2011年9月の記事一覧
「原発」例会についての所感 会員 高橋憲一
櫻井理事長は9月12日の月例研究会「原発抜きで日本は生き残れるか」の冒頭、原発の再稼働が認められない場合、来春には全原発が停止となるので、経済的、技術的、政治的かつ安全保障の面で日本は大丈夫なのか、とパネリスト3氏に意見を求めた。原子核工学の奈良林北大教授は、万一の場合の原子炉の汚染拡散抑制構造や冷却システムについて提案したが、既存の原発に関しては地震の破壊力に対する金属の弾性限界や耐震地盤強化...
安全・安心な原発の開発が課題 会員 児玉朗
かつて原子力発電を推進していた人が、福島第一原子力発電所での放射能災害を機に脱原発や原発否定に考え方を変えるのは、66年前の敗戦で「鬼畜米英」の軍国主義から平和主義へ突然言動を切り替えた人たちを思わせ、胡散臭(うさんくさ)さを感じざるを得ない。 40年前、茨城県東海村の原発が稼働して以来、その技術は日進月歩と思いきや、さにあらず、現時点で50基余りあるものの、その8割が稼動停止状態だという。事...
私が「原発継続派」をやめた理由 会員 金谷敏行
6月の月例研究会『放射線被害の虚実』、9月の『原発抜きで日本は生き残れるか』を拝聴し、3.11以降、『原発をどうする』問題を考える一国民として、改めていくつかの論点からこの問題を考える機会を得た。 日本国民は、感情論に走る事なく事態を冷静に見極め、孫・子の将来に禍根を残さない『美しい日本』を守るための正しい判断を下さねばならない。 私は安全保障の立場から原発継続派であったが、知事時代に原発を推...
原発より廃棄物のない電力を 会員 朝比奈聡
野田総理の国連演説案では、『原発の安全性を最高水準に高める』とか『安全でより信頼性の高い原子力エネルギーの確保は引き続き必要だ』として脱原発依存へ移行しない立場を明確にしています。20年前にIAEAから福島原発に外部電源の設置・水素再結合器の設置・放射性物質吸着フィルターの排気塔への設置・建屋の強化が指摘されたとき、東電は、GE社から何も連絡がないといって放置してしまったといいます。本来政府と経...
原発は保守の基本思想に反する 加藤智也
私は脱原発を支持しております。明日にでも原発を全て止めろとまでは主張しませんが、少なくともなぜ、段階的廃止を主張しないのか不思議です。 保守の基本思想は国家を時間軸の中で捉えることだと認識しております。つまり、先祖から受け継いだ祖国を美しいままで子孫に残す、というのが根本にあります。ところが、この考えに相反するのが原発です。原発は震災で事故を起こすということが明らかとなりました。そして、場合に...
貧しく生きる覚悟は脱原発派にあるのか 学生 伊藤夏樹
「脱原発」論義が日本中で盛り上がりを見せている。菅直人前首相は7月、唐突に脱原発を宣言した。辞任した鉢呂吉雄経産相は「基本的に原発はゼロにする」と発言した。マスコミも、被災地の復興より脱原発や代替エネルギーの議論で忙しいようだ。しかし原発を本当に廃止して良いのだろうか。 福島第一原発の事故は、最初から最後まで作業員の人為的ミスの連続で引き起こされたスリーマイル島やチェルノブイリの事故と根本的に...
原発は中国問題でもある 会員 北秀司
脱原発、減原発、原発維持または推進と意見がいろいろであり、それぞれに一理あるが、そういったことにお構いなく、隣国中国は近い将来100基の原発を稼動する予定と聞く。その時、あの高速鉄道事故を起こした中国で人災または天災により原発事故が起きる可能性を日本国民はいかに考えるのか。 いったん事故が起きれば、偏西風に乗って放射能が黄砂や雨と一緒に舞い降りてくる。昔の酸性雨問題の比ではない。下手をすれば日...
「原発=核抑止」の認識は疑問 会員 オフィス エム・ソリューション代表 前嶋規雄
東日本大震災から半年たって、フクシマが「人災」だったことや、「原発は不可欠でもなさそう」なことが判ってきた。しかし、尊敬する国基研理事の石原慎太郎東京都知事は「フランスはきちんと管理できている。日本でもできるはず」と言う。私達の櫻井よしこ理事長も、原発事故に適切な対応をしなかった政府の「姿勢」の問題と講演会で主張された。いずれの議論も、日本には原発を使う必要な技術があるという前提に立っておられる...