公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研副理事長 田久保忠衛    パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが、民主主義国家イスラエルに対して卑劣な大規模の奇襲攻撃を行った事件だ、と正確に理解する必要があると思う。  ●ハマスの背後にイランと中露  ハマスが事前にイランと協議し、承認を得て実行に移された、と一米紙が事件翌日に報道して世界を驚かせたが、その後サリバン米大統領補佐官は「広い...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    ついに政府が世界平和家庭連合(旧統一協会)の解散命令を東京地裁に請求した。私は昨年10月31日付の本欄で、福音派キリスト教信者として「政府と国会が現在進めている旧統一協会への対応に恐怖を感じている。…なぜなら、信教の自由という憲法で保障されている大原則によってこれまでできないとされてきたことが、次々とできることにされているか...

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国基研理事・東海大学教授 山田吉彦    日本の海洋安全保障にとって最も重要な施策は、領土、領海、領空を守る確固たる意志を示すことである。  中国による尖閣諸島への侵出は止まるところを知らない。中国は7月、尖閣諸島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に、海洋観測用と思われるブイを設置した。政府はその事実を確認したものの、2カ月間国民に知らせなかった。9月19日になって急遽公表し...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    「テロ」を「テロ」と呼ばない岸田文雄首相は国家指導者として失格ではないか。そう思わざるを得ない「X」(旧ツイッター)への首相の投稿があった。イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエル襲撃を「強く非難する」としたが、「テロ」の表現を避けた。イスラエルの反撃でパレスチナ自治区ガザ地区でも多数の死傷者が出ていることに言及し、「深刻に憂...

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国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    10月2日、首相官邸で日本学術会議新会員の辞令が交付され、学術会議の新体制が決まった。新会長に選ばれた光石衛まもる・東京大学名誉教授(機械工学)は、菅義偉前首相が任命を拒否した6人について「改めて任命を求めていく」と語っており、左翼イデオロギーによる学術会議支配が今も続いていることが分かる。学術会議の反原発、反軍事思想の弊害が顕著に...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    自民党の若手議員グループ「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は近く、時限付きでの消費税減税を提案する。岸田文雄首相は実現に向け指導力を発揮すべきだ。  1997年以降、3回の消費税増税こそは四半世紀以上もの間の慢性デフレをもたらしてきた元凶である。平成バブル崩壊不況の余波でデフレ圧力が高まった中、橋本龍太郎政権は1997年4月...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    政権発足から4日で丸2年を迎えた岸田文雄首相は記者団に「一つ一つに真正面から向き合い、決断し実行する。こうしたことを続けてきた2年間だった」と振り返った。昨年12月の「国家安全保障戦略」など安保3文書を閣議決定したこと、防衛費を令和9年度に国内総生産(GDP)比2%に増額すると決めたことなどは評価できる。だが、政府内から聞こえて...

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国基研企画委員兼研究員 湯浅博    米議会の未曾有の混乱は、「帝国の復活」を夢見るロシアと中国の独裁国家を勇気づけている。米下院はつなぎ予算からウクライナ支援を除外したうえ、米国史上初めて議長を解任してしまった。米議会の機能不全とウクライナ支援の凍結は、欧州だけでなく、日本などアジアの同盟国をも不安に陥れる。中国が「米国弱し」と誤算して、台湾攻撃を仕掛ける懸念が急速に高まるから...

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国基研副理事長 田久保忠衛    米議会は2023会計年度末の9月30日深夜、11月半ばまでのつなぎ予算を可決し、バイデン大統領が署名した。政府機関の一部閉鎖が回避されたので、米国民の大方は一安心だろう。しかし、バイデン政権が議会に要請していたウクライナ向け追加援助240億ドル(約3兆6000億円)は削除されてしまった。共和党強硬派の意向を汲くんだマッカーシー下院議長(共和)の判...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    日本が国連に拠出する分担金の比率は米国と中国に次いで3番目に多い。ロシアは10位以内にも入っていない。にもかかわらず、安全保障理事会常任理事国の一員であるロシアによるウクライナ侵略もあり、国連は全く機能していない。  岸田文雄首相は19日の国連一般討論演説で、ロシアが「国際法、『法の支配』を蹂躙している」と批判したが、それだけ...

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