公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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2024年9月の記事一覧

国基研企画委員兼研究員 黒澤聖二    海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が9月25日、台湾海峡を通過した。オーストラリア海軍の駆逐艦やニュージーランド海軍の補給艦と連携した行動であった。8月31日には中国軍の測量艦が鹿児島県トカラ海峡のわが国領海を通過し、一部メディアはこのことと絡め、前例のない対抗措置に踏み切ったと報じている。他方、中国国防省報道官は「中国の主権と安全を損なう挑発...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    自民党の石破茂新総裁には御慶およろこび申し上げるが、これまでの言動から見ると、石破氏がこの国を率いる指導者としてふさわしいのか、はなはだ疑念を持たざるを得ない。何よりも石破氏は安定的な皇位継承について、過去に例がない「女系天皇」を選択肢として排除しない考えを示してきたからだ。  石破氏は総裁選期間中の産経新聞のインタビューでは「...

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国基研企画委員・元防衛庁情報本部長 太田文雄    9月19日、米海軍の制服組トップであるリサ・フランチェティ作戦部長が「米国の戦闘海軍のための航海計画」2024年版を公表した。同計画は2022年にも前作戦部長によって公表されているが、その後ロシア・ウクライナ戦争に伴う黒海での海戦や、紅海におけるイエメンの反政府武装集団フーシ派との戦いの教訓を含め、ロボットや自律システムの軍事利...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    9月18日、中国の深圳で日本人小学生が中国人暴漢に刺されて殺された。反日教育を政策として行って、日本人になら何をしても良いと思わせる雰囲気をつくった中国政府と、それに対して反論せずに謝罪を繰り返してきた日本政府への怒りを禁じ得ない。  ●共産党独裁の正当化に利用  事件の背景には中国人の間に拡散している反日感情、より...

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国基研企画委員兼研究員 湯浅博    中国広東省深圳市で日本人学校に通う男子児童(10)が中国人の男に刺殺された事件に、深い悲しみが広がっている。そして、都合の悪い事実から目をそらす中国当局の隠蔽体質と、徹底した抗議と再発防止に動こうとしない日本政府に対する憤りが収まらない。つい6月にも、江蘇省蘇州市で日本人母子への切り付け事件があったばかりではないか。二つの事件が日本人を標的に...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    「連休中に事故に遭ったり急病になったりしても、救急医療体制が崩壊しているので治療を受けられず生命の危険がある。なるべく出掛けるな。お墓参りもやめた方が良い」。今年1月まで韓国の小児専門救急医療センターで勤務し、4月の総選挙で当選して保守野党・改革新党の国会議員となった李妵鍈氏が旧暦お盆の連休(9月16~18日)を前に家族や友...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    自民党総裁選(27日投開票)に出馬した9人の候補者の口からしばしば出てくるのが「覚悟」という言葉である。例えば、小泉進次郎元環境相は「覚悟を持って、やるべきことを断行し、未来に明るい展望の持てる国に」と決意を語っている。日本を取り巻く安全保障環境がかつてないほど厳しい中にあって、新しい首相となる次期総裁には、文字面だけでなく真の意...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 加藤康子    バイデン米大統領は「国家安全保障上のリスク」を理由に、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を阻止する準備に入ったと伝えられる。次の大統領の座を争うトランプ前大統領(共和)とハリス副大統領(民主)も、この買収に反対している。岸田文雄首相と自民党総裁選立候補者は「日本は米国の強固な同盟国で、安全保障上のリスクはない」と、理不尽な政...

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国基研副理事長・弁護士 髙池勝彦    小泉進次郎氏は9月6日、次期首相を事実上決める自民党総裁選挙への出馬を宣言した中で、選択的夫婦別姓制度を導入する法案の提出を公約に掲げた。選択的夫婦別姓制度とは、夫婦が婚姻に際して同姓とするか別姓とするかを選択できるといふものである。小泉氏は、若さを売り物に、その公約も新鮮さを打ち出したいのであらうが、十分な議論もなくこのやうな重大な問題を...

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国基研理事・元統合幕僚監部首席法務官 黒澤聖二    中国軍のシュパン級測量艦が8月31日、鹿児島県口永良部島沖のトカラ(吐噶喇)海峡で我が国領海内に侵入した。日本政府の抗議に対し中国外務省は9月2日、国際海峡の「通過通航権」の行使であり、正当な通航と主張した。  果たしてトカラ海峡は国際海峡なのか。何故中国艦は大隅海峡(鹿児島県大隅半島沖)や宮古海峡(沖縄県の宮古島と沖縄本島...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    自民党総裁選挙で最有力候補の一人と目される小泉進次郎元環境相は9月6日の出馬会見で、労働市場の規制改革を1年の期間限定でやり遂げるという決意を表明した。しかし、労働市場の流動化はわが国経済の需要回復が前提でなければならず、優先順位を間違えると失業者を生む結果になりかねない。  他方、会見中の「インフレや金利があっても成長する経済を...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    自民党総裁選の日程が決まり、候補者の政策の輪郭が見えてきた。本稿では各候補者の掲げるマクロ経済政策に焦点を当て、その比較を試みる。財政・金融といったマクロ政策は、国家の経済基盤を決定する重要な柱であり、国民の経済活動に大きな影響を与えるものであるが、現時点で全貌が明らかになっているわけではない。そこで、主に財政政策に関し、立場を明ら...

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国基研企画委員・麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男    8月26日、中国軍のY9情報収集機が、長崎県の男女群島付近の日本領空を約2分間にわたって侵犯した。中国軍機による我が国の領空侵犯は初めてである。  国際法上、国家は領空において「完全かつ排他的」な主権を有している。領海のような「無害通航権」(沿岸国の平和・秩序・安全を害さない限り、その国の領海を自由に通航できる権利)は認...

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国基研研究員 中川真紀    8月26日、中国軍のY9情報収集機が長崎県の男女群島沖で、中国軍機としては初めて日本の領空を侵犯した。同機は台湾及び日本への軍事作戦を担当する中国軍5大戦区の一つ、東部戦区の所属であり、これまでも日本周辺空域での飛行が確認されている。  今回の領空侵犯が故意か過失かは不明だが、中国軍、特に東部戦区の①対日情報収集範囲の拡大②日本を対象とする海空域防...

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