公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

原発をどうする

  • HOME
  • 「原発をどうする」の記事

2011年11月の記事一覧

 国家基本問題研究所が平成23年10月末に「選ぶべき道は脱原発ではありません」と題する意見広告を主要紙に掲載すると、事務局に読者から多くの疑問が寄せられました。その疑問に対し、北海道大学大学院工学研究院の奈良林直(ただし)教授(国基研客員研究員)が分かりやすく回答してくれました。 (1)自然災害と原発の安全性確保 【疑問】原子力発電は今までは安全に運用されてきましたが、東日本大震災が発生して、安...

続きを読む

 日本は福島第1原発とその周辺の国土を失ったと、口にこそしないものの、そう感じている人は多いと思います。いかなる理由であろうとも、原発事故は1度たりとも許されるものではありません。 日本は、火山噴火、地震、津波から逃げられない宿命にあります。今後、更なる規模の天変地異が起こらないという保証はありません。百歩譲って、 今回の事故を教訓に安全性を10倍高めたとしても、果たしてこれを何の人為的ミスもなく...

続きを読む

 原発は、基本的に電力というエネルギーを私たちが確保するための一手段にすぎない。とするならば、電力を確保する方法としてどれが一番よいのかをさまざまな角度から検討する必要があるということになります。現時点では、原発にはそれなりのメリットがありますが、将来的にはそのメリットが失われる確率が高いと私は考えています。  その根拠は、レーザー核融合とメタンハイドレートの2つです。レーザー核融合はまだ先の技術...

続きを読む

 研究所の方針に深く感銘を受けている者です。近々会員になりたいと考えています。しかし、「選ぶべき道は脱原発ではありません」には疑問があります。福島の原発事故は人災だったということですが、人災はあらゆる事故に言えることで、完全に防ぐ事は不可能とおもいます。であれば、やはり時間をかけてでも自然エネルギーへの転換が必要と考えますが如何でしょうか。...

続きを読む

 かねがね尊敬申し上げる櫻井様。「原発維持」とのご意見ですが、放射性廃棄物や使用済み核燃料の処理技術・管理方法が合意されていない段階で、原発を稼働させることは本来許されるべきではありません。  製造責任は遠い将来も予測し、安全が確保されねば無責任と言わざるを得ません。現在のエネルギー源として原発は大変役立つからといって、「副産物」を無視するのはおかしい。長い将来にわたって放射性廃棄物の安全が確保で...

続きを読む

 「原発をどうする」を議論するに当たり、短絡的、感情的な考えは極力避けるべきでしょう。そのためには、福島原発事故の真相解明と、導入から今日までの運用の経緯を白日の下にさらすことをひるんではいけない。ただ、返す返すも残念なことだが、広島・長崎で原爆を経験した我が国は他国よりも原発事故予防に関しては念には念を入れてほしかった。 資源に乏しい我が国が自立していくのに、原子力は手放してはいけない技術でしょ...

続きを読む

 新聞意見広告「選ぶべき道は脱原発ではありません」を拝読しました。私はエネルギーを原発に依存するのは反対です。原子力の平和利用と銘打って始まった原子力発電は今までは安全に運用されてきました。でも、東日本大震災が発生して、安全な設備を構築することの困難さを実感したのではないかと思います。今回は無事だった女川原発が次の地震で崩れないと保証できますか。御前崎原発の、小浜原発の地震が起きた時を想像すると恐...

続きを読む

 国運を左右する判断においては、払う犠牲は大きくとも、国民はそれを受け入れなければならないことがある。好むと好まざるとにかかわらず、日清・日露の戦勝が我が国をいわゆる一等国に押し上げたが、その代償として夥(おびただ)しい犠牲を払った。この場合、庶民が厭戦(えんせん)気分になることは致し方のないことであろう。しかし、国家としては選択せざるを得ない判断ではなかったか。資源、エネルギー、食糧、国防、外交...

続きを読む

 岩崎良二氏の主張は、車も資本主義も便益であるからその利便の対価を支払えと述べている。それは極論すれば命を奪っても致し方ないとの立場を選択し、その犠牲はやむを得ないとすることだが、果たしてご自身がその対象者となっても貫ける自信がおありなのか。  原発事故と自動車事故や資本主義の弊害は次元の異なる問題ではなかろうか。自動車事故は及ぼす範囲が狭く、資本主義の弊害は修正が可能である。自動車事故は機能や構...

続きを読む

 物事には全て陰陽があり、便益をもたらすものはその効用に比例して害悪ももたらすものである。この理(ことわり)は万古不易の理であり、我々が営む文明生活ももちろん例外ではない。モータリゼーションが年間1万人余の犠牲者を出し、もっと言えば資本主義は年間3万人余の自殺者を生み出している。 資源のない我が国が、効率的で大量のエネルギーを安定的に長期にわたり確保するためには、原発は外すことのできない選択肢であ...

続きを読む

 櫻井理事長は9月12日の月例研究会「原発抜きで日本は生き残れるか」の冒頭、原発の再稼働が認められない場合、来春には全原発が停止となるので、経済的、技術的、政治的かつ安全保障の面で日本は大丈夫なのか、とパネリスト3氏に意見を求めた。原子核工学の奈良林北大教授は、万一の場合の原子炉の汚染拡散抑制構造や冷却システムについて提案したが、既存の原発に関しては地震の破壊力に対する金属の弾性限界や耐震地盤強化...

続きを読む

 かつて原子力発電を推進していた人が、福島第一原子力発電所での放射能災害を機に脱原発や原発否定に考え方を変えるのは、66年前の敗戦で「鬼畜米英」の軍国主義から平和主義へ突然言動を切り替えた人たちを思わせ、胡散臭(うさんくさ)さを感じざるを得ない。  40年前、茨城県東海村の原発が稼働して以来、その技術は日進月歩と思いきや、さにあらず、現時点で50基余りあるものの、その8割が稼動停止状態だという。事...

続きを読む

 6月の月例研究会『放射線被害の虚実』、9月の『原発抜きで日本は生き残れるか』を拝聴し、3.11以降、『原発をどうする』問題を考える一国民として、改めていくつかの論点からこの問題を考える機会を得た。 日本国民は、感情論に走る事なく事態を冷静に見極め、孫・子の将来に禍根を残さない『美しい日本』を守るための正しい判断を下さねばならない。  私は安全保障の立場から原発継続派であったが、知事時代に原発を推...

続きを読む

 野田総理の国連演説案では、『原発の安全性を最高水準に高める』とか『安全でより信頼性の高い原子力エネルギーの確保は引き続き必要だ』として脱原発依存へ移行しない立場を明確にしています。20年前にIAEAから福島原発に外部電源の設置・水素再結合器の設置・放射性物質吸着フィルターの排気塔への設置・建屋の強化が指摘されたとき、東電は、GE社から何も連絡がないといって放置してしまったといいます。本来政府と経...

続きを読む

 私は脱原発を支持しております。明日にでも原発を全て止めろとまでは主張しませんが、少なくともなぜ、段階的廃止を主張しないのか不思議です。  保守の基本思想は国家を時間軸の中で捉えることだと認識しております。つまり、先祖から受け継いだ祖国を美しいままで子孫に残す、というのが根本にあります。ところが、この考えに相反するのが原発です。原発は震災で事故を起こすということが明らかとなりました。そして、場合に...

続きを読む

 「脱原発」論義が日本中で盛り上がりを見せている。菅直人前首相は7月、唐突に脱原発を宣言した。辞任した鉢呂吉雄経産相は「基本的に原発はゼロにする」と発言した。マスコミも、被災地の復興より脱原発や代替エネルギーの議論で忙しいようだ。しかし原発を本当に廃止して良いのだろうか。  福島第一原発の事故は、最初から最後まで作業員の人為的ミスの連続で引き起こされたスリーマイル島やチェルノブイリの事故と根本的に...

続きを読む

 脱原発、減原発、原発維持または推進と意見がいろいろであり、それぞれに一理あるが、そういったことにお構いなく、隣国中国は近い将来100基の原発を稼動する予定と聞く。その時、あの高速鉄道事故を起こした中国で人災または天災により原発事故が起きる可能性を日本国民はいかに考えるのか。  いったん事故が起きれば、偏西風に乗って放射能が黄砂や雨と一緒に舞い降りてくる。昔の酸性雨問題の比ではない。下手をすれば日...

続きを読む

 東日本大震災から半年たって、フクシマが「人災」だったことや、「原発は不可欠でもなさそう」なことが判ってきた。しかし、尊敬する国基研理事の石原慎太郎東京都知事は「フランスはきちんと管理できている。日本でもできるはず」と言う。私達の櫻井よしこ理事長も、原発事故に適切な対応をしなかった政府の「姿勢」の問題と講演会で主張された。いずれの議論も、日本には原発を使う必要な技術があるという前提に立っておられる...

続きを読む