新天皇の即位にともない「令和」という時代が始まった。安倍首相は、談話を発表し、「令和には人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味がこめられている」と寿いだ。が、ふり返ってみれば、平成時代にわれわれは一体何をしただろうか。
懸案の改憲など思いもよらないことだったし、北朝鮮拉致被害者の帰国もままならなかった。それもこれも、1945年のポツダム宣言受諾の際、辛くも国体が維持できたことに安住してしまった結果ではなかったか。
「令和」の時代の今こそ、国としてのありようを根本的に考えてみるべきではないのか。
櫻井 今日は、新しい時代を迎えようとする私たちの国、日本がどんな課題を抱えているのか。いつもの時事問題とは離れたかたちで、わが国の国柄、国体というものを中心に考えていきたいと思います。今回のテーマ「令和という時代、日本が歩むべき道」という、少しおとなしいテーマですが、大事なことと考えています。本日も、たくさんの方がおいでくださいました。皆さま方には、国家基本問題研究所を応援していただいて、本当にありがたく思っています。私たちは純粋に民間の皆さん方の草の根の応援で、活動をしています。業界からも政府からも、お金は一円ももらっていません。皆さん方が国基研と一緒にやってやろう、この国をもっといい国にしようという思いを持ってくださり、支えてくださるから、この組織を維持することができています。いつも言うことですが、私たちももっと頑張って、もっと若い世代に支持を広げて、メンバーを増やしていくことをお約束しますので、応援をお願いします。
今日は特別のゲストをお招きしました。私が大変に尊敬し、信頼している政治家の中山恭子先生です。今年の参議院選挙には、とても残念なことですが、もうご出馬されないと、政治家を引退することを宣言されました。ご存じのように、先生は拉致問題のときには、男性の政治家も顔向けするぐらい、本当に筋の通った強い信念をお持ちでいらっしゃいました。
さて、五月一日から令和の時代が始まります。そして、天皇陛下は皇后陛下とともに最後のさまざまな行事に臨まれています。本当に時代が新しいところに行くのだな、という印象です。この平成から令和への移り変わりは、いったい何を意味するのか。ただ単に元号が新しくなり、なんとなく新しい時代に入っていくという表面的な理解では追いつかない深い問題を抱えているはずです。その深い問題は何かということで、まず田久保さんにお話をいただけたらと思います・・・