公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研理事長 櫻井よしこ    内憂外患である。瘦軀そうくの下級武士らが命懸けでわが国を守った明治維新時と比べても、現在のわが国の危機はなお深い。  ●連携強化する中露朝とイラン  中露、イラン、北朝鮮はもはや連携強化を隠さない。中国はロシアを石油・ガスの購入で支え、中国製「民生用」ドローンがウクライナ上空を飛び交う。プーチン露大統領は10月18日、初めて台湾を中国の不可...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    12月18日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射訓練を行った。火星18は固体燃料型で、4月と7月に試験発射が行われていた。私がこれまで繰り返し強調しているように、試験発射とされるのはまだ開発が終わっていない段階であり、開発が終わると実戦配備されて発射訓練が行われる。従って、ついに固体燃料型のICBMが実...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 江崎道朗    昨年12月、岸田文雄政権は国家安全保障戦略などを全面改定し、中国、ロシア、北朝鮮などの脅威に対抗すべく反撃能力の保持に踏み切るとともに、防衛費を5年間で43兆円とすることを閣議決定した。  国家安保戦略には「国民保護のための体制の強化」という項目が新設され、有事対応が始まったことはあまり知られていない。例えば3月17日、岸田政権...

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国基研企画委員・麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男    「戦争の帰趨は後方(ロジスティックス)で決まる」という。また「制空権なき勝利はあり得ない」ともいわれる。今年6月からのウクライナ軍による反転攻勢は思ったほどの成果を出せず、ウクライナの戦線は膠着気味である。ウクライナ軍の苦戦は、ロシアが制空権を握る戦況に加え、兵器不足、弾薬不足という「後方」に起因する面が大きい。  後方...

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国基研企画委員・元防衛庁情報本部長 太田文雄    ロシアとウクライナの戦争が膠着状態に陥り、最大の軍事援助国である米国の議会が与野党対立によりウクライナ向け追加援助で合意できない状況にある。このままでは、ロシアがウクライナに対し「侵略し得」の状態を作り出すことになりかねない。  この状態を見ている中国の習近平政権は、台湾侵攻も成功するチャンスがあると判断して、侵略に踏み切る可...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    防衛装備移転に関する与党調整が迷走している。これまでの議論の積み上げを公明党が無視する態度に出たためだ。自民、公明両党で構成するワーキングチーム(WT)は4月以降議論を重ね、7月には他国と共同開発する装備品の第三国への移転を容認する方向にあった。しかし、公明党の石井啓一幹事長は12月1日の会見で、「第三国への輸出はこれまでのあり方を大...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    国の財政に関する基本法である財政法は第4条1項で、公債発行に依存しない「非募債主義」即ち「均衡財政主義」を定めているが、公共事業費等の財源については例外的に、国会の議決を経た金額の範囲内で公債の発行を容認している。これを「建設公債の原則」と呼ぶ。しかし、現実には、経常的な支出に充てるために毎年のように特例法を制定し、「特例公債」(赤...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    米国が主導する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)の閣僚会合、首脳会合が先週閉幕した。IPEFは4本柱で構成されるが、そのうち「脱炭素」と「公正な経済」で妥結し、「貿易」は合意が先送りされた。今年5月に「供給網の強化」で妥結している。以上が2022年9月の交渉開始から1年余の成果だ。ただし、これは来年になると米国が大統領...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    1979年の国交正常化以降で最悪と言ってよい米中関係は、米サンフランシスコ近郊における11月15日のバイデン米大統領と習近平中国国家主席の首脳会談で、偶発的な軍事衝突を回避する軍同士のハイレベル対話再開に合意するなど、当面の緊張を緩和した。しかし、うわべの関係修復にだまされてはならない。米中関係を一気に緊迫させかねない台湾総統選挙が2カ月後に...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    約1年ぶりに行われた日中首脳会談では「戦略的互恵関係」の包括的推進を確認したが、懸案である中国による邦人拘束問題、尖閣諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)での中国ブイの撤去問題、中国による日本産水産物の全面禁輸問題は解決しなかった。  日本経済新聞によると、10月に北京で開かれたレセプションで、「戦略的互恵関係」という概念を編み...

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