公益財団法人 国家基本問題研究所
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原発をどうする

2011.11.02 (水) 印刷する

「脱原発」でも核抑止力は必要 川村泰子

 日本は福島第1原発とその周辺の国土を失ったと、口にこそしないものの、そう感じている人は多いと思います。いかなる理由であろうとも、原発事故は1度たりとも許されるものではありません。
日本は、火山噴火、地震、津波から逃げられない宿命にあります。今後、更なる規模の天変地異が起こらないという保証はありません。百歩譲って、 今回の事故を教訓に安全性を10倍高めたとしても、果たしてこれを何の人為的ミスもなく、管理運営していくことが可能でしょうか? 自前の憲法を持たない国なら、なおさら信頼が持てません。また「核のゴミ」の処理が未解決です。自分の家から出たゴミを、自分の家できちんと片付けられないのは、武士道に反します。従って、明治天皇の玄孫、竹田恒泰氏の「原発は日本の国柄に合わない」という意見に賛同、原発以外の方法での発電、蓄電の技術革新を急ぐべきだと考えます。
 しかしながら、私は「脱原発」派であっても、日本は抑止力としての「核のカード」を持つべきだと考えます。それには、まず非核三原則から「持ち込まない」を外すことが必要です。あくまでも核と原発は切り離して考えるべきです。