中国の習近平国家主席は本気である。朴槿恵韓国大統領による朝鮮独立運動家・安重根の記念碑建設の働き掛けで始まった中韓共闘の対日歴史戦争は、3月23日、オランダのハーグで習主席が朴大統領に新たな抗日記念碑の完成が間近であることを告げるなど、中国主導に転換した観がある。
いまや習主席自身が対日非難の先頭に立ち、3月28日、ドイツで、日本の軍国主義の犠牲者数は3500万人、南京事件で日本軍は30万人以上を殺害した、と語った。だが、情報戦の常として、習主席の主張は嘘と捏造に満ちている。中国が仕掛けたこの世論戦は、武器の使用はないが紛れもない戦争である。この戦いに日本は全力で反撃しなければならない。
●犠牲者3500万人の嘘
戦いを決するのは、歴史の事実である。事実は間違いなく日本の味方である。なぜなら、彼らは歴史を捏造し、日本は捏造していないからだ。だが、事実も歴史も学ばず、主張しない日本は、ずっと戦いに敗れてきた。いま事実を味方とするに十分な歴史の学びが必要である。
まず、日本軍の犠牲者が3500万人という嘘だ。日本の敗戦後、中国国民党は根拠を示すことなく、日中戦争の犠牲者数を320万人と主張した。暫くしてこの数は579万人に増えた。国共内戦が終わり、中華人民共和国が建国されると、2168万人だと今度は中国共産党が主張した。反日教育を徹底した江沢民国家主席(当時)は戦後50年の1995年5月、またもや数字を引き上げ、3500万人だと宣言した。
中国社会科学院近代史研究所所長の歩平氏は、2005年北京で、田久保忠衛氏と私との歴史論争で問い詰められ、犠牲者数は「民族感情に直接関係している」と語った。捏造を認めたのである。
●南京大虐殺はなかった
次に、「南京大虐殺」の「30万人」の嘘である。1937年12月13日に南京に入った日本軍が、翌年2月初旬までに30万人を虐殺したというのだ。しかし、民間人保護のために設置された南京安全区国際委員会がこの間に日本大使館に提出した69通に上る「報告書」には、「大虐殺」の文字もそのような事態の展開を示す記述も一切ない。なぜか。虐殺はなかったからである。
1946年に南京の軍事法廷に「大虐殺」の決定的証拠として出された国民党軍の士官・郭岐による「陥都血涙録」には、「所と時をかまわぬ乱殺は記録するすべがない。銃声が終日たえない日が三か月続いた」と書かれている。
同じ人物が当時の南京の日常を、「正午には同僚の家で昼食を食べ、日本の情報を得るか、あるいは碁を打つかした。いずれにしても平々凡々とすごした」と書き残している。
終日中国人を殺す日本軍の銃声が響く中で、如何にして平々凡々な日常が可能なのか。大虐殺は真っ赤な嘘なのである。私たちは中国の歴史戦争にとことん付き合い、事実をもって徹底的に反撃し続けよう。そのために日本人全員が歴史通になろう。(了)