公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

櫻井よしこの記事一覧

国基研理事長 櫻井よしこ    いま韓国の朴槿恵大統領に必要なのは、国の存立を脅かす真の敵を冷静に特定することだ。それは間違いなく北朝鮮と中国であり、全力で闘うべき相手は韓国内の「従北勢力」と、彼らを操る北朝鮮、その背後の中国であろう。  にも拘わらず、朴大統領は5月22日、金章洙国家安全保障室長と南在俊国家情報院長を辞任させた。野党統合進歩党の内乱陰謀が発覚した事例に見ら...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    今週、国賓として来日するオバマ大統領には、群を抜く大国の指導者としての責任ある振る舞いを期待したい。  今回のアジア歴訪は昨年10月、インドネシアでのAPEC首脳会議を欠席したことで生じた空白を埋め合わせる、いわば失地回復外交である。歴訪国はすべて中国と領土領海問題を抱えている。それだけに最初の訪問国日本で、自由主義陣営の雄として、アメリカの...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    中国の習近平国家主席は本気である。朴槿恵韓国大統領による朝鮮独立運動家・安重根の記念碑建設の働き掛けで始まった中韓共闘の対日歴史戦争は、3月23日、オランダのハーグで習主席が朴大統領に新たな抗日記念碑の完成が間近であることを告げるなど、中国主導に転換した観がある。  いまや習主席自身が対日非難の先頭に立ち、3月28日、ドイツで、日本の軍国主義...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    「中身のないがらんどうの観念論を打ち捨てて、現実に立ち戻れ」「理性と合理に基づいて、日本再生の突破口を開け」―。これが「即時原発ゼロ」を叫んだ小泉純一郎、細川護煕両元首相陣営の大敗に終わった東京都知事選挙が突きつけているメッセージであろう。  国家基本問題研究所は選挙戦の最中、意見広告で「あなたは原発問題だけで都知事を選びますか」と問題提起し...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    勝利の万歳三唱をする人々の顔触れを見て、異様な感じを受けた。沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を最大の争点とした名護市長選挙で、勝った移設反対派の現職、稲嶺進氏を取り囲んだのは、社民党の照屋寛徳衆議院議員ら本土では消え去りつつある革新陣営の人々である。  「沖縄は常に差別され、今なおウチナーンチュ(沖縄県民)は日本国民として扱われ...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    ●靖国参拝は戦後体制終焉の一歩  日本は今年、あらゆる困難から逃げずに、賢く雄々しく闘わなければならない。  「時代の変化を捉えて憲法の解釈変更や改正に向けて国民的議論をさらに進めて行くべきだ」  安倍晋三首相は年頭の会見でこう語った。いま、日本は、小賢しい優先順位論を脱して、懸案事項の本質にズバリ切り込まなければならない。「べき」論を脱...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    間もなく靖国神社の秋の例大祭が執り行われる。参拝を長年の強い想いとしてきた安倍晋三首相にとって、眼下の国際情勢を分析すれば、参拝すべきときは今を措いてない。にも拘らず、首相参拝は今回も実現しないとの報道があり、最大の障壁はいまや中国でも韓国でもなく、米国だとの見方が専らである。  自民党幹部も語った。  「オバマ大統領は中国と問題を起こした...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    原発に向き合う上で大事なのは、科学と理性に基づく姿勢である。民主党は科学を捨て去り、専ら感情を以て原発事故に対処し、およそすべての点で失敗した。自民党は民主党の犯した過ちを根本的に改めるべき立場にある。安倍晋三首相の発するメッセージも科学的かつ合理的であることが求められている。  東京電力福島第1原発の5号機及び6号機の廃炉要請という首相の9...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    東日本大震災から丸二年が過ぎた。あのとき私たちは、日本人は自己の利益よりも他者への思い遣りを優先し、究極の困難の中で助け合う、礼儀正しく忍耐強く、真の勇気を持つ人々であると、国際社会から高い評価を受けた。いま私たちは、その賞讃に値する国民であるのかが厳しく問われている。  ●放射能への過度の恐れ  岩手、宮城、福島3県の復旧・復興は...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ    1月16日に発生したアルジェリア人質事件の本質は、2001年に米国を襲ったアルカイダなどのテロ勢力が、10年余の間にアフリカに新たな拠点を築いて勢力を盛り返しているということだ。  ●アフリカが過激派の拠点に  「アラブの春」で民主化運動が広がり、北アフリカの独裁政権が倒れたが、民主的体制は樹立されていない。イスラム過激派やテロ勢力が混乱に...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ     安倍晋三首相を待ち受ける課題は、歴史認識、安全保障、経済停滞などどれも容易ではない。とりわけ歴史問題は中韓のみではなく、同盟国の米国をも念頭に置いた対処が必要だ。  ●無知を露呈した米紙社説  1月3日、ニューヨーク・タイムズ紙は社説で、安倍首相の産経紙上でのインタビュー発言を、ロイター電を基に激しく非難した。日本の過去の「侵略」を詫びた19...

続きを読む

拉致被害者の横田めぐみさんは「1994年に死亡した」と北朝鮮は言い続けるが、実は2007年当時生存していた。 拉致問題解決を目指す日本政府、家族会、救う会などは全て、拉致被害者全員の生存を確信して活動中だが、いままためぐみさんの生存情報が伝えられた。その証言が報告されたのは12月14日、東京で行われた国際セミナー、「北朝鮮・拉致被害者最新情報と救出戦略」でのことだった。証言者の李英秀...

続きを読む

  福島復興を妨げる『1ミリシーベルト神話』   櫻井よしこ       民主党政治の3年余を問う12月16日の衆議院選挙を目前にして、福島は依然として苦しんでいる。3・11から1年と9ヵ月、福島第一原発(1F)の立地する双葉町、隣の浪江町と富岡町はいずれもまだ大部分が警戒区域であり、一時帰宅は可能だが、誰も住んでいない。大熊町は10日に警戒区域が解除されたが、中心部は依然として立...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 「原発ゼロ」と大書したビールケースに立って選挙を戦った菅直人前首相(民主)の敗北は、国民が日本国の進路としてどちらを向いているかを明確に示したものだ。比例区で復活当選を果たしたとはいえ、前首相たるベテランが選挙区で拒絶されたのだ。それは脱原発、対中妥協、反憲法改正路線への峻拒である。 立地選挙区で自民圧勝 例えば原発が立地する13選挙区の内、11選挙区で自民...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 11月13日、参議院議員会館の講堂は熱気に溢れていた。チベットのダライ・ラマ法王14世の講話「普遍的責任と人間の価値」を聞く会には、国会議員134名、代理98名の計232名が出席した。 民主党有志を代表して牧野聖修衆議院議員が、自民党を代表して安倍晋三総裁が挨拶し、安倍氏は「人権が弾圧されている現状を変えていくために全力を尽くすことを誓う」と述べた。講堂には共...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 野田佳彦首相は尖閣諸島を買い取っても、島を放置する方針だ。首相に出来る最大限の措置は国有化にとどまり、いま最も必要な尖閣諸島の領有を、漁民のための船だまりや通信施設の整備によって形にして示すことには手をつけない心算づもりだと見て間違いない。石原慎太郎都知事が、広く国民から募った約14億円をそっくり国に渡すと言っていた考えを変えて、都の手元にとどめると発言し始めたのも...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 首相官邸周辺で金曜日ごとにデモが行われ始めて5か月目、参加者は福井県・大飯原発の再稼働決定以降増え始め、一時は15万~18万人に上ったと主催者は発表、他方警視庁は1万7000人と発表した。 7月30日の朝日新聞は社説で「1960年の安保闘争から半世紀。これほどの大群衆が、政治に『ノー』を突きつけたことはなかった」、「『もの言わぬ国民』による異議申し立て」であり...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 本州から1800キロ、わが国の最東端に位置する南鳥島の排他的経済水域(EEZ)の海底で、膨大な量のレアアース(希土)泥が見つかった。レアアースの濃度が1000ppmから1500ppmという、非常に高品質な泥で、濃度が400ppmの水準にとどまる中国のレアアースより数倍、良質であることも判明した。発見したのは東大工学部の加藤泰浩教授の研究チームだ。 加藤教授らは...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 沖縄の二大紙、琉球新報と沖縄タイムスは、全体像を伝える新聞の機能を果たさず、プロパガンダ紙になり果てている。年来、沖縄戦での軍の集団自決命令に関する報道に典型的に見られる両紙の偏向は目に余るが、米軍普天間飛行場に配備される垂直離着陸輸送機オスプレイに関しても同様だ。 誇張される危険性 日米両政府は8月には同機を普天間に配備する予定だ。西太平洋からインド洋、と...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 連休中、国基研代表団長としてベトナムの首都ハノイを訪れ、ベトナム外交学院及び社会科学院中国研究所等との意見交換を行った。焦点は中国問題、特に南シナ海問題の解決にベトナムはどう対処し得るか、であった。 一連の会談で年来の私のベトナム観は一変した。フランスと戦って独立を果たし、米国に撤退を決意させ、1979年の中国の侵略を退けたベトナムこそ、自主独立の気概溢れる国...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ   チベット亡命政府首相ロブサン・センゲ氏招致委員会の長として首相をお招きし、4月3日、国家基本問題研究所主催のシンポジウム「アジアの自由と民主化のうねり 日本はなにをすべきか」を開催した。強い風雨の中、会場がほぼ埋め尽くされたことに、まず胸を打たれた。 チベット、ウイグル、モンゴルの代表から、非道を極める中国の異民族弾圧が具体的に指摘され、世界は、自由、民主主...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相の来日を機に、4月3日、国家基本問題研究所主催でセミナーを開催する。21世紀の世界のあるべき基本的価値観を考える好機である。 諸問題の元凶は中国 現在の国際社会には、無法と反民主主義の嵐が吹き荒れている。すでに8500人以上の国民を殺害したシリアのアサド大統領に対して、或いはイランの核開発に対して、国連も国際社会も手を打...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 野田内閣が女性宮家創設についての勉強会を発足させた。ご高齢の天皇・皇后両陛下のご負担軽減のためとして、女性宮家創設を推進する考えだと仄聞そくぶんする。 だが、女性宮家創設は皇室と日本が直面する問題の解決にはつながらない。むしろ、皇統の継承を男系天皇から女系天皇に一大転換させる結果を招き、将来に禍根を残すことを憂うるものだ。 「女系天皇」への転換も 皇室...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ いま、国家の基本的政策に心を砕いているのは誰か。本来、その責務を担うべき菅直人首相ではなく、地方自治体の首長らではないか。玄海原子力発電所の再稼働問題から菅首相の国益なき私益追求の姿が見えてくる。 町長が再稼働の決断 佐賀県玄海町の岸本英雄町長は7月4日、九州電力に定期検査で停止中の原発2号機と3号機の再稼働に同意する旨を伝えた。町長は再稼働決定前に、議会と...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 内モンゴル人はもはや抵抗のために立ち上がることさえできない――。内モンゴル人自身がそう考えてきたほど、彼らは漢民族によって徹底的に弾圧され、粛清され、虐殺されてきた。 大部の『内モンゴル自治区の文化大革命 モンゴル人ジェノサイドに関する基礎資料』をまとめた静岡県立大学教授、楊海英氏は、内モンゴル人の家族で中国共産党の弾圧により一人の死者も出していない家族は皆無...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 福島第一原発から半径20km圏内の警戒区域への住民の一時帰宅が10日から始まる。避難所生活はお年寄りには重い負担である。働き盛りの世代は 仕事も出来ず将来の生活不安がのしかかる。だからこそ、わずか2時間の一時帰宅でも、発表されると歓声が上がった。 住民を避難所生活から解放する工夫を 放射線治療の専門家で静岡県立がんセンター総長の山口建氏は、いま新しい発想が必...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 空前絶後の東日本大震災の救援、復興作業に、菅直人首相は自衛隊24万人のうち10万人を派遣した。史上初めて予備自衛官6000人も投入済みだ。国難に全力投球で対処するのは当然だが、自衛隊の半数近くを東日本に集めたことが、北方領土や沖縄・南西諸島を含む日本全体の国防をおろそかにすることになってはならない。 とりわけ中国とロシアには要注意だ。両国は大震災に援助の手を差...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 巨大地震と巨大津波と複数基の原子力発電所事故。私たちはいま、日本1国を超え、人類の歴史始まって以来の大惨事に見舞われている。この試練に私たちはなんとしてでも打ち勝ち、大惨事を乗り越えていかなければならない。 開かれなかった安保会議 にも拘わらず、菅直人首相及び民主党政権の対処は狂気の沙汰である。地震発生からすでに丸10日が過ぎた3月21日現在も、菅首相は安全...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 市内の広大な土地を中国政府に売却するか否かで新潟市が大きく揺れている。 問題の土地は新潟駅から500メートルの市中心部に位置する万代小学校跡地で、約5000坪である。これを総領事館建設用地として中国に売却し、最近閉店した百貨店跡地も売却して中華街を作りたいと、新潟市長の篠田昭氏らは考えている。 尖閣は「小さな事件」? 私は10月末に新潟県を訪れ、初めて...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 尖閣諸島周辺のわが国領海侵犯事件の第一段階は、「市民連合」対「国家」の闘いだった。国家観なき菅直人民主党政権と、領土拡大にひた走る帝国主義国家、中国共産党政権との対立である。 領海侵犯事件を公務執行妨害に問い、刑事事件として扱おうとした日本とは対照的に、中国は、船長の即時無条件釈放を要求し、「中国の領土領海」における日本の如何なる監視行動も許さないと発表したこ...

続きを読む

国基研理事長 櫻井よしこ 民主党を大敗させた参議院議員選挙は、同党の病根である左派系労組の影響力を、とりわけ参議院において強める結果になった。 民意は左派の拒絶 今回の参院選の特色は、選挙区と比例区で相反する結果が出たことだ。選挙区では自民優勢、民主劣勢が顕著で、自民の39議席に対して民主は28議席にとどまった。神奈川選挙区で現職の法相、参院議員を4期つとめた千葉景子氏が落選したのは...

続きを読む

理事長 櫻井よしこ 「今日の政治の最大の問題は、金のかかる選挙である。そして、政治資金をめぐって腐敗が起き、政治家の倫理観が問われている」今から30年前、小沢一郎氏は、父、佐重喜氏を偲しのんで纏まとめられた『人間小澤佐重喜』(小沢一郎後援会・陸山会発行)の中で、こう書いた。政治資金に起因する腐敗を防ぎ、政治倫理を正しく保つために、氏が唱えた改革が、選挙制度の改正、即ち小選挙区制の導入と政治資...

続きを読む

当研究所では、週一回のリポート「今週の直言」の会員向け配信を平成21年9月7日から開始致しました。当研究所の企画委員らが執筆し、法人会員・賛助会員の方には毎週月曜日にEメールかファクスでお届けします。個人会員の方はホームページの会員専用ページでご覧下さい。会員専用ページに掲載したリポートは、2週間後に公開します。 理事長 櫻井よしこ 1月19日、駐日米国武官が主催する予定の「ホームパー...

続きを読む

理事長 櫻井よしこ 新しい年が巡って来る。私たちの前に広がるこの一年は緊張あふれる年になるだろう。私たちは民主党政権下の政治的空白と政府の機能停止状態から脱して、多くの緊急事態に向けての準備を整えなければならない。最も切迫した緊急事態は、日米関係のゆらぎである。 日本に孤立の恐れ 米国に対する好悪に拘わらず、日本の生き残りを担保する当面の力は、日米安保条約の下で緊密な日米協力関係を維...

続きを読む