2024年10月の記事一覧
【第1194回】デフレ深刻な中国の対外攻勢に備えよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 中国の不動産バブル崩壊不況の底が見えない。共産党が市場経済を操縦する特異な経済システムが機能不全に陥り、習近平党政権が国内向けに打つ手はことごとく失敗している。その代わり強めるのは、ダンピング輸出、部品や材料のサプライチェーン独占力を武器にした対外威圧、日本企業など外資の技術奪取である。どれも国際ルールを無視し、世界経済をかく乱す...
【第1193回】石破首相は退陣せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 27日投開票の衆院選で、自民、公明の与党は石破茂首相(自民党総裁)が「勝敗ライン」とした過半数(233議席)を下回った。にもかかわらず、石破首相や森山裕自民党幹事長は続投の意向を示した(同日段階)。2007年の参院選で自民党が大敗した際、続投を表明した安倍晋三首相(当時)に「選挙に負けたのに続投するのは理屈が通らない」と辞任を求め...
【第1192回】北朝鮮軍のウクライナ参戦の実態
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 北朝鮮軍がロシアによるウクライナ侵略戦争に参戦していることが、ウクライナと韓国の両国政府によって確認された。ウクライナのゼレンスキー大統領は10月17日、「ロシア軍は1万人の北朝鮮兵士を動員する準備を進めている」と発言した。ウクライナ文化情報省傘下の戦略コミュニケーション・情報安全保障センターは18日、北朝鮮兵がロシア極東の...
【第1191回】石破内閣は歴史認識問題に取り組むのか
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 国基研は繰り返し、歴史認識問題に政府として取り組めという政策提言を行ってきた。それを受けて安倍晋三政権で、首相官邸の官房副長官補室が歴史認識問題に取り組む体制ができ、菅義偉、岸田文雄政権でもそれが維持されてきた。具体的には、政治家である首相補佐官が担当に任命され、事務方として副長官補室が補佐官と連携しつつ、政府全体を統括する...
【第1190回】石破政権の「脱デフレ」は付け焼き刃か
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 「反アベノミクス」が売り物だったはずの石破茂氏が先の自民党総裁選を機に「脱デフレ」を唱え、直ちに衆院解散、総選挙に打って出た。石破首相は自身の豹変が単なる付け焼き刃でないことを選挙戦以降、証明すべきだ。 石破首相は「デフレからの脱却を完全なものにする」「物価上昇を上回る賃金上昇を」と強調する。日銀の金融政策について「追加利上げ...
【第1189回】「北に連絡事務所」に反対する理由
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの弟の横田拓也さんが会長を務める「家族会」と私が会長を務める「救う会」は、石破茂首相が自民党総裁選で主張した平壌と東京に連絡事務所を設置する案に反対してきた。その理由は、①北朝鮮は拉致被害者を含む全住民に公民証を持たせ厳しく管理しているので、新たに調査をするということ自体が時間稼ぎに過ぎ...
【第1188回】軍事オタクの安全保障知らず
国基研企画委員兼研究員 湯浅博 石破茂新首相が自民党総裁選で高々と掲げた「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構想は、首相就任3日にして消えていた。10月4日の所信表明演説で、自らの政治信条をあっさり封印してしまったからだ。同盟国やパートナー国からの拒否反応に怯んだためか、あるいは解散・総選挙を控えて刺激的な表現を避けたかったのか。どちらにしても、石破氏は軍事オタクではあ...