公益財団法人 国家基本問題研究所
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冨山泰の記事一覧

 フランスのマクロン大統領が英誌エコノミスト(電子版、11月7日)とのインタビューで、米欧間の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)は今や「脳死」状態にあり、米国を当てにできないので、欧州は独自の軍事戦略と軍事能力を持つべきだと言明した。同盟関係を重視しないトランプ米大統領への絶望感を率直に表明したもので、フランスと同じく米国の同盟国である日本にとっても、無視できない問題提起となっている。 ...

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 南太平洋の島国ソロモン諸島が9月に外交関係を台湾から中国に切り替えた直後、中国国営企業が同諸島の島一つを丸ごとリースする契約を地方政府とひそかに結んでいたことが分かった。この島には天然の深海港があり、中国海軍がここに足場を築けば、同盟国である米国とオーストラリアの両国軍の連携が分断され、米国の太平洋軍事戦略に重大な支障が及ぶ恐れがある。  ●狙いは米同盟軍の分断  リース契約を結んだのは...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国が約束通り香港に高度の自治を認め、香港住民の大規模デモを暴力で鎮圧しないよう求めることは、8月の先進7カ国(G7)サミットの合意だったはずだ。英政府は中国の意を体した香港警察によるデモ隊への実弾発射を非難する外相声明を出し、米下院はデモ隊の民主化要求を支援する法案を全会一致で可決した。しかし、日本政府の反応は煮え切らず、香港当局による弾圧...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    南太平洋の島国、ソロモン諸島とキリバスが9月、相次いで台湾との外交関係を断絶し、中国と国交を樹立した。中国は札束攻勢の成功に味を占め、台湾を国際的に孤立させる動きをさらに強めそうだ。地政学的には、中国の南太平洋進出に拍車がかかることで、この海域を舞台とする米中両国の覇権争いは激しさを増すだろう。  ●島しょ国が相次ぎ対中国交  太平洋...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米政府は、韓国の文在寅政権が日本との軍事情報保護協定(GSOMIA)の廃棄方針を決め、日韓対立を軍事・安全保障分野に波及させたことを強く批判する立場を鮮明にした。ただ、悪化する日韓関係全般について、トランプ政権や有力議員が日本の主張を十分に理解しているとは言い切れず、日本政府としては米国の理解を深める一層の努力が求められる。  ●韓国の...

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 米英関係は第2次世界大戦後、「特別な関係」と呼ばれ、緊密な同盟関係の手本のように思われてきたが、最近の駐米英国大使の辞任騒動で両国関係の変質が顕在化した。トランプ米大統領と気脈を通じるボリス・ジョンソン氏が英国の新首相に就任したが、両国が緊密な関係を簡単に取り戻せるとは思えない。  ●揺らぐ「特別な関係」  米英を公の場で「特別な関係」と最初に呼んだのは、英国の首相だったチャーチルである...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    来年の米大統領選挙で民主党がホワイトハウスを奪還すれば新政権の外交・安全保障チームの中核を占めそうな元政府高官2人が、中国との「共存」を呼び掛ける論文を米外交専門誌フォーリン・アフェアーズ(2019年9~10月号)に連名で発表した。トランプ政権と議会の超党派議員が中国への強硬姿勢を堅持する中で、中国との対決を嫌う政治勢力が巻き返しに乗り出した...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    シャナハン米国防長官代行がシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で米国のインド太平洋戦略を発表し、アジア地域への関与継続と同盟関係を重視したマティス前長官の基本路線を継承することを表明した。シャナハン氏は議会の承認を経て正式に国防長官に就任する見込みで、同盟国からの信頼が厚かった前長官の路線の継承は、日本はじめインド太平...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国の勢力圏拡大構想「一帯一路」は海外における新たな中国軍基地の建設を促すとして、米政府が警戒を強めている。中国政府によって一帯一路の一部と位置付けられた北極圏では、中国の戦略原子力潜水艦が配備される可能性も指摘されている。今や一帯一路は軍事的意味合いを抜きにして語れない。  ●米国防総省が報告書で警告  米国防総省は5月2日、中国の...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    習近平中国国家主席が力を入れる「一帯一路」構想は、世界的規模で中国の経済的利益や政治的影響力を拡大するだけでなく、完成したインフラが中国に軍事利用される可能性があるなど「地政学的リスク」も大きい。その実態が、最近公表された米国の研究報告書で浮き彫りになった。  ●米研究所が中国10事業を検証  米国のシンクタンク、新アメリカ安全保障セ...

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 欧州連合(EU)とその主要加盟国が中国の影響力拡大への警戒を強める中で、有力加盟国の一つであるイタリアが中国台頭の象徴である「一帯一路」構想への参加を正式に決めたことは、EUの求心力低下を世界に印象付けた。手続きで難航する英国のEU離脱を待たずとも、国際政治におけるEUの存在感の後退は覆い難い。  ●対中政策で分裂する加盟国  EUの執行機関である欧州委員会は3月12日、対中政策の戦略文...

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 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)開催に合わせて、米国有数の中国専門家エリザベス・エコノミー氏が、習近平政権の内外政策の行き詰まりを端的に説明する論文を外交専門誌フォーリン・アフェアーズ(電子版)に発表した。同氏は「(習近平国家主席が進めた)強すぎる党統制は経済の停滞と社会の不満を招き、一方で強すぎる野心は習主席の新世界秩序の構想を歓迎した多くの国の熱意を冷ました」と書き、習主席の強権...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    ベルリンでこのほど日米豪印4カ国協力に関するシンポジウムが開かれ、パネリストの1人としてこれに参加した。欧州でも近年、中国の台頭への懸念が強まり、それに対抗する多国間の枠組みとして、インド太平洋地域の民主主義4カ国による協力体制への関心が増しつつある。  シンポジウムを主催したのは、ドイツの最大与党キリスト教民主同盟(CDU)傘下の有力シン...

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 1月26日のインド共和国記念日(憲法記念日)の軍事パレードに、90歳を超えた退役軍人4人がジープ型の車に乗って参加した。4人は、第2次世界大戦中、日本と盟友関係を結んだインドの独立運動家スバス・チャンドラ・ボースが指揮した「インド国民軍」(INA)の生き残りだ。INA元兵士の共和国記念日パレード参加は初めてで、日本の支援を受けた武力闘争がインド独立に果たした重要な役割をインド政府が公式に認めたこ...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米中ロ、北朝鮮に、サウジアラビア、トルコ、イランなど諸国の動きが目まぐるしい。世界情勢を読むのは難しい。11月23日、国基研のシンポジウム「米中激突 日本の覚悟」でも、国際社会の展望をめぐって3時間以上にわたる議論が展開された。  年に一度の「会員の集い」のシンポジウムで、国基研を代表するパネリストの多くは米中対立が長期化するとの見方を示し...

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 トランプ米政権がロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約破棄を表明した問題では、条約破棄が、うまくいけば中国や北朝鮮の同種ミサイル全廃につながり、その結果、日本の安全を高め得るという視点で論ずることが必要である。  現INF全廃条約が廃棄の対象としたミサイルは、射程500~5500キロの地上発射の弾道ミサイルと巡航ミサイルの全部で、核弾頭だけでなく通常弾頭のミサイルも含む。仮に条約の廃棄により...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国は今、トランプ米政権に仕掛けられた貿易戦争で苦境に立ち、習近平国家主席の威信をかけた勢力圏拡大構想「一帯一路」も「債務のわな」に対する援助対象国の警戒で失速気味だ。少数民族ウイグル人への迫害で国際的非難も強まっている。その中で、日本の首相として7年ぶりに中国を公式訪問した安倍晋三首相は、日中関係を「競争から協調へ」押し上げたいと習主席に表...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米政府のアジア政策立案・遂行の要となる東アジア・太平洋担当国務次官補に、デービッド・スティルウェル退役空軍准将の起用が決まった。軍人出身の戦略専門家だから当然なのだが、スティルウェル氏は対中タカ派、同盟重視論者として定評があり、日本政府にとって政策調整をしやすい米側の実務責任者になるかもしれない。  ●アジア通の次期国務次官補  ステ...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国の人権状況などを監視している米議会の超党派委員会が10日、中国の習近平政権によるウイグル人らイスラム教徒の抑圧を「人道に対する罪」と糾弾する年次報告書を公表した。4日にペンス副大統領が中国の内政、外交、経済、軍事政策を網羅的に批判する演説をしたのに続くもので、米国の政府と議会が中国に対する厳しい姿勢で歩調を合わせた。  ●「北朝鮮並...

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 中国の勢力圏拡大構想「一帯一路」に代わる日米主導のインド太平洋戦略に資金的裏付けを与える新たな動きがワシントン発で相次いだ。  一つは、開発途上国のインフラ整備に投資する米国企業に資金を貸し付ける政府系金融機関を新設する法律(BUILD ACT)が上下両院で超党派の支持により圧倒的多数で可決され、10月5日、トランプ大統領の署名を経て成立したことだ。  もう一つはリチャード・アーミテージ元国...

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