公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    私は4月4日付本欄で、北朝鮮の実質的ナンバー2である金与正朝鮮労働党副部長らが非核保有国の韓国に核恫喝を加えたことについて、同じ非核保有国であるわが国にとっても見逃せない危機であり、核拡散防止条約からの脱退を検討すべきだと書いた。  残念ながら私の問題提起はほとんど波紋を呼ばなかった。恫喝した人物が北朝鮮の最高指導者ではな...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    岸田文雄首相が先の6カ国訪問の締めくくり会見で述べた「ウクライナは明日のアジア」との修辞は、現状変更勢力の中露に対抗する米欧との連帯を示す表明であった。ロシアにとって西の隣接国はウクライナだが、東の隣接国は日本であるという現実を考えれば、妥当な判断だ。しかも、目の前には地域覇権を目指す中国が、ロシアとの新しい枢軸を形成している。他方、岸田...

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国基研副理事長 田久保忠衛    国際情勢の変化は日本に憲法改正の必要を促している。ウクライナ戦争によって北大西洋条約機構(NATO)諸国はこぞって防衛面の強化に乗り出し、とりわけ軍事忌避の傾向が強かったドイツは国内総生産(GDP)の1.5%だった防衛費を一挙に2%以上へ引き上げることになった。日本の防衛努力強化の動きに敏感な米国の一部リベラル派に存在した「軍国主義復活」警戒論も...

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国基研理事長 櫻井よしこ    ドイツのショルツ首相はロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵略戦争に敏感かつ果敢に反応した。核大国が核を脅しに使い、核拡散防止条約(NPT)体制が事実上崩壊した中で、ドイツも欧州も一変した。だが、わが国はロシアと中国、北朝鮮に囲まれ、世界で最も深刻な脅威に直面するというのに、周回遅れの対応を続けている。    ●専守防衛では国を守れない  ...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    財務省は4月20日、財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会を開き、自民党内で広がる防衛費増額論を「国民の生活や経済、金融の安定があってこそ防衛力が発揮できる」と牽制したと報じられている。  しかし、自衛官として国家の安全保障に任じてきた筆者としては逆に、国家の安全が保障されず今日のウクライナのような状況になれば、国民の生活や経済は...

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東京大学教授 鈴木一人    ロシアのウクライナ侵攻は、現代戦において電力と電波の維持が極めて重要であることを明らかにした。2014年にウクライナのクリミア半島を占拠した際、ロシアが用いた手法は「ハイブリッド戦」と呼ばれるもので、電力を支配して停電を起こし、電波を支配して通信を遮断した上で、偽情報をばら撒まき、非正規軍を投入して武力による支配を可能にし、憲法上の規定のない住民投票...

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インド政策研究センター教授 ブラーマ・チェラニー    ロシアのウクライナ侵攻をめぐる西側とロシアの対立で、非西側世界の多くは独自路線を追求することを選んだ。実のところ、西側以外の主要な民主主義国は、南アフリカ共和国、ブラジルからインドネシア、インドに至るまで、中立を採用した。  バイデン米政権は、特にインドが国連のロシア非難決議に何度も棄権したことに苛いら立った。インドは世界...

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国基研評議員 岩田清文    米国、英国、オーストラリア3カ国が昨年9月に創設した安全保障パートナーシップの枠組み「AUKUS(オーカス)」の下では現在、豪州海軍の原子力潜水艦取得計画が進行している。3カ国はこれに加えて4月5日、AUKUSの一環として極超音速兵器の開発でも協力すると発表した。AUKUS創設の背景には、中国による太平洋、南シナ海、インド洋などへの覇権拡大に対する米...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    北朝鮮が核兵器による露骨な恫喝を行った。北朝鮮が米国本土まで届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を強行したことに対して、韓国国防相は4月1日、「ミサイル発射の兆候が明確な場合には、(韓国は)発射地点と指揮・支援施設を正確に攻撃できる能力と態勢を備えている」と発言した。すると2日、金正恩委員長の妹で実質的な権力者の金与...

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前統合幕僚長 河野克俊    ウクライナ戦争は戦後世界が信じて疑わなかった安全保障の前提を大きく崩すことになった。  ●崩壊したNPT体制  第一は核管理を支えてきた核拡散防止条約(NPT)体制の実質的な崩壊である。NPTは核軍縮を目的に1968年に国連総会で採択され、1970年に発効した。米国、中国、英国、フランス、ロシアの5カ国以外の核兵器の保有を禁止する条約である。...

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