鄭大均の記事一覧
韓国人のうぬぼれと偽善 鄭大均(首都大学東京名誉教授)
日本人へのうぬぼれを見せびらかす韓国人が増えているのが気になる。文在寅大統領は8月29日の閣議で、日本政府の韓国に対する輸出規制について「日本は経済報復の理由すら正直に明らかにせず、言葉を変えながら合理化しようとしている」と批判し、「歴史問題に対する態度も正直でない」とも述べた。 文大統領の対日発言には、ときに子の間違いを正す親風の発言があって気色悪い。「盗人猛々しい」と訳されて話題になった...
【第573回】韓国憲法前文が、日韓友好の障害となっている
国基研理事 首都大学東京名誉教授 鄭大均 韓国国会議長の「天皇謝罪発言」に一文をというのが、国基研企画委員会からの要請であるが、ここではもっと大事なことを記したい。 韓国憲法の前文に、「悠久の歴史と伝統に輝くわが大韓民国は3・1運動により建立された大韓民国臨時政府の法統」を継承するという文があって、それが意味するのは、今日の韓国が1897年に成立した大韓帝国の正統性を継...
「戦時朝鮮人労働者」と呼ぼう 鄭大均(首都大学東京名誉教授)
韓国大法院の「徴用工判決」に日本政府が批判的に対応しているのは好ましい。批判のなかで4人の原告を「徴用工」ではなく「旧朝鮮半島出身の労働者」と呼んでいるのも注目される。 ただし「徴用工」の名称については、「朝鮮人戦時労働者」(wartime Korean workers)と呼ばれるべきであるという提言が国家基本問題研究所からなされた。1941年から43年にかけて今日の新日鉄住金にリクルートさ...
「日帝強占期」とはなにか 鄭大均(首都大学東京特任教授)
日本が朝鮮を支配していた一九一〇年から一九四五年までの三十五年間を、近年の韓国では「日帝強占期(イルチェカンジョムギ)」と呼ぶ。「日本帝国主義がわが国を強制的に占領した時期」の意である。以前には「日帝時代」や「植民地時代」の呼称があり、さらに以前には「倭政時代」や「日政時代」の呼称もあった。それが今では、韓国のワープロで「日帝時代」とか「植民地時代」と打つと、自動的に「日帝強占期」に転換されたり...
なぜ韓国人は自明のごとく戦時期の被害者性を語るのか 鄭大均(首都大学東京特任教授)
日本外務省は朝鮮人労働者の戦時動員の実態を広報せよ、という西岡力氏の意見(「今週の直言315回」)に賛成である。西岡氏は朝鮮人労働者の戦時動員の実態について5点ほどを記しているが、より基本的な問題に注意を喚起したい。 それは1910年~45年の35年間、朝鮮人も日本国民だったのだということが韓国ではほとんど知られていないということである。近年、戦時中の朝鮮人の被害者性にまつわる韓国からの...
「修正主義」をめぐる必読論考 鄭大均(首都大学東京特任教授)
「修正主義者」(revisionist)とは誰か。その意味・用法について知りたい人は福井義高氏(青山学院大学教授)の論考(「『慰安婦』『南京』…歴史認識で処罰される恐怖」『正論』平成27年1月号)を読むがよい。 福井氏によると、「修正主義」とは今日の欧米の知的世界を支配するポスト・マルクス主義者が政治的に正しくないという烙印を押すときの婉曲語であり、それは彼らが「ファシスト」的と見なす思考...
慰安婦問題への視点 鄭大均(首都大学東京特任教授)
8月22日付、韓国の「中央日報」に「慰安婦の少女像、アルメニアから学べば」というコラム記事がある。著者は韓国で国際派の記者として知られる南禎鎬氏で、去年邦訳が出た『私の愛、ナムジュン・パイク』(平凡社)の著者の一人でもある。 南氏によれば、慰安婦の少女像がカリフォルニア州グレンデール市に続き、ミシガン州デトロイト市にも建設されたが、これは必ずしも満足すべきことではない。グレンデール市の少...
韓国の反日について 鄭大均 (首都大学東京特任教授)
韓国の反日について三つの視点を記しておきたい。 第一に、韓国の反日に見られる文化的優越性や歴史的被害者性の感覚は、学校教育以前に始まる自国びいきや日本批判に始まり、学校での歴史教育やテレビドラマとの出会いを通して、あるいは年中行事や反日行事への参加や報道を通して内面化されるが、それは日本に対する偏見やステレオタイプを含むものである。つまり日本の加害者性を語る韓国の教育やメディアは日本人が...