公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

原発をどうする

2011.09.21 (水) 印刷する

原発より廃棄物のない電力を 会員 朝比奈聡

 野田総理の国連演説案では、『原発の安全性を最高水準に高める』とか『安全でより信頼性の高い原子力エネルギーの確保は引き続き必要だ』として脱原発依存へ移行しない立場を明確にしています。20年前にIAEAから福島原発に外部電源の設置・水素再結合器の設置・放射性物質吸着フィルターの排気塔への設置・建屋の強化が指摘されたとき、東電は、GE社から何も連絡がないといって放置してしまったといいます。本来政府と経済産業省は東電に命じて改修工事をさせるべき立場であったはずです。東電にまかせると経済問題から改修工事を渋るから危機管理として必要な工事は、政府が全額出資してでも行う事が基本だったはずです。これができなかったのは、専門家や業界での安全神話や現保安院も初期の頃は、定期検査に行った原発で、ビール券やいろいろな招待を要求するなどのことがあったといいます。また政界にも電力業界からお金が流れているといわれます。最近の新聞にはGF(グリーンフェライト)太陽電池が従来の100倍の光吸収をするとありました。国内には小さくても優れたバイオマスプラントメーカーがあり、重電メーカーも風力や太陽、地熱など安全で自給資源の発電に切り替える事は十分可能です。だから、お金を安全で廃棄物公害のないものに投資することが大切ではないでしょうか。