公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

西岡力の記事一覧

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    北朝鮮では昨年12月28日から4日間、労働党中央委員会全体会議が開かれた。本来なら党中央委員と同候補の300人で行う会議だが、今回は中央委員候補より下の党、行政機関、軍の幹部が全国から平壌に集められ、傍聴席を埋めたので、約2000人に膨れ上がった。  会議では金正恩委員長が約7時間、報告演説をした。その内容は一言で言うと「...

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 共同通信が12月26日報じたところによると、日本政府は2014年に北朝鮮から2人の拉致被害者の生存情報を伝えられながら、政府高官が安倍晋三首相の了承を得たうえで、公表しないと決めていたという。事情を知らない国民がこの記事だけを読むと許しがたい隠蔽行為と思うだろうが、この記事にはいくつかの疑わしい点がある。  まず2人とは、認定被害者の田中実さんと未認定被害者で在日朝鮮人の金田龍光さんで、共同通...

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 「反日種族主義」の著者の1人である李宇衍博士が12月18日、ソウル日本大使館近くで慰安婦像撤去と水曜集会に反対する1人デモをしていたとき暴漢に殴られるという事件が起きた。日本では産経新聞が19日付(WEB上では18日)で報じた。ところが、警備に立っていた警察は犯人を現行犯逮捕せず、むしろ犯人と被害者を一緒に派出所に任意同行して、犯人が暴行を続けるのを放置した。李宇衍博士らは警察の対応を「テロを傍...

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 12月22日、北朝鮮は金正恩が主宰して労働党拡大中央軍事委員会を開催し「自衛的国防力発展」について論議したと報じた。予告していた労働党中央委員会全体会議はその後に開かれるのではないかと予想されている。  私は以下のような北朝鮮内部情報を数日前に入手していた。それによると、25日以前に中央委員会全体会議が開かれることになる。情報の正しさはすぐ検証されるが、現時点で分かっていることとして、ここに国...

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李宇衍博士らが出した慰安婦像撤去を求める声明は以下の通り。 過去の記事はこちら ◇ 慰安婦像撤去と水曜集会中断を求める声明    慰安婦像は歴史を歪曲して韓日関係を悪化させます。 慰安婦像は「強制的に連れて行かれた少女」という歪曲されたイメージを作って国民にこれを注入・伝播しています。  しかし実際の慰安婦は10代初めの少女ではなく、平均的に20代半ばの成人でした。 そ...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    12月16日、東京とソウルで日韓関係をめぐり二つの動きがある。東京では戦略物資の輸出管理をめぐる日韓局長級対話が開かれる。報道によると、ソウルでは戦時労働者補償基金法案が韓国国会に提出される。日本の超党派国会議員がつくる日韓議員連盟の幹部らは、文喜相韓国国会議長が主導したこの法案に両国関係打開への期待をかける発言をしている。...

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 日本のマスコミはまったく取り上げないが、韓国の国会で与野党間の激しい政争が起きている。与党が群小野党と組んで議決を強行しようとしている2つの法案が成立すれば、韓国は全体主義体制に入ってしまう。すなわち、連動型比例制への選挙法改正と、文在寅政権が検察改革の核と位置付ける高位公職者犯罪捜査処(公捜処)新設法である。これに強く反対している野党第一党、自由韓国党の黃教安代表は11月20日から8日間、寒空...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    韓国の文在寅政権は22日、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄するとした決定の「条件付き効力停止」を発表した。また、日本政府による戦略物資の輸出管理強化を理由とした世界貿易機関(WTO)への提訴の取り下げを表明した。一方、我が国経済産業省は「韓国側が貿易管理体制の改善に向けた意欲を示している」として局長級協議を行う...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    「被害者も私たち家族も年を取ったが再会の決意は揺るがない。『子供たちを早く取り返していただきたい』という願いで一貫している。42年もたって解決しないことが本当に嘆かわしい。家族も高齢になり、いつまで帰国を待てるのか、と焦りがある」。横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された日(11月15日)を前に母の早紀江さんが語った言葉だ。 ...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    韓国の政府・与党が日韓関係改善を求めるメッセージを出し続けている。首相と国会議長が訪日して多数の関係者と会談したのに続き、文在寅大統領もバンコクで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の開始前の控室で安倍晋三首相に近づき、約10分間の対話を持った。この夏に「竹槍で日本に立ち向かえ」「秀吉軍と戦った李舜臣将軍を想...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    日本のマスコミの韓国報道はおかしい。10月25日午後から26日午前まで、文在寅大統領の退陣を求める20万人のデモがソウル中心部で夜を徹して行われた。ところが、私の見た限り、それを日本のマスコミはどこも報じなかった。これでは、いま韓国で起きていることの本質を正しく伝えることができない。  ●徹夜で20万人が集会  この...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    10月3日、開天節(韓国の建国記念日)を迎えたソウルで、文在寅大統領の下野と曺国法相の逮捕を要求する50万人のデモがあった。韓国史上、最大規模だった。韓国国旗の太極旗と米国国旗の星条旗を持つ人々が、光化門からソウル市庁前、南大門を経てソウル駅までの道路を埋め尽くした。  主催者の一つである第1野党の自由韓国党は参加者を30...

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 高校野球日本代表チームが韓国遠征に際して、わざわざ日章旗のエンブレムがついたシャツの着用を取りやめたことに対し、日本ではかまびすしい議論になっている。しかし、これは韓国に関する大きな無知が原因だと思う。  韓国でスポーツの日本代表が日の丸をつけていることが、問題になったことは過去に1度もない。今回も、韓国入りした後は日の丸がついている服を着用したというが、一切悶着は起きていない。たぶん、現地で...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    8月22日、韓国の文在寅政権は、日本との軍事情報交換のための日韓軍事情報保護協定(GSOMIA) 終了を決めた。日本にとっては2016年の協定調印以前の状況に戻るだけで、米軍との緊密な情報交換があるのでダメージはほとんどない。一方、韓国にとっては日本の衛星情報やレーダー情報などを瞬時に得ることができなくなるというマイナスがあ...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    8月2日、我が国政府が韓国を輸出優遇国から除外する措置を決めたのに対し、韓国の文在寅大統領は「非常なる外交・経済状況」が発生したとして臨時閣議を主宰し、冒頭発言で日本を非難した。しかし、その主張は事実関係を歪曲し、国際法の解釈をねじ曲げるものだった。  文大統領は日本の措置を「最高裁の強制徴用判決に対する明白な貿易報復だ」...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    日韓関係が悪化の一途をたどっている。私は13日からソウルで状況を取材している。韓国保守派の有力者は口をそろえて「文在寅政権の反日政策は反米・親北政策と一体であり、文在寅大統領の周囲を固める転向していない主体思想派(金日成主義者)の革命家たちが日米韓同盟を弱体化することを戦略目標として今の反日政策を進めている」と説明した。 ...

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 文在寅政権は日本がとった対韓輸出優遇措置の廃止を「経済報復」だと無理やり規定し、国民の反日感情をあおって支持を得ようとしている。それに対して、韓国の良識的保守派は戦時労働者の最高裁不当判決や慰安婦合意破棄により、文在寅政権が国家間の約束を破ったことから今の関係悪化が生まれていると指摘。まず、日本を批判する前に文政権が反日親北政策を止めることが先決だと主張している。  野党保守勢力も、文政権と与...

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 7月4日、日本が韓国に対して半導体素材の輸出への優遇を廃止した措置に対して、韓国では文在寅政権と左派与党、左派マスコミだけでなく、文政権を批判してきた保守野党や保守マスコミも批判の声を上げている。しかし、一部の良識ある知識人らは昨年10月の戦時労働者に対する最高裁判決を無効にすることなしに日韓関係の改善はないと冷静な判断を求めている。  保守派のリーダーである趙甲済氏が主催するニュースサイト「...

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 6月17日、文在寅大統領は7月24日で2年の任期が満了となる文武一(ムン・ムイル)検事総長の後任として、尹錫悦(ユン・ソクヨル)ソウル中央地検長(検事正)を指名した。高検検事長を経ていない地検長からの検事総長起用はこれまでにない異例の人事だ。検事総長は大統領が指名し、国会の公聴会の意見を聞いた上で大統領が任命する。公聴会の同意は必要ない。  尹地検長は1979年ソウル大学に入学し、在学中に光州...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    香港で中国共産党の抑圧体制下に入ることを拒否する大規模な抗議行動が起きた。香港政庁が進める「逃亡犯条例」改正案が実現すると、自由を求める香港人が中国共産党に引き渡されかねないため、人口700万人の香港で100万人以上が街頭デモに参加した。香港政庁は15日、改正案の審議の延期を決めたが、撤回ではない点や、デモを「暴動」と位置づ...

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