公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    自民党総裁選(27日投開票)に出馬した9人の候補者の口からしばしば出てくるのが「覚悟」という言葉である。例えば、小泉進次郎元環境相は「覚悟を持って、やるべきことを断行し、未来に明るい展望の持てる国に」と決意を語っている。日本を取り巻く安全保障環境がかつてないほど厳しい中にあって、新しい首相となる次期総裁には、文字面だけでなく真の意...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 加藤康子    バイデン米大統領は「国家安全保障上のリスク」を理由に、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を阻止する準備に入ったと伝えられる。次の大統領の座を争うトランプ前大統領(共和)とハリス副大統領(民主)も、この買収に反対している。岸田文雄首相と自民党総裁選立候補者は「日本は米国の強固な同盟国で、安全保障上のリスクはない」と、理不尽な政...

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国基研副理事長・弁護士 髙池勝彦    小泉進次郎氏は9月6日、次期首相を事実上決める自民党総裁選挙への出馬を宣言した中で、選択的夫婦別姓制度を導入する法案の提出を公約に掲げた。選択的夫婦別姓制度とは、夫婦が婚姻に際して同姓とするか別姓とするかを選択できるといふものである。小泉氏は、若さを売り物に、その公約も新鮮さを打ち出したいのであらうが、十分な議論もなくこのやうな重大な問題を...

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国基研理事・元統合幕僚監部首席法務官 黒澤聖二    中国軍のシュパン級測量艦が8月31日、鹿児島県口永良部島沖のトカラ(吐噶喇)海峡で我が国領海内に侵入した。日本政府の抗議に対し中国外務省は9月2日、国際海峡の「通過通航権」の行使であり、正当な通航と主張した。  果たしてトカラ海峡は国際海峡なのか。何故中国艦は大隅海峡(鹿児島県大隅半島沖)や宮古海峡(沖縄県の宮古島と沖縄本島...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    自民党総裁選挙で最有力候補の一人と目される小泉進次郎元環境相は9月6日の出馬会見で、労働市場の規制改革を1年の期間限定でやり遂げるという決意を表明した。しかし、労働市場の流動化はわが国経済の需要回復が前提でなければならず、優先順位を間違えると失業者を生む結果になりかねない。  他方、会見中の「インフレや金利があっても成長する経済を...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    自民党総裁選の日程が決まり、候補者の政策の輪郭が見えてきた。本稿では各候補者の掲げるマクロ経済政策に焦点を当て、その比較を試みる。財政・金融といったマクロ政策は、国家の経済基盤を決定する重要な柱であり、国民の経済活動に大きな影響を与えるものであるが、現時点で全貌が明らかになっているわけではない。そこで、主に財政政策に関し、立場を明ら...

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国基研企画委員・麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男    8月26日、中国軍のY9情報収集機が、長崎県の男女群島付近の日本領空を約2分間にわたって侵犯した。中国軍機による我が国の領空侵犯は初めてである。  国際法上、国家は領空において「完全かつ排他的」な主権を有している。領海のような「無害通航権」(沿岸国の平和・秩序・安全を害さない限り、その国の領海を自由に通航できる権利)は認...

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国基研研究員 中川真紀    8月26日、中国軍のY9情報収集機が長崎県の男女群島沖で、中国軍機としては初めて日本の領空を侵犯した。同機は台湾及び日本への軍事作戦を担当する中国軍5大戦区の一つ、東部戦区の所属であり、これまでも日本周辺空域での飛行が確認されている。  今回の領空侵犯が故意か過失かは不明だが、中国軍、特に東部戦区の①対日情報収集範囲の拡大②日本を対象とする海空域防...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林 直    太陽光や風力発電は原子力に代わるクリーンなエネルギーとして世界的に持てはやされてきたが、今やこれら再生可能エネルギー(再エネ)の電力供給源としての力不足が認識される一方、原子力が地球温暖化対策の切り札として強力に推進され始めた。福島第一原子力発電所事故の教訓で世界中の原発の安全性は強化され、革新原子炉の建設も始まっている。  ...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 江崎道朗    自民党総裁選では多くの課題が議論されるが、ここで確認しておきたいことがある。それは現在、国会で議論されている皇族数確保策のことだ。  ●旧皇族復帰案に立憲・野田氏が抵抗  我が国は、天皇陛下を「国民統合の象徴」として戴く立憲君主国家だ。ところが天皇陛下をお支えする皇族がこのままだといらっしゃらなくなるかもしれない。そうした...

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