公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

国基研ろんだん

西岡力の記事一覧

 本欄でも、これまで何回か紹介してきたように、韓国で慰安婦問題、戦時労働者問題について、歴史の真実を知り、それを広く韓国社会に広める活動が活発化している。 「反日銅像真実糾明共同対策委員会」という団体が中心になっている。同委員会は『反日種族主義』の著者のひとりである李宇衍氏、弁護士の金基洙氏が共同代表。彼らは昨年12月から毎週水曜日、ソウルの日本大使館前の慰安婦像の近くで、正義連(旧挺対協)...

続きを読む

 米国トランプ大統領に対して日本では「差別主義者」「人権無視」などと批判する一部専門家がいる。しかし、日本の抱える重大な人権問題である北朝鮮による日本人拉致問題について、歴代の米国大統領の中でトランプ氏ほど、親身になって家族の苦しみに耳を傾け、北朝鮮に対して直接、解決を迫った人はいなかった。その意味でトランプ大統領は、日本人にとって人権問題に誠実に取り組んでくれた恩人といえる。なぜ、そのことがもっ...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    日本学術会議の存在意義について議論が盛り上がっている。学術会議を設立した日本学術会議法は1948年に制定された。当時、連合国軍総司令部(GHQ)は日本を世界平和の敵と見て、2度と世界に立ち向かえない弱い国にすることを目標としていた。  GHQが草案を作成し、前年に施行された憲法の前文には「日本国民は、(略)政府の行為によつ...

続きを読む

 安倍晋三首相の退陣前後に、その北朝鮮政策を批判的に総括する議論がいくつか出ている。北朝鮮問題を長く扱ってきた学者やジャーナリストが、トランプ政権とともに強い圧力をかける政策を実行してきたことを、そのために首脳会談に北朝鮮が応じず、拉致問題が進展しなかったなどと批判しているのだ。 しかし、安倍前首相の北朝鮮政策は成功している、その成功を土台に菅政権が拉致問題で大きな成果を上げる機会が来ている...

続きを読む

 平成29年(2017年)秋、米朝関係は戦争直前だった。当時から私を含む少数の専門家が指摘してきた通りだが、米紙ワシントンポストのボブ・ウッドワード(Bob Woodward)副編集人の新著「Rage(怒り)」がその生々しい状況を明らかにしている。トランプ大統領との17回のインタビューをもとに出版された同書から当時の生々しい状況を知ると、当時の日本の総理大臣が安倍晋三氏で良かったと心から思う。 ...

続きを読む

 9月1日、石破茂・元自民党幹事長が党総裁選挙出馬にあたり、会見を開いて拉致問題について次のように語った。 東京、平壌で連絡事務所を開設する。それは政府として公式に、責任をもった立場で拉致問題をどのように解決するかということに対応していかねばならないからだ これは大変危険な公約だ。強く反対したい。 「被害者死亡」確認と同じ 石破氏は2018年9月の前回の総裁選挙でも同じこと...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    「日本に対話を呼びかけ」―。日本の多くのマスコミは8月15日の文在寅韓国大統領の演説にこのような見出しを付けた。しかし、その全文を読み、同じ式典でなされた光復会(独立運動家とその子孫の会)会長の祝辞を読むと、現政権下での日韓関係の正常化はほとんど不可能だと考えざるを得ない。  ●空疎な対話呼びかけ  文大統領はこう語...

続きを読む

 7月10日、99歳の生涯を閉じた韓国の英雄、白善燁将軍に対する文在寅政権側の冷遇が自由世界の心ある人々を怒らせている。白将軍が逝去したのは10日の午後11時だが、同じ日の零時過ぎ、セクハラで告訴されて自殺した朴元淳ソウル市長の死体が山中で発見されている。つまり、ほぼ同じときに、韓国の国是である反共自由民主主義を守るために命がけで戦った英雄と、国是を崩すために左派市民運動家、人権弁護士、政治家とし...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力   これまで新型コロナウイルス患者は1人もいないと主張してきた北朝鮮が、初めて感染者発生を認めた。韓国から軍事境界線を越えて北朝鮮の開城市に戻った元脱北者の感染の疑いが濃厚と判明したというのだ。 7月26日、朝鮮労働党機関紙・労働新聞は一面トップで、前日に党非常拡大政治局会議が開催されたと報じた。そこで金正恩委員長は「わが国に悪...

続きを読む

 韓国の朴元淳ソウル市長が7月10日、市内の山中で遺体として発見され、自殺と断定された。朴市長は8日までは、不動産価格の暴騰を抑制する問題で、長年の左派運動の同志である与党「共に民主党」の李海瓚代表と会談するなど通常に業務をこなしていた。 ところが、9日に市庁に出勤せず全ての日程をキャンセルしていた。夕方、同居していた娘が(妻とは別居中)、「父が遺言めいたことを残して市庁官舎を出た後、携帯電...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    7月2日、韓国与党「共に民主党」所属で国会の外交統一委員長である宋永吉議員が、元慰安婦や元戦時労働者の遺族らとともに国会内で記者会見を開き、日韓でベストセラーになった『反日種族主義』の編著者李栄薫氏と、講義中に『反日種族主義』を取り上げて大学当局から懲戒処分を受けた柳錫春・延世大教授らを「歴史歪曲があまりにも深刻で到底黙過で...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    北朝鮮は金正恩独裁政権から金正恩・与正兄妹独裁政権へ移行した。金正恩労働党委員長の健康状態がかなり悪いことを意味する。6月8日、本コラムでは、与正氏が4日に談話を出して、脱北者が北朝鮮へ風船ビラを送ったことを口汚く罵り、それを黙認した韓国政府に南北連絡事務所の閉鎖や南北軍事合意破棄もあり得ると脅したことを、権力委譲の兆候と指...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの父、横田滋さんが天に召された。被害者救出のため、1997年から共に戦ってきた。戦場の私のすぐ横で敵に向かっていた戦友が敵弾に当たって倒れた、という感覚だ。  ●北朝鮮のウソと戦った横田滋さん  滋さんの戦いを一言で表すなら、世論に訴えてウソを打ち破ることだった。平成9年、実名を出...

続きを読む

元慰安婦の李容洙氏が30年間ともに運動をしてきた元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(正義連、旧称は挺対協=韓国挺身隊問題対策協議会)とそのリーダーの尹美香氏を批判した後、韓国では連日、尹氏らの不正、偽善、運動の政治利用が暴露され、検察が本格的な捜査に入った。 韓国の左派マスコミや与党内でも、検察の捜査で会計上の不正の証拠が出てくれば、尹氏を庇いきれないという雰囲気が広まっている。しかし、5月2...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    韓国で、元慰安婦の李容洙氏が支援団体の元代表、尹美香氏を寄付金使途不明などで激しく批判したことを契機に、不正会計、寄付金横領疑惑、活動の政治利用などが連日暴露され、ついに検察が本格的捜査に入った。  ●募金流用など疑惑続出  元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(旧称は挺対協=挺身隊問題対策協議会)の会計報告が収入額と支...

続きを読む

 北朝鮮の独裁者、金正恩委員長が5月1日、20日ぶりに公の場に姿を現した。正確に言うと北朝鮮公式メディアが2日、前の日に平安南道順川で行われた肥料工場の竣工式に金正恩が出席した際の写真と動画を伝えた。  若干、左足が不便なようだったのと、顔にむくみがあったように見えた。たばこを吸う場面もあり、少なくとも重病人には見えなかった。  ただし、動画では金正恩の右腕に傷跡のような黒い点が見えた。心臓の...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    北朝鮮の最高指導者、金正恩労働党委員長の健康状態について、様々な情報が飛び交っている。現段階で一番可能性が高いと思われるのは、最近信頼できる筋から入手した「4月12日に心臓の手術を受け、東部・元山の特閣(専用別荘)で療養している。元気な姿を公開できるほど回復してもいない」である。  ●「重篤」ではない  米情報機関は...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    15日の韓国総選挙で、文在寅政権の与党(共に民主党、共に市民党)が圧勝し、300議席のうち180議席、5分の3を占めた。それに左派小政党(正義党6議席、開かれた民主党3議席)を加えると、189議席になる。それに対して保守系の第1野党(未来統合党)は103議席、中道野党(国民の党)は3議席だった。  韓国の国会は1院制で、本...

続きを読む

 李度珩(イ・ドヒョン)前「韓国論壇」社長が5日、逝去された。87歳だった。最近は日本に来られる度に、国基研の企画委員会でも韓国情勢について講演をしてくださった。韓国保守論壇の重鎮であった。  「朝鮮戦争勃発時、ソウルを占領した北朝鮮共産軍がソウル大学病院で患者を虐殺し、それを止めようとした医者、看護師も皆殺しにした。ところが、いまの50代以下の若い世代はその事実を知らないで、南北対話に酔ってい...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    4月15日の韓国総選挙が近づいた。現時点で文在寅政権の与党と準与党側が圧倒的に有利な情勢だ。  韓国の国会は定員300の1院制だ。任期は4年で、解散はない。一方、大統領は任期5年の1期限りだから、任期中のどの時点で総選挙があるかは大統領ごとに異なる。文在寅大統領にとって今回の総選挙は、任期3年を過ぎた時点での中間評価的性格...

続きを読む