずポンペオ前国務長官のツイートである。
中共の100年は殺戮とジェノサイドの1世紀。これ以上に人を殺した政党はない
https://twitter.com/mikepompeo/status/1410589013950537736?s=20
まさに、常識と勇気ある自由主義陣営の指導的政治家にふさわしい言葉だろう。続いてルビオ上院議員のツイート。
中国共産党は、その100周年を今日祝う。しかし専制的抑圧の100年は、祝福ではなく悲嘆を呼ぶものである
https://twitter.com/SenRubioPress/status/1410588511791685641?s=20
ニッキー・ヘイリー元国連大使は4本連続でツイートしている。
中国共産党がその存続100年を祝うが、我々は、中共が100万人のウイグル人を強制収容所に拘禁し拷問していることを忘れてはならない。今日は、祝うべき日ではない。中国の犠牲者を悼むべき日だ
https://twitter.com/NikkiHaley/status/1410634555145424900?s=20
本日の中国共産党100周年は、中共が決して変わらないだろうことを改めて想わせる。その支配は言語を絶する人的苦痛を生んできた。破滅的な飢餓、大量殺害、そして今、ジェノサイドである。世界は中国の暴政に立ち上がらねばならない
https://twitter.com/NikkiHaley/status/1410615187674075141?s=20
中国を脅し付ける国々は「14億超の人民が血肉で築いた鋼鉄の長城の前で頭を割られ血を流す」という、大向こう受けを狙った習近平主席の演説セリフに対しては、ヘイリー氏はこうコメントしている。
中国に踏みにじられるためには、何も彼らを「脅し付ける」(bully)必要はない。香港住民、ウイグル人、チベット人、台湾人に聞いてみるだけで分かる
https://twitter.com/NikkiHaley/status/1410617778587848716?s=20
最後の台湾についてはこう付け加えている。
もし世界が座視して何もしないなら、中国は次に台湾を獲るだろう。そしてもし彼らが台湾を獲れば、すべては終わる。なぜなら彼らは、その後は、世界のどこであれ、好きに領土を奪い取ることができると考えるだろうからだ
https://twitter.com/NikkiHaley/status/1410697586051207169?s=20
追従する自公、〝立派〟だった日共
こうした気合の入ったツイートが日本の有力政治家からもあるいは出るかと期待したが、虚しかった。
自民党は二階俊博幹事長、立憲民主党は枝野幸男代表の名前で、それぞれ祝賀メッセージを送ったと言う。その内容は公表されていない。日本人に見せられないメッセージを外国の独裁者に送るというのは、ほとんど間諜の行為だろう。
公明党も山口那津男代表を中心に媚中にいそしんでいるが、将来、中国共産党に日本が支配されることがあれば(あってはならないが)、創価学会は間違いなく弾圧される。習近平氏を人類最高の導師として崇めず、池田大作氏を尊崇する段階で反党団体である。それとも日蓮の信徒団体から毛沢東の信徒団体に、素早く衣替えするつもりだろうか。
公党で、唯一雄々しいメッセージを発したのは日本共産党である。志位和夫委員長が、「東シナ海・南シナ海での覇権主義的行動や香港、ウイグルでの人権侵害は社会主義とは無縁であり、共産党の名に値しない」とコメントしている。
日共は北方領土問題でも、全千島の返還を主張してきた。共産党を標榜する中で、ソ連共産党や中国共産党と同一視されてはまずいという政治的考慮があるにせよ、発言内容自体は立派である。
いまだにマルクスを尊崇する時代錯誤の党だけが正しいメッセージを発したという倒錯に、日本政治の深い混迷が如実に表れている。