公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

西岡力の記事一覧

国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された。その際、日本大使は、登録された産業施設で戦時中に働いていた朝鮮人労働者について「forced to work under harsh conditions」(厳しい環境の下で労働を強いられた)と演説した。韓国はこの間、これら労働者が「強制労働」をさせられたと国際社会に宣伝してき...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    武藤正敏前駐韓大使が「日韓対立の真相」という著書を出版した。前大使としては異例なほど率直に韓国の対日姿勢を批判し、注目を集めている。前大使が勇気を持って同書を出したことには敬意を表するが、だからこそ、その議論の欠陥を二つ指摘して、建設的な論争を呼びかけたい。  ●韓国「告げ口外交」の背景見落とし  同書で武藤氏は、韓国政府...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    5月5日、米国の学者187人が慰安婦問題をめぐる日本政府の姿勢を批判する新たな声明を出した。その声明を一読し、私はやっと米国の学界でも日本国内での激しい論争の結果が理解されたのかと思った。    ●「強制連行」説の誤りを認めた  これまで米国では、日本軍が数十万人の朝鮮人女性を強制連行して慰安婦にしたという、日本の学界と言論...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    日本の対韓外交が重大な危機を迎えている。といっても、韓国の反日外交のため日韓首脳会談ができないなどの現状を指しているのではない。日本の対韓外交は1965年の国交正常化以来、釜山に赤旗を立てさせない、すなわち北朝鮮主導の統一により半島全体が赤化することを防ぐという戦略目標の下に展開されてきた。ところが、東アジアの冷戦を最前線で戦って...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    安倍晋三政権が北朝鮮への対応で大きな間違いを犯すのではないかと心配している。北朝鮮との協議が始まると、ようやく開いた窓を閉じさせてはならないとの理屈で、こちらが先に譲歩しなければならないという議論が必ず出てくる。  2002年の小泉純一郎首相の初訪朝直後、当時の田中均外務省アジア大洋州局長らは「日本に戻った拉致被害者を北朝鮮に返...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力     20年以上、外務省の謝罪外交を批判している筆者はたいていのことには驚かなくなっている。しかし、中韓両国の反日キャンペーンに対抗し、日本の存在感を高めるために、来年度予算で500億円を使って外務省が行おうとしている事業を知った時には、怒りと驚きが止まらなくなった。なんと、世界の主要都市に「ジャパン・ハウス」と称する拠点を建設し、和...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    戦時中の慰安婦募集の強制性を認めた1993(平成5)年の河野洋平官房長官談話の作成経過などに関する有識者チームによる日本政府の検証報告が20日公表された。それを読んで、腹が立って仕方がない。談話の文言に干渉したとされた韓国に対してではない。慰安婦問題によって日本国と日本の先人の名誉が著しく傷つけられた原因の一翼を河野談話が担っ...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    北朝鮮の金正恩政権は拉致被害者らの再調査で、2002年に「死亡」とした横田めぐみさんらを返す決断をしたのか。現段階ではその兆候はない。その意味で5月末の日朝の再調査合意は日本にとって大きな賭けだ。  合同調査ではなく北朝鮮が単独で調査を行い、その結果を日本が確認するという枠組みができたことは評価できる。犯罪を実行した側はわれ...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    2月20日、衆議院予算委員会に石原信雄・元官房副長官が参考人として出席し、平成5年の河野洋平官房長官談話が認めた慰安婦の「強制連行」は根拠のないことを認めた。  談話作成の事務方責任者だった石原氏は、①韓国側の要請で、強制があったことを認めるため元慰安婦の聞き取りを行った②得られた証言の裏付け調査はしなかった③日本政府の調べ...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    「在北京韓国大使館に北朝鮮の大物亡命者がかくまわれている。その人物は北朝鮮の核ミサイル開発に関係していた」。12月上旬から流れている情報だ。そして、その大物が白世峰第2経済委員長(国防委員)だという情報が数日前から流れて、関係者を緊張させている(韓国・文化日報18日、NHK19日報道)。もし、この情報が正しければ重大事態だ。私...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    北朝鮮独裁政権の最高幹部だった張成沢が処刑された。今回の粛清は、①政権の未熟さとあせりを反映する「同時中継性」②経済制裁による外貨の枯渇から来る利権争い③党内での血で血を洗う権力闘争―が特徴と言える。今後、金正恩政権は内部に不安定さを抱えながら、軍事優先の強硬路線を強めていくだろう。金正恩暗殺やクーデター、大規模暴動などがいつ...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力    韓国の朴槿恵大統領が訪米した。北朝鮮の核武装を許さず、挑発に断固として対応することを強調したが、そのために必要な日米韓3カ国の連携の強化については言葉を濁し、安倍晋三政権の歴史認識を問題視する発言を執ように行った。安倍政権は韓国との信頼関係構築のため外相会談や首脳会談の早期実現を働き掛けているが、朴槿恵大統領がそれを先送りにし...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力     2月12日、北朝鮮が核実験を強行した。国連安保理決議に対する明白な違反であり、国際社会への許し難い挑発行為と言える。  北朝鮮はかつて核拡散防止条約(NPT)に加入し、核保有国から核技術の支援を受けた。その後、一方的にNPT脱退を宣言して核武装を進めた。NPTに最初から入っていないインドやパキスタンと異なる。北朝鮮のようにNP...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 得票率51.55%対48.02%、108万票の差で朴槿恵候補が当選した。12月19日に行われた韓国大統領選挙の結果だ。1987年の現行憲法施行以来、初めて過半数を得票した大統領となる。女性大統領の誕生も韓国史上初めてだ。   従北勢力を韓国民が拒否 野党の文在寅候補は、選挙戦で「北朝鮮人権法反対、国家保安法廃止、低い段階の連邦制統一実現」とい...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 北朝鮮の金正恩政権がおかしい。独裁システムは維持されているが、肝心の独裁者の統治能力が著しく低いため、この1年間、さまざまなところで統治の乱れが顕在化している。 無謀な酷寒期のミサイル発射 今回のミサイル発射騒ぎもその一つだ。北朝鮮は12月10日から22日までの期間に彼らの言うところの人工衛星打ち上げを行うと1日に予告していた。ところが8日...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 野田政権が竹島問題を国際司法裁判所に単独提訴する方針を事実上撤回した。提訴準備はほぼ終わっているにもかかわらず、当面は韓国の今後の出方を見極め、すぐに提訴しないという。大きな間違いであり、韓国と国際社会にわが国の主張が誤解されかねない。李明博大統領が日韓友好精神を踏みにじって竹島上陸を強行したことに対して、野田政権は抗議したのではないか。これでは、...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 李明博大統領の突然の竹島訪問と天皇陛下への礼儀に反する発言をきっかけに、日韓関係が悪化している。少なくとも日本人の対韓感情は昭和40年の国交正常化以降で最悪になった。 歴史認識の一致を求める愚 これは、李大統領が日本に対して無理やり歴史認識の一致を要求してきたことを原因としている。日本は竹島の領有権主張を一度も下ろしたことはない。日本が右傾...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 8月29日、北京で4年ぶりに日朝政府間協議が行われた。課長級の予備協議という位置づけで、協議は予定より1日延び、31日に、双方の関心がある事項について本協議を持つことで合意した。日本側は当然、そこには拉致問題が含まれると発表したが、北朝鮮はそのことを明言していない。 遺骨1体400万円を要求? そもそも今回の政府間協議は、北朝鮮が日本人戦没...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 先週、北朝鮮で人民軍総参謀長の李英鎬が解任され、党第1書記金正恩が大将から元帥へ昇進した。その背景に関して様々な分析が出ている。 改革路線への転換は疑問 第1は、軍強硬派である李英鎬の解任は、金正恩政権が金正日時代の路線を転換し中国式改革開放政策をとるための布石だという見方だ。李英鎬解任の決定が党政治局会議で行われたことを根拠に、軍主導の先...

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国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力 慰安婦問題が昨年からまた燃え上がってきた。これで4回目だ。1991年に朝日新聞がキーセンとして人身売買された女性を「挺身隊として強制連行された」とする大誤報をしてから、93年に慰安婦の「強制連行」を事実上認めた河野洋平官房長官の談話が出るまでが1回目。96年にすべての検定済み中学歴史教科書に慰安婦強制連行の記述が入り、有識者と議員らが事実誤認だと問...

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