2025年4月の記事一覧
令和コメ騒動の黒幕―農水省とJA農協 山下一仁(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
なぜコメがなくなり値段が高騰したのか 昨年夏スーパーの棚からコメが消え、その後その値段は2倍に高騰した。JA農協や大手卸売業者の民間在庫は昨年の5月頃から今年の2月現在まで、前年同月比で40万トン減少している。 3年前から農水省とJA農協は減反を強化して米価を上げようとしていた。2023年産米は作付け前から減反で前年比10万トン減少していた。さらに、猛暑の影響を受け白濁米などの被害が生...
遺骨収集超党派議連に感ずる不安 渡久地政見(団体職員)
先の大戦中に内外の戦地で亡くなった戦没者は約240万人。そのうち今もなお半分近い約112万柱の遺骨が沖縄や硫黄島といった日本国内のほか、海外の広漠とした大地や太平洋の島々、暗い海底に残されている。 戦後80年を迎えるが、遺骨の収集は遅々として進んでいない。その中で、遺骨収集促進を目的とした超党派国会議員連盟が5月8日に設立される。遺骨収集に自ら参加した体験から、この超党派議連について考えを述...
日本人拉致を歴史的に考える―北朝鮮残留邦人に着目して 荒木信子(朝鮮半島研究者)
本稿では、終戦後に生じた北朝鮮残留邦人に着目して、北朝鮮による日本人拉致を歴史的な視点から考えてみたい。 北朝鮮残留邦人とは、1945年8月の終戦時に北朝鮮に滞在、あるいはその後満州からの引き揚げの途上で北朝鮮に入境し、日本への帰国が困難になった人たちである。その多くは朝鮮戦争勃発(1950年6月)までに日本に戻ったが、途中で亡くなった人や帰れなくなった人がいた。日本統治時代、北朝鮮地域には...