公益財団法人 国家基本問題研究所
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西岡力の記事一覧

6月、朝鮮人民軍の政治警察である保衛局(保衛司令部から改称)の幹部が北朝鮮の独裁者、金正恩委員長の秘密資金3000万ドル(約48億円)を持ち逃げする事件が発生し、大騒ぎが起きている。 軍の外貨管理者が3000万ドル 今年春頃、北朝鮮は自国で生産する兵器の質を向上させるため、コンピューター制御で動かすCNC旋盤などの精密機械を中国から密輸することを計画した。そのために1億ドルをひそかに北...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    6月19日、ロシアのプーチン大統領が24年ぶりに北朝鮮を訪問し、金正恩委員長と首脳会談を行った。両氏は「どちらか一方が、武力侵攻を受け、戦争状態になった場合、遅滞なく、保有するすべての手段で軍事的およびその他の援助を提供する」という規定を含む「包括的戦略パートナーシップに関する条約」を締結した。  この規定に従って、北朝鮮...

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韓国政府は、北朝鮮が風船でゴミを繰り返し送り付け、全地球測位システム(GPS)利用を妨害するなど有害行為をしていることに対して、「北朝鮮が耐え難い措置を取る」として6月9日午後、対北拡声器放送を6年ぶりに再開した。対する北朝鮮は同日夜にまたゴミ風船を飛ばすとともに、10日朝、「強力な対応を取る」と金与正副部長談話で脅した。 韓国内の左派は、北朝鮮が拡声器の銃撃など軍事挑発を仕掛ける可能性があ...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    6月1日、木原稔防衛相は韓国の申源湜国防相とシンガポールで会談し、韓国軍駆逐艦による自衛隊機へのレーダー照射問題を事実上棚上げし、日韓防衛交流・協力を活発化することで合意した。  2018年に起きた火器管制レーダーの照射は、一歩間違えれば自衛隊機が攻撃されかねない重大な敵対行為だ。韓国がそれを認めないままで日韓が防衛協力を...

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5月13日の「今週の直言」(核の威嚇に動じない抑止戦略の構築を)で、織田邦男元空将は、ロシアによる新たな核の威嚇に対して米国防総省、北大西洋条約機構(NATO)、ウクライナ国防省が一斉に非難の声を上げたことを紹介した。そして、わが国も周辺国から核の脅威を受けているのだから、抑止戦略を構築せよと論じた。その意見に全面的に賛成する。 しかし筆者には、強い疑問を感じていることがある。ロシアが戦術核...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    4月10日、韓国で国会議員選挙があった。韓国の国会は300議席の1院制で、任期は4年で解散はない。1回の選挙でその後4年間の立法府の力関係が決まる。結果は与党「国民の力」が108議席しか取れず、惨敗した。第1野党の「共に民主党」が175議席、曺国・元法相が3月につくった祖国革新党が12議席、その他野党5議席で、野党の合計は1...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    北朝鮮の金正恩政権の対日姿勢が突然硬化した。岸田文雄政権はこれまでと全く変わらない原則的なことを言っているだけなのに、北朝鮮はそれを問題視し、いかなる接触も交渉も拒否すると高官が繰り返し表明している。  ●金与正氏が態度一変  3月25日、金正恩国務委員長の妹で実質的な権力ナンバー2の金与正朝鮮労働党副部長が談話を出...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    私は2月19日の本欄で「近く、岸田(文雄)首相訪朝があり得る」と書いた。2月15日に北朝鮮の事実上の権力ナンバー2である金与正労働党副部長が訪朝の可能性に言及する談話を出したことを受けたものだった。ところが、マスコミと専門家の多くは、談話では拉致問題を障害物としない限り、という前提条件を付けているとして、訪朝の可能性を疑った...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    韓国の尹錫悦大統領と与党「国民の力」トップの韓東勲非常対策委員長には「原罪」がある。2人とも政治家になる前は特捜部検事だった。著名なジャーナリスト趙甲済氏は2月上旬、私に「検事時代の2人は法と正義に基づいて巨悪に立ち向かった法律家ではなく、法を使って反対派を弾圧する法技術者だった。この2人を批判しない大多数の韓国の保守派は真...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    「(岸田文雄)首相が平壌を訪問する日もあり得るであろう」。2月15日、北朝鮮の事実上のナンバー2である金与正副部長が、談話でこう述べた。1月5日には、兄の金正恩委員長が岸田首相に閣下という敬称を付けて能登半島地震の見舞い電報を打っている。これらの動きは、拉致問題を核問題と切り離して先に交渉しようという岸田首相のメッセージが北...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    北朝鮮で重大な政策転換が起きている。「韓国は統一されるべき同じ民族ではなく、戦争で平定すべき敵国」だとされた。昨年末の朝鮮労働党中央委総会と今年1月15日の最高人民会議で金正恩委員長が行った二つの演説でそれが明確に示された。  特に驚かされたのは、後者の演説で、祖国統一3大憲章記念塔を「コルプルギョン」(見苦しい)と罵倒し...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    12月18日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射訓練を行った。火星18は固体燃料型で、4月と7月に試験発射が行われていた。私がこれまで繰り返し強調しているように、試験発射とされるのはまだ開発が終わっていない段階であり、開発が終わると実戦配備されて発射訓練が行われる。従って、ついに固体燃料型のICBMが実...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    岸田文雄首相は、自身の任期内に憲法改正を実現すると繰り返し公言している。首相の自民党総裁としての任期は来年9月までだ。それまでに衆参両院の3分の2の賛成で憲法改正発議案を通し、国民投票を実施して過半数を得なければならない。残された時間は限られている。具体的にどの条文を改正するのか確定させるべき時が来ている。  自民党は、①...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    10月26日、韓国最高裁判所は朴裕河・世宗大学名誉教授の著書『帝国の慰安婦』の記述は「学問的主張ないし意見表明」であって名誉毀損罪で処罰される「事実の摘示」と見ることは困難だとして、罰金1000万ウォン(約110万円)を宣告した2審判決を無罪趣旨で破棄し、高裁に差し戻した。学問の自由の観点から歓迎したい。  ●学問の自...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    ついに政府が世界平和家庭連合(旧統一協会)の解散命令を東京地裁に請求した。私は昨年10月31日付の本欄で、福音派キリスト教信者として「政府と国会が現在進めている旧統一協会への対応に恐怖を感じている。…なぜなら、信教の自由という憲法で保障されている大原則によってこれまでできないとされてきたことが、次々とできることにされているか...

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9月13日、ロシア極東部の宇宙基地で北朝鮮の金正恩総書記とロシアのプーチン大統領が会談した。多くのマスコミは、この会談で北朝鮮からロシアへの武器提供が決まるかのように報じていた。しかし、すでに7月末のロシアのショイグ国防相訪朝時に、ロシア軍がウクライナ戦争で使う自動小銃、砲弾、ロケット砲弾、地雷、冬用軍服などの提供は合意が成立し、自動小銃10万丁をはじめとする引き渡しが実際に始まっていた。金総書記...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    9月5日、慰安婦強制連行・性奴隷説を否定する日韓両国の学者、活動家が集まり、ソウルで合同シンポジウムが開催された。この立場の日韓シンポが韓国で開かれるのは初めてだ。会場には両国の国旗が大きく描かれた横断幕が掲げられ、開会式では韓国の国歌斉唱の後に君が代斉唱があった。韓国人が大多数である約100人の聴衆の中には大きな声で君が代...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    北朝鮮の金正恩委員長が韓国を初めて「大韓民国」という正式国号で呼んだ。北朝鮮は韓国のことを米国の植民地だと位置づけ、国として認めていないので、これまでは「南朝鮮」と呼んできた。だから、その意図を巡りさまざまな解釈が出ている。  ●住民に広がる戸惑い  金委員長は8月28日に海軍の司令部を訪れて演説し、「米国と日本、『...

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7月27日の北朝鮮の朝鮮戦争「戦勝」70周年記念閲兵式にあたり、ロシアのプーチン大統領が祝辞を寄せた。訪朝したショイグ国防相が持参した。その中でプーチン氏は「数万回の戦闘飛行を遂行した飛行士を含むソ連の軍人も、朝鮮の愛国者と共に肩を組んで戦いながら、敵の撃滅に重みのある寄与をした。この過程に結ばれた戦闘的友誼の歴史的経験は、高貴な価値を有しており、政治と経済、安全分野においてロシアと朝鮮民主主義人...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    北朝鮮では今、すさまじい食糧難が発生し、首都平壌を含む全国で餓死者が続出している。軍将校、安全員(警察)、保衛員(政治警察)の家族への食糧配給が昨年11月頃から止まり、今年6月からは本人への配給も止まった。兵士も乏しい食事で飢えている。このような飢饉の状況を日本と韓国のマスコミはほとんど伝えていない。  韓国には北朝鮮内部...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    なぜ、言うべきことを言わないのか。国防の責任者である浜田靖一防衛相と海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長が、韓国海軍駆逐艦による海自哨戒機への火器管制レーダー照射問題を事実上棚上げにして日韓防衛協力を進めている。  浜田防衛相は6月4日シンガポールで行われた李鐘燮韓国国防相との会談で、同問題を棚上げにして再発防止のための実務...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    拉致問題が動くかもしれない。岸田文雄首相は5月27日、拉致被害者の家族会などが主催した国民大集会で挨拶し、「首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と述べた。すると、僅か2日後の29日、北朝鮮はパク・サンギル外務次官の談話を出して「朝日両国が互いに会えない理由がない」と応えた。  ●「会え...

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北朝鮮で社会の末端の崩壊が始まっている。今年に入りひどい食糧難によって一部で餓死者が出ていることはすでに韓国政府も確認している。最近私が北朝鮮内部につながりを持つ韓国筋から聞いたところによると、反体制的な事件がかつてなく急増している。 4月の間に全国で確認された反体制事件は過去最高の1000件だという。これは北朝鮮の政治警察である国家保衛省に報告された件数だから、実際にはもっと多いはずだとい...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    5月初め、北朝鮮拉致被害者の「家族会」、支援組織「救う会」、超党派の「拉致議連」の訪米が4年ぶりに行われ、筆者も「救う会」会長として参加した。「親世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しない」とする家族会と救う会の新運動方針への理解と支援を求めるのが訪米の主目的...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    韓国の尹錫悦大統領が米国を国賓訪問し、4月26日、バイデン米大統領と共に、米国の拡大抑止強化を盛り込んだワシントン宣言を公表した。尹大統領は共同記者会見で「私たち2人の首脳は北朝鮮の核ミサイルの脅威に直面し、相手の善意に期待する偽物の平和ではなく、圧倒的な力の優位を通じた平和を達成するため、両国間の拡大抑止を画期的に強化する...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    韓国の左派野党「共に民主党」の議員団が福島原子力発電所処理水の海洋放出に反対するため4月6~8日に日本を訪問した。それに対して韓国内で強い批判の声が出た。特に、日頃、反日報道の先頭に立ってきた有力紙、朝鮮日報が「科学と事実を拒否、デマ政治の誘惑を捨てられない共に民主党」と題する6日付社説で、処理水放出を危険視する野党の主張に...

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韓国では尹錫悦政権が打ち出した戦時労働者問題解決策と尹大統領の訪日の結果に対して、野党、左派言論から「屈辱売国外交」という非難の声が上がっている。学界でもソウル大学、高麗大学、東国大学、歴史関連53学会などが糾弾声明を出した。一方、与党、保守言論からは評価する声が上がり、激しい論争が続いている。 それを意識して尹大統領は訪日直後の3月21日の閣議の冒頭、「韓日関係を放置することは大統領として...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    尹錫悦韓国大統領が先週訪日した時、私は韓国にいた。韓国のマスコミでは、尹大統領が戦時労働者問題で大きく譲歩したとして、岸田文雄首相が明確な謝罪の言葉を述べるかどうかに注目が集まっていた。元労働者に韓国政府傘下の財団が慰謝料を支払うという韓国政府の解決策について、町には「日本がやったことなのに韓国が支払うのか」という左派野党の...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    3月6日に韓国の尹錫悦政権が発表した朝鮮人戦時労働者問題の「解決策」は「期限付き日韓関係最悪化回避策」だ。日本企業財産の現金化による関係最悪化を防ぐ便法として韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が原告に慰謝料を支払う「最悪化回避策」であり、同時に、次期政権で効力を失う危険性が内包されている「期限付き」だ。  ●...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    尹錫悦韓国大統領が3月1日の独立運動記念日演説で日本を「パートナー」と位置づけた。北朝鮮が連日のように公然と核攻撃演習を行う中、日米韓の軍事協力が欠かせないという大統領の危機感が背後にある。  また、韓国政府は日本企業に朝鮮人戦時労働者への慰謝料支払いを求めた韓国最高裁の不当判決の尻拭い策として、政府傘下の財団による支払い...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    我が国ではほとんど取り上げられないが、朝鮮半島で核をめぐる軍事緊張が急速に高まっている。北朝鮮が米国と韓国、日本への核攻撃を想定した演習を続け、それに対して日米韓が北朝鮮を牽制する軍事演習を繰り返している。それを受けて韓国内では、米国の核の傘への信頼が薄れ、独自核武装論が台頭している。  ●相次ぐ米韓標的の核攻撃演習 ...

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私は昨年12月26日に本欄で「金総書記が娘を公開した理由」というコラムを書いた。そこで、北朝鮮労働党総書記の金正恩の随行秘書をしている労働党宣伝煽動部副部長の玄松月について、「金総書記の愛人であることと、玄副部長に息子がいることは間違いないものの、9月9日に出てきた少女が玄副部長の娘だとは確認できなかった」と記した。 その後、複数の筋から詳細な情報を得ることが出来たので、金正恩の乱れた女性関...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    朝鮮半島で再び軍事的緊張が高まっている。2017年の緊張では核実験とミサイル発射で挑発を続けた金正恩総書記に対してトランプ米大統領が軍事的圧力をかけたが、今回は尹錫悦韓国大統領が一戦辞さずの覚悟を示している。緊張はどこまで高まるのか。関係者は、北朝鮮が今年中に南北境界線近くの延坪島などで局地戦を仕掛ける危険があると述べた。 ...

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「なぜ北朝鮮の金正恩総書記は娘を公開したのか」という質問をよく受ける。そのたびに私は「本人に聞かなければ分からないが、日韓のいろいろな解説者が語っているような大きな意味はないと思う」と答えてきた。 この質問に対して、曖昧な推測でなく、論理立てて答えてくれた人物がいた。2019年9月に韓国に亡命した元駐クウェート北朝鮮代理大使のリュ・ヒョヌ氏(49)だ。リュ氏は金総書記が娘を公開した理由を、極...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    11月13日、岸田文雄首相が訪問先のプノンペンで尹錫悦韓国大統領と初の公式会談を行った。韓国大統領府の関係者は、懸案の一つである朝鮮人戦時労働者問題について、「首脳間で具体的な議論はなかったが、両国の実務者間で解決策は1~2個に絞り込まれた」と説明した。  尹錫悦政権は発足以来、日本企業の財産が現金化され、それに我が国が制...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    私事で恐縮だが、私はキリスト教信者だ。その中でも新旧約聖書は間違いのない神の言葉であり信仰と生活の唯一の規範だと信じるプロテスタント福音派だ。イエスは処女マリアから生まれ、死人を生き返らせ、十字架で処刑された3日後に復活した、などと聖書に書かれている超自然的な内容をそのまま信じている。  キリスト教の立場からすると、文鮮明...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    10月10日、北朝鮮は9月25日から10月9日まで合計7回行われたミサイル発射について、金正恩総書記が現地で指導した「戦術核運用部隊の軍事訓練」だったと明らかにした。  私が繰り返し指摘しているように、北朝鮮のミサイル発射には国防科学院の試射と軍の訓練の2種類がある。核ミサイル開発は軍でなく党軍需工業部の下にある国防科学院...

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検事出身の尹錫悦大統領の経験不足が露呈し、韓国外交が多くの批判にさらされている。尹大統領はエリザベス英女王の国葬参列、国連総会での演説などのために9月18日から24日まで英国、米国、カナダを歴訪した。ところが、その過程で大統領本人とスタッフの未熟さを示す事態が続出し、内外からひんしゅくを買った。 秘書官が「日王」と呼ぶ非礼 英国では、到着直後に予定されていたエリザベス女王の棺へのあいさ...

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北朝鮮は9月8日、最高人民会議(国会)で核兵器使用条件などを定める「核戦力政策に関する法令」(以下「核法令」)を採択し、党総書記の金正恩が「核放棄のための交渉はあり得ない」「核はわれわれの国威であり、国体であり、共和国の絶対的な力である」とする施政方針演説を行った。法令と演説を詳細に分析すると、金正恩政権の置かれた苦境がよく分かる。 金正恩は今、二つのことに恐怖を感じている。第一に、韓国の尹...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    米政府は、ウクライナ戦争で苦戦するロシアが北朝鮮から数百万発のロケット砲や迫撃砲の砲弾を輸入するための協議の過程にあると明らかにした。国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が9月6日の記者会見で述べた。すでに輸入されたかどうかは未確認としている。  また、ロシアは独立を宣言させたウクライナ東部のドネツク、ルガン...

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