公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    食料品、エネルギー価格の上昇を主因に、総合物価指数が上昇率3%台半ばと高止まりしており、消費者の負担が大きくなっている。  食料品の価格上昇は、食料自給率が低いことも相俟って、輸入価格上昇に伴う「コストプッシュ・インフレ」によるところが大きい。コストプッシュ・インフレは実質賃金の上昇が遅れている現状では、国民生活を苦しめる一方、消...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    米国と中国は5月10、11日のスイスでの高官協議で、米国の対中関税の145%から30%への引き下げなどで暫定合意した。両国は今後90日間、包括的な経済の枠組みを話し合うという。トランプ米政権が包括協議の主要テーマとして取り上げるべきは、人民元相場の管理制度の撤廃である。  ●貿易秩序を破壊した中国  高関税は百害あって一利...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    「『安定的な皇位継承の確保』をうたいながら、議論集約をぶち壊そうとしているのではないか」。読売新聞社が15日に発表した皇位継承に向けた提言を読んだある政府高官の感想である。安定的な皇位継承や皇族数確保を図る法案をめぐって、令和4年1月提出の政府の有識者会議が示した皇統に属する男系男子の養子縁組による皇室復帰案と、女性皇族が婚姻後も...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    私は北朝鮮による拉致被害者の支援組織「救う会」会長として、4月29日から5月4日まで、家族会および拉致問題に取り組む国会議員らと一緒に訪米した。トランプ米政権が日本人拉致問題解決への強い意志を持っており、米議会の共和、民主両党議員もそれを支持していることを確認できた。  ●米議会にも連帯の動き  ルビオ国務長官がトラ...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    米国と英国が関税交渉で合意した。トランプ米政権による「相互関税」の基本税率10%を堅持しつつ、鉄鋼・アルミニウム、自動車への25%の追加関税については、乗用車への関税を10%に低減する輸入枠を設け、鉄鋼・アルミニウムは無税とした。  石破茂政権は米英合意について聞かれると、米国に高関税の撤廃をあくまでも求めると言う。だがトランプ...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    沖縄県の尖閣諸島周辺で5月3日、中国海警局の艦載ヘリコプターが短時間ながら日本の領空を侵犯した。中国ヘリによる領空侵犯は初めて。日本の民間機が尖閣周辺を飛行したためヘリを飛ばして警告したと中国側は主張しているが、そうした既成事実を積み重ねる「サラミ戦術」を中国は繰り返してきた。日本政府は「極めて遺憾」と抗議したが、従来型対応では限...

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国基研研究員 中川真紀    4月5日、カンボジア南西部の同国海軍リアム基地で、中国の支援による基地拡張工事の完了式典及び基地内に設置された中国カンボジア・リアム港共同兵站訓練センターの発足式が挙行された。同センターには中国人民解放軍が常駐することになっており、中国はアフリカのジブチ基地(2017年開設)に続く第2の海外軍事基地を実質的に保有した。  ●軍人が常駐、軍艦も停...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    米政府は冷戦時代から、国家予算を投入してソ連、東欧、中国、北朝鮮など全体主義国家の住民に真実を伝える活動をしてきた。今風にいえば「認知戦」である。その担い手がVOA(ボイス・オブ・アメリカ)、RFE(自由欧州放送)、RFA(自由アジア放送)だった。  所属する記者は政府の広報を一方的に流すのではなく、独自に取材して記事を書...

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国基研企画委員・京都大学大学院客員教授 本田悦朗    加藤勝信財務相は24日、ワシントンでベッセント米財務長官と会談し、為替政策を巡って協議した。日本側の発表によると、①為替レートは市場で決まる②過度な変動や無秩序な動きは経済と金融の安定に悪影響がある―との認識を双方で再確認した。また、ベッセント氏はトランプ大統領の意向に沿って為替水準への懸念を表明したが、「為替水準の目標」設...

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国基研研究員 中川真紀    台湾侵攻を担当する中国軍東部戦区が4月1~2日、海上封鎖及び模擬目標への実弾射撃を主体とする統合演習を実施したと発表した。模擬目標への実射を主体とする演習は「海峡雷霆-2025A」と命名された。4月という訓練年度開始早々の統合演習であり、中国が習近平国家主席の指示通り2027年に台湾へ侵攻できる準備を着実に進めていることがうかがえる。今回の演習で主に...

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