公益財団法人 国家基本問題研究所
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原発をどうする

2011.10.31 (月) 印刷する

メタンハイドレートなどに期待 広谷司

 原発は、基本的に電力というエネルギーを私たちが確保するための一手段にすぎない。とするならば、電力を確保する方法としてどれが一番よいのかをさまざまな角度から検討する必要があるということになります。現時点では、原発にはそれなりのメリットがありますが、将来的にはそのメリットが失われる確率が高いと私は考えています。
 その根拠は、レーザー核融合とメタンハイドレートの2つです。レーザー核融合はまだ先の技術です。しかし、来年秋にはアメリカで点火される予定であり、点火に向けたカウントダウンも始まっています。国内では、大阪大学を中心に、浜松ホトニクス、トヨタも加わっての研究、実験が進められています。50年後ぐらいには、実用化のめどが立つのではないかと期待しています。
 では、それまでの期間をどうするのか。それがメタンハイドレートです。来年2月に愛知県沖で試掘が始まります。その埋蔵量は日本の天然ガス消費量の約100年分と試算されています。これだけあれば、50年はもつでしよう。加えて、二酸化炭素(CO2)からメタンを生成する微生物の研究も進められています。当分は原発に依存するにしても、将来は必要なくなると考えます。