公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

国基研ろんだん

冨山泰の記事一覧

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の公式ホームページの地図に竹島が日本領土のように表示されているとして、韓国が日本政府に削除を要求している問題で、聖火リレーの経路を示したこの地図に目を凝らしたが、竹島は肉眼で見えない。韓国の主張は明らかに言いがかりだ。 しかし、真の問題は別のところにある。2年前に韓国から抗議された際、竹島は地図上にはっきり表示されていたようだから、その後に組織委が地図を差...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国が自ら開発した新型コロナウイルス・ワクチンを開発途上国などにばらまく「ワクチン外交」を積極的に展開している。欧米のワクチンを入手できない諸国がこれに飛びついており、コロナ禍がうまく終息すれば中国の国際的影響力が飛躍的に拡大する結果を招きかねない。  中国外務省によると、2月8日時点で中国が国産ワクチンの無償供与を予定している国は53カ国...

続きを読む

 バイデン新大統領の就任を翌日に控えた1月19日、米上院で主要閣僚の指名承認公聴会が一斉に行われ、新閣僚はいずれも中国に対する強硬な姿勢を表明した。しかし、バイデン政権がトランプ前政権とさほど違わない中国政策を打ち出すと考えるのは早計だ。新政権の具体的な行動を見守る必要がある。 閣僚は厳しい対中姿勢で一致 国務長官に指名されたアントニー・ブリンケン元国務副長官は公聴会で、中国共産党政権...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    1月20日のバイデン米大統領就任を前に、次期政権でアジア政策を統括する「インド太平洋調整官」という幹部ポストがホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)に新設され、カート・キャンベル元国務次官補の起用が決まった。次期政権の上層部で数少ないアジア通として、キャンベル氏には、法の支配に基づく地域秩序の構築を目指す「自由で開かれたインド太平洋」戦略...

続きを読む

 1月6日、トランプ米大統領の支持者が米議会議事堂に乱入、バイデン次期大統領の当選確定を阻止しようとした暴力事件で、共和党の議員や政府高官のトランプ離れが始まった。暴動を扇動したトランプ氏の党内での求心力は、少なくとも中央政界では急速に低下しつつある。 議事堂内の暴徒が警察によって制圧された後、アリゾナ、ペンシルベニア両州の大統領選挙結果に対する一部共和党議員の異議申し立てが表決に付され、上...

続きを読む

 トランプ米大統領の1日も早い回復を願うが、トランプ氏の新型コロナウイルス感染により10月15日の第2回大統領候補討論会が中止になりそうなのは、米国の民主主義にとって良いことである。そう思えるほど、9月29日の第1回討論会はひどかった。世界の自由民主主義陣営のリーダー、米国の政治の劣化に、中国がほくそ笑んでいる。 大混乱の大統領候補討論会 通信社の特派員として1980年のカーター大統領...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国が西太平洋の米軍事拠点グアムを中国本土から直接攻撃できる中距離弾道ミサイル(IRBM)DF(東風)26を急速に増強している。米国はこれに匹敵するミサイルを保有しておらず、西太平洋における米中ミサイル戦力の不均衡が拡大している。日本は中国の軍事的脅威に対抗する民主主義陣営の一員として、米国が開発する新しい中距離ミサイルの日本国内への配備受け...

続きを読む

 米民主党大統領候補に指名されることが確実なバイデン前副大統領の陣営が対中政策で、トランプ政権とどちらが強硬かを競っている。トランプ政権が中国との関与政策は失敗だったと断じ、中国共産党体制そのものが諸悪の根源であるとして、米中対立をイデオロギーの次元まで高めたのに対して、バイデン陣営は関与政策に未練を残し、体制批判にまで踏み込んでいない。11月の大統領選の結果によっては、米国の対中政策の基調に逆戻...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    新型コロナウイルスとの闘いに世界中が没頭する中で、今後の国際情勢を左右する最大の要素は、世界最多の感染者と死者を出した超大国の米国がどのように変わるかである。考察すべき点は二つある。一つはウイルス感染の大流行が半年後に迫った米大統領選挙に及ぼす影響であり、もう一つは選挙後の政権下で米国が世界のリーダーとして復活する見通しの有無である。 ...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、保釈中に日本から逃亡した日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告を擁護する社説を立て続けに掲載した。①日本の司法制度は不当なので国外逃亡を非難できない②ゴーン被告の記者会見での無罪主張には説得力があった―とする内容だ。同紙は国際的影響力が大きいだけに、看過できない。  ●社説で国外逃亡を正当化 ...

続きを読む

 日本政府が、来年にも調印が予定される東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定への不参加を表明したインドに対して、猛烈に翻意を働き掛けている。担当閣僚の梶山弘志経済産業相が12月10日にニューデリーでインドの商工相と会談したのに続いて、15~17日には安倍晋三首相が年次首脳会談のため訪印し、モディ首相に交渉への残留を求める。  ●インド誘った日本の思い  そもそも、東南アジア諸国連合(A...

続きを読む

 フランスのマクロン大統領が英誌エコノミスト(電子版、11月7日)とのインタビューで、米欧間の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)は今や「脳死」状態にあり、米国を当てにできないので、欧州は独自の軍事戦略と軍事能力を持つべきだと言明した。同盟関係を重視しないトランプ米大統領への絶望感を率直に表明したもので、フランスと同じく米国の同盟国である日本にとっても、無視できない問題提起となっている。 ...

続きを読む

 南太平洋の島国ソロモン諸島が9月に外交関係を台湾から中国に切り替えた直後、中国国営企業が同諸島の島一つを丸ごとリースする契約を地方政府とひそかに結んでいたことが分かった。この島には天然の深海港があり、中国海軍がここに足場を築けば、同盟国である米国とオーストラリアの両国軍の連携が分断され、米国の太平洋軍事戦略に重大な支障が及ぶ恐れがある。  ●狙いは米同盟軍の分断  リース契約を結んだのは...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国が約束通り香港に高度の自治を認め、香港住民の大規模デモを暴力で鎮圧しないよう求めることは、8月の先進7カ国(G7)サミットの合意だったはずだ。英政府は中国の意を体した香港警察によるデモ隊への実弾発射を非難する外相声明を出し、米下院はデモ隊の民主化要求を支援する法案を全会一致で可決した。しかし、日本政府の反応は煮え切らず、香港当局による弾圧...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    南太平洋の島国、ソロモン諸島とキリバスが9月、相次いで台湾との外交関係を断絶し、中国と国交を樹立した。中国は札束攻勢の成功に味を占め、台湾を国際的に孤立させる動きをさらに強めそうだ。地政学的には、中国の南太平洋進出に拍車がかかることで、この海域を舞台とする米中両国の覇権争いは激しさを増すだろう。  ●島しょ国が相次ぎ対中国交  太平洋...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米政府は、韓国の文在寅政権が日本との軍事情報保護協定(GSOMIA)の廃棄方針を決め、日韓対立を軍事・安全保障分野に波及させたことを強く批判する立場を鮮明にした。ただ、悪化する日韓関係全般について、トランプ政権や有力議員が日本の主張を十分に理解しているとは言い切れず、日本政府としては米国の理解を深める一層の努力が求められる。  ●韓国の...

続きを読む

 米英関係は第2次世界大戦後、「特別な関係」と呼ばれ、緊密な同盟関係の手本のように思われてきたが、最近の駐米英国大使の辞任騒動で両国関係の変質が顕在化した。トランプ米大統領と気脈を通じるボリス・ジョンソン氏が英国の新首相に就任したが、両国が緊密な関係を簡単に取り戻せるとは思えない。  ●揺らぐ「特別な関係」  米英を公の場で「特別な関係」と最初に呼んだのは、英国の首相だったチャーチルである...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    来年の米大統領選挙で民主党がホワイトハウスを奪還すれば新政権の外交・安全保障チームの中核を占めそうな元政府高官2人が、中国との「共存」を呼び掛ける論文を米外交専門誌フォーリン・アフェアーズ(2019年9~10月号)に連名で発表した。トランプ政権と議会の超党派議員が中国への強硬姿勢を堅持する中で、中国との対決を嫌う政治勢力が巻き返しに乗り出した...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    シャナハン米国防長官代行がシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で米国のインド太平洋戦略を発表し、アジア地域への関与継続と同盟関係を重視したマティス前長官の基本路線を継承することを表明した。シャナハン氏は議会の承認を経て正式に国防長官に就任する見込みで、同盟国からの信頼が厚かった前長官の路線の継承は、日本はじめインド太平...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国の勢力圏拡大構想「一帯一路」は海外における新たな中国軍基地の建設を促すとして、米政府が警戒を強めている。中国政府によって一帯一路の一部と位置付けられた北極圏では、中国の戦略原子力潜水艦が配備される可能性も指摘されている。今や一帯一路は軍事的意味合いを抜きにして語れない。  ●米国防総省が報告書で警告  米国防総省は5月2日、中国の...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    習近平中国国家主席が力を入れる「一帯一路」構想は、世界的規模で中国の経済的利益や政治的影響力を拡大するだけでなく、完成したインフラが中国に軍事利用される可能性があるなど「地政学的リスク」も大きい。その実態が、最近公表された米国の研究報告書で浮き彫りになった。  ●米研究所が中国10事業を検証  米国のシンクタンク、新アメリカ安全保障セ...

続きを読む

 欧州連合(EU)とその主要加盟国が中国の影響力拡大への警戒を強める中で、有力加盟国の一つであるイタリアが中国台頭の象徴である「一帯一路」構想への参加を正式に決めたことは、EUの求心力低下を世界に印象付けた。手続きで難航する英国のEU離脱を待たずとも、国際政治におけるEUの存在感の後退は覆い難い。  ●対中政策で分裂する加盟国  EUの執行機関である欧州委員会は3月12日、対中政策の戦略文...

続きを読む

 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)開催に合わせて、米国有数の中国専門家エリザベス・エコノミー氏が、習近平政権の内外政策の行き詰まりを端的に説明する論文を外交専門誌フォーリン・アフェアーズ(電子版)に発表した。同氏は「(習近平国家主席が進めた)強すぎる党統制は経済の停滞と社会の不満を招き、一方で強すぎる野心は習主席の新世界秩序の構想を歓迎した多くの国の熱意を冷ました」と書き、習主席の強権...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    ベルリンでこのほど日米豪印4カ国協力に関するシンポジウムが開かれ、パネリストの1人としてこれに参加した。欧州でも近年、中国の台頭への懸念が強まり、それに対抗する多国間の枠組みとして、インド太平洋地域の民主主義4カ国による協力体制への関心が増しつつある。  シンポジウムを主催したのは、ドイツの最大与党キリスト教民主同盟(CDU)傘下の有力シン...

続きを読む

 1月26日のインド共和国記念日(憲法記念日)の軍事パレードに、90歳を超えた退役軍人4人がジープ型の車に乗って参加した。4人は、第2次世界大戦中、日本と盟友関係を結んだインドの独立運動家スバス・チャンドラ・ボースが指揮した「インド国民軍」(INA)の生き残りだ。INA元兵士の共和国記念日パレード参加は初めてで、日本の支援を受けた武力闘争がインド独立に果たした重要な役割をインド政府が公式に認めたこ...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米中ロ、北朝鮮に、サウジアラビア、トルコ、イランなど諸国の動きが目まぐるしい。世界情勢を読むのは難しい。11月23日、国基研のシンポジウム「米中激突 日本の覚悟」でも、国際社会の展望をめぐって3時間以上にわたる議論が展開された。  年に一度の「会員の集い」のシンポジウムで、国基研を代表するパネリストの多くは米中対立が長期化するとの見方を示し...

続きを読む

 トランプ米政権がロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約破棄を表明した問題では、条約破棄が、うまくいけば中国や北朝鮮の同種ミサイル全廃につながり、その結果、日本の安全を高め得るという視点で論ずることが必要である。  現INF全廃条約が廃棄の対象としたミサイルは、射程500~5500キロの地上発射の弾道ミサイルと巡航ミサイルの全部で、核弾頭だけでなく通常弾頭のミサイルも含む。仮に条約の廃棄により...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国は今、トランプ米政権に仕掛けられた貿易戦争で苦境に立ち、習近平国家主席の威信をかけた勢力圏拡大構想「一帯一路」も「債務のわな」に対する援助対象国の警戒で失速気味だ。少数民族ウイグル人への迫害で国際的非難も強まっている。その中で、日本の首相として7年ぶりに中国を公式訪問した安倍晋三首相は、日中関係を「競争から協調へ」押し上げたいと習主席に表...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米政府のアジア政策立案・遂行の要となる東アジア・太平洋担当国務次官補に、デービッド・スティルウェル退役空軍准将の起用が決まった。軍人出身の戦略専門家だから当然なのだが、スティルウェル氏は対中タカ派、同盟重視論者として定評があり、日本政府にとって政策調整をしやすい米側の実務責任者になるかもしれない。  ●アジア通の次期国務次官補  ステ...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国の人権状況などを監視している米議会の超党派委員会が10日、中国の習近平政権によるウイグル人らイスラム教徒の抑圧を「人道に対する罪」と糾弾する年次報告書を公表した。4日にペンス副大統領が中国の内政、外交、経済、軍事政策を網羅的に批判する演説をしたのに続くもので、米国の政府と議会が中国に対する厳しい姿勢で歩調を合わせた。  ●「北朝鮮並...

続きを読む

 中国の勢力圏拡大構想「一帯一路」に代わる日米主導のインド太平洋戦略に資金的裏付けを与える新たな動きがワシントン発で相次いだ。  一つは、開発途上国のインフラ整備に投資する米国企業に資金を貸し付ける政府系金融機関を新設する法律(BUILD ACT)が上下両院で超党派の支持により圧倒的多数で可決され、10月5日、トランプ大統領の署名を経て成立したことだ。  もう一つはリチャード・アーミテージ元国...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    世界は今、自由、民主主義、人権、市場経済、ルールに基づく国際秩序を重視する価値観を持つ陣営と、そうした価値観を持たない強権国家の陣営がしのぎを削っている。日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国はインド太平洋地域で前者の核を形成するが、その4カ国の有力研究機関が最近、後者の代表格である中国の主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    6月12日にシンガポールで行われた史上初の米朝首脳会談は合意内容があいまいで、これが北朝鮮の核・ミサイル廃棄と北東アジア情勢の安定につながるかどうかは、まだ分からない。ポンペオ米国務長官と北朝鮮側による追加交渉を待たねばならない。しかし、首脳会談の評価とは別に違和感を覚えたのは、これまで北朝鮮の軍事行動を抑止してきた米韓合同軍事演習を「カネの...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    安倍晋三首相は、日中韓サミットのため東京を先週訪れた李克強中国首相の北海道視察に同行し、帰国する空港で当初の予定になかった見送りを行うという下にも置かない対応ぶりを最後まで見せた。  4年前、北京の国際会議で安倍首相と仏頂面で握手した中国のトップ、習近平国家主席の非礼さが冷たい日中関係を象徴したことを思えば、両国関係の様変わりには目を見...

続きを読む

 テレビのワイドショーで、コメンテーターと称する出演者が専門外の問題について知ったかぶりの無責任な発言をするのは、視聴者をばかにしている表れであり、日本の情報番組の質の低さを物語る。だが、この安直な番組づくりが米国の世論にまで影響を与えかねないとあっては、笑ってすまされなくなる。  ●タレント発言を無責任に引用  米紙ニューヨーク・タイムズは最近の日米首脳会談について、貿易問題や北朝鮮問題...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米国のトランプ大統領が先週、ティラーソン国務長官を解任した。5月までに開かれそうな初の米朝首脳会談を控えて、米外交の要である国務長官の首をすげ替えることが対北朝鮮政策にどういう影響を与えるか予測し難く、4月に訪米を予定する安倍晋三首相がトランプ大統領と北朝鮮問題への対応を擦り合わせることが重要になってくる。  ●国務長官解任が示す不...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    トランプ米大統領は1月30日の一般教書演説の外交・安全保障部分で、米国に挑戦する存在として、北朝鮮やイランといった「無法国家」、過激組織「イスラム国」(IS)などの「テロ集団」、そして中国とロシアのような「ライバル国」の三つを挙げた。しかし、演説で中国の覇権主義的行動を具体的に批判することはなく、拍子抜けであった。  ●「ライバル国...

続きを読む

 世界で最も権威あるニュース週刊誌の一つである英国のエコノミスト(1月13日発売号)が、今年150周年を迎える明治維新について、偏見に満ちた記事を掲載した。明治維新は日本を近代化し、欧米列強の植民地になることから救ったと美化されているものの、日本のアジア侵略の種をまいたことを忘れてはならない、と講釈を垂れている。  明治維新よりはるか前にアジアを侵略し、今日のインドから東南アジア、オーストラリア...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    2018年を迎えて、新年の国際情勢予想が欧米メディアをにぎわせている。焦点の一つは中国の影響力拡大であり、トランプ政権の米国第一主義によって生ずる世界秩序の空白を中国が埋めることを警戒する声が上がる一方で、中国の拡張主義への抵抗が世界各地で強まるという予測もあり、国際社会の先行きを不透明にしている。  ●地政学上の危機  中国への...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    ドイツのハンブルクで7月8日、米中首脳が会談した。トランプ米大統領が北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験など核・ミサイル開発の脅威拡大に対応する必要を強調したのに対し、習近平中国国家主席は「対話と協議」で問題を解決するよう改めて主張し、議論はかみ合わなかった。新聞報道によると、習主席は同日の安倍晋三首相との会談では、北朝鮮に対して各国が...

続きを読む