国家基本問題研究所は、4月24日(月)、恒例の月例研究会を東京内幸町のイイノホールで行いました。今回のテーマ「朝鮮半島の危機と日本」は現在進行形のトピックで、北朝鮮の核・ミサイルによる恫喝に対して周辺各国はいかにすべきかなど、興味深い内容でした。
ほぼ満席状態の会場が熱気に包まれる中、午後6時半に開演。司会を務める櫻井よしこ理事長が登壇者を紹介して研究会はスタート。口火を切ったのは、国基研企画委員の湯浅博氏です。今の状況をキューバ危機になぞらえこれからが始まりといい、半島を中心とした米中ロのせめぎあいが展開されるとしました。
それを受け、産経新聞外信部次長の矢板明夫氏は、中国の視点は半島問題を長期戦略として位置づけてきた歴史があり、じわりじわりと対応するので、トランプ氏は習近平氏に騙されている可能性があると示唆。かなりの長期戦になるのではないかと予想。
また、米国政治に詳しい福井県立大学教授の島田洋一氏は、米国が期待するのは中国による北朝鮮制裁という実効的カード。そのため、今後中国へも圧力をかけることが予想され、北朝鮮経済にも影響力のある中国銀行(Bank of China)の扱いが注目されるとしました。
さらに、朝鮮問題を専門とする麗澤大学客員教授の西岡力氏は、半島の危機はずーっと続いており、やっとトランプ大統領が腰を上げ顕在化しただけと指摘。わが国最大の脅威は、核を持つ朝鮮半島の赤化統一。まずは拉致被害者や在韓邦人を保護する手段を尽くし、赤化統一を阻止すべくわが国の総力を結集すべきと力を込めました。
最後に理事長から、今そこにある危機に対処することは当然で、だからこそ憲法改正を実現しなければいけないと討論をまとめました。
詳報は後日、「国基研だより」や国基研ホームページでお伝えする予定です。
(文責 国基研)